薄毛は早い人だと20代後半から始まると言われています。
その要因は様々で、遺伝だけでなく生活習慣も深く関係しています。
今回は、薄毛に対する正しい知識と予防・改善策についてご紹介します。
今は大丈夫でも将来薄毛になる可能性は潜んでいますよ。
1.男性の3割が薄毛
美容に関する男性の悩みには、体臭や体毛、最近ではスキンケアに関する意識も向上し、男性でもシミやシワ、たるみを気にする傾向が見て取れますが、やはり悩みの定番は古今変わらず「薄毛」です。
リクルートスタイルの「薄毛に関する意識調査2017」によると、自身を薄毛と認識している男性の割合が約3割。
「薄毛対策にかける費用(月額)」は女性の3,000円前後に対し男性は4,000円前後と1,000円近くも差があり、その意識の高さが金額面でも読み取れます。
薄毛に対する将来への不安に関しても男性の方が強く感じている結果となり、薄毛は男性の美容に関する一大テーマと言うことが出来ます。
ただ、気にしている割には正しい手入れをしている人が多くないもの実態です。
薄毛に関しては健康や命に直接かかわらないために、つい手入れを怠りがちになったり、また誤った手入れにより薄毛が悪化したりする人も少なくありません。
2.薄毛の要因とは!?
薄毛は言うまでもなく脱毛が原因で進行します。
脱毛の要因の多くは、頭皮内の毛細血管と直結し、発毛や脱毛を司る機関である毛乳頭や、その毛乳頭から指令を受けて細胞分裂しながら増殖し毛髪を作る毛母細胞の老化や異変によるケースが多いと考えられています。
これらの異変を引き起こす要因は様々なものが考えられますが、ここでいくつかご紹介します。
2-1.遺伝
薄毛の要因として、まず「遺伝」が考えられます。
特に、男性型脱毛症(AGA)については男性ホルモンによる影響が強いと考えられています。
髪の毛の毛根には5α-リダクターゼという酵素が存在します。
この酵素は、血流によって流れる男性ホルモンテストステロンに採用し、DHT(ジヒドロテストステロン)に変換させます。
(おすすめ記事→テストステロンは男の必須ホルモン!知るべき働きと筋トレで増やす方法)
このDHTが作用することで毛母細胞の働きを弱め、毛髪サイクルを早めてしまうことで、毛髪が育たず薄毛をもたらします。
この薄毛の元凶と考えられる5α-リダクターゼの分泌量が遺伝によって異なると考えられています。
男性ホルモン受容体に、「アンドロゲンレセプター」と呼ばれるものが存在し、この受容体が先程説明したDHTと接合しやすいほど、薄毛になりやすいのです。
この受容体は、X染色体であり母親から受け継ぐ遺伝子なので、母親方の父親が薄毛の場合はその遺伝子を受け継ぐ可能性が高いと考えられます。
2-2.ストレス
薄毛の要因の二つ目がストレスです。
(おすすめ記事→