急増しいている大腸がん。
特に30代から多くなっています。
大腸がんは死亡する人よりもかかった人の方がはるかに多いため、身近な病気となってきています。
大腸がんの症状について正しい知識を身につけましょう。
1.大腸の2つの働きとは?
大腸がんを理解するために、大腸の基本的な働きを知ることは大切です。
食べたものを消化・吸収して、排泄する働きをする消化器。
全長約1.5mもある消化管の最後尾にあって、消化活動の仕上げをするのが大腸です。
大腸の働きの一つは食べ物の残りかすで便をつくることです。
通常、胃で分解された食べ物は小腸で約90%の栄養素を吸収します。
その後、大腸で食物繊維の発酵や一部の栄養素と水が吸収されて、食べ物の残りかすが徐々に固まって便になります。
もうひとつの働きは便を貯留することです。
大腸は蠕動運動によって便を直腸に送り貯留し、食後約24〜72時間後に肛門から排泄します。
2.腸内の悪玉菌が大腸がんの原因に!?
大腸には老化や生活習慣病、がんなどのリスクに関係する腸内細菌が存在しています。
大腸に生息している腸内細菌の数、なんと約500種類、100兆個以上になります。
そのうち、善玉菌は消化や吸収を助けたり、腸粘膜の免疫細胞を活性化するなど健康に良い影響を与えます。
一方、悪玉菌はアンモニアや硫化水素など有害物質をつくり、腸粘膜や血液を汚して全身へ広がるため健康に害を与えます。
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善玉菌よりも悪玉菌が増えてしまうと、がんになる可能性が高くなってしまうでしょう。
3.大腸がんが発生しやすい部位と理由とは?
全長が長い大腸。
順番は盲腸→上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸→肛門管です。
大きく分けると結腸と直腸のため、大腸がんは結腸と直腸にできるがんの総称になります。
一般に大腸がんのうち、約4割が直腸がん、2割強がS状結腸がん、6割が肛門に近い部位に発生しています。
つまり、肛門から30㎝以内に約70%が集中していることになります。
内訳です。
直腸・・・約39%
S状結腸・・・28%
上行結腸・・・13%
横行結腸・・・8%
盲腸・・・6%
下行結腸・・・5%
直腸やS状結腸に発生しやすい理由は溜まる固形便の量です。
そもそも、直腸とS状結腸は排便に備えて便を貯めることができる部位。
便が多く溜まって接触が長くなる分、刺激も多く発がん物質にさらされる時間が長いため粘膜ががん化してしまいます。
4.大腸がんの代表的な3つの症状とは?
大腸がんの代表的な3つの症状は出血・便通異常・腸閉塞です。
ただし、これはがんが大きくなるにつれてあらわれる兆候です。
大腸がんの早期はチェックが必要になる明確な症状がありません。
自覚症状があまりないのです。
そのため、統計では約69.4%の人が自覚症状が比較的少ない状態で治療を受けていると報告されています。
長い臓器である大腸のがんの発生が均一ではないため症状にも少し違いがあります。
5.大腸がんが発生しやすい3つの部位別の症状とは?
5-1.盲腸・上行結腸・横行結腸に発生するがんの症状
小腸から入ってくる便。
上行結腸や横行結腸ではまださらさらの液状で流動便です。
また血液は便と混じって長い腸を通過します。
そのためよほどの大量出血でない限り、出血したとしても便に血が混じっているか目で見ても分かりにくいでしょう。
また、比較的太い盲腸や上行結腸。
がんができて腸の内腔が狭くなっても通過障害は起こりませんし、便やガスがたまるといった腸閉塞もないでしょう。
発見が遅れやすいのですが、あらわれる症状が幾つかあります。
一つは貧血です。
血液検査でヘモグロビン値が半分以下になっている場合です。
もう一つは腹痛やお腹を触った時のクリッとしたしこりです。
また、がんが大きくなって腸内腔が極端に狭くなるため、便を無理に通過させようと過度に運動してお腹がゴロゴロ鳴ったりお腹が張った感じがあります。
これらの症状がみられる場合、精密検査を受けた方が良いでしょう。
5-2.下行結腸・S状結腸に発生するがんの症状
下行結腸やS状結腸は粘血便が多くなるため出血があります。
また、便通異常として下痢や便秘を繰り返したり、便が細くなることもあります。
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便が固形化して腸内腔が狭くなるため、通過障害が生じやすく腸閉塞も起こりやすいでしょう。
自覚症状が比較的はっきりしているため発見も早いでしょう。
5-3.直腸に発生するがんの症状
肛門に近い直腸。
便に血が混じる以上に、肛門出血が多くなります。
多くの人が間違いやすいのは痔による出血です。
痔からの出血の多くは真っ赤な鮮血ですが、大腸がんからの出血は暗赤色ですので注意して見てみましょう。
また、普通は便が直腸に溜まると便意を感じて排便します。
大腸がんは便がなくても、便意を感じてしまうでしょう。
便が細くなったり残便感があったりした場合、がんに気づきやすいでしょう。
6.大腸がんが治りやすいと言われる理由とは?
早期発見と早期治療でほぼ100%完治する大腸がん。
おとなしくて治りやすいがんと言われています。
そのことは、がんの治療成績を示す指標となっている生存率から分かります。
一般に、治療から5年以内に起こるがんの再発。
がんが治ったと言えるひとつの基準は治療から5年経っても再発がないことです。
もし、その後に発見されたがんがあった場合、新たに発生した別のがんと考えます。
完治の目安は5年生存率。
治療を行ったすべての人のうち、治療の5年後に何%生存しているかをあらわしており、100%に近いほど治る可能性が高くなります。
6-1.大腸がんのステージ別5年生存率の数値
がんの進み具合や広がり、転移なども調べて病期を判定する大腸癌取扱い規約(ステージ分類)。
ステージ0(がんが粘膜内に留まる)・・・100%
ステージI(がんが固有筋層に溜まる)・・・91%
ステージII(がんが固有筋層の外まで浸潤しているが、リンパ節転移はない)・・・81%
ステージIII(リンパ節転移あり)・・・結腸がん69%、直腸がん58%
ステージ0は5年生存率だけでなく、8年生存率も100%と言われていますので、大腸がんが治りやすいことが分かるでしょう。
7.大腸がんに間違えやすい8つの肛門の病気とは?
7-1.痔核(イボ痔)
肛門の外側にできる外痔核。
皮膚がたるんだようなイボ状のものができます。
肛門の内側にできる内痔核もあります。
血管の塊のようなものができるでしょう。
7-2.痔瘻
肛門のまわりに硬い塊ができます。
押さえると痛みがあり、時々少量の膿が出ることがあるでしょう。
7-3.肛門周囲膿瘍
肛門のまわりが化膿して膿が溜まった状態です。
重苦しい感じがして、腫れてきます。
咳やくしゃみをすると響いて、強い痛みを感じるでしょう。
7-4.肛門ポリープ
肛門にできる炎症性のポリープです。
内痔核とは異なりますが、排便後にお尻からコリコリとした硬いイボが出てきます。
肛門ポリープはがん化しません。
ただし、直腸ポリーとの識別が難しいこともありますので、症状が出た場合は大腸がん検査をオススメします。
7-5.裂肛(切れ痔)
肛門の粘膜が裂けて、排便時の痛みを感じます。
慢性化すると肛門の外側に硬いイボができてしまいます。
また、内側に硬いイボができることもあります。
7-6.肛門狭窄症
肛門が狭いために排便が難しく、お腹が張って苦しくなります。
原因が裂肛の場合と肛門の手術痕が硬くなる瘢痕の場合があります。
7-7.コンジローマ
ウイルス性の肛門周囲にできるイボです。
そのまま放っておくと治療が難しくなるでしょう。
7-8.直腸脱
直腸が裏返しに出てきてしまいます。
出産を経験した女性にみられ、骨盤内部の臓器の固定がゆるくなった状態です。
まとめ
がんにも治しやすいものと治しにくいものがあります。
幸い、大腸がんは治しやすいものです。
自己判断は避けて、早めに検査を受けましょう。
HANA
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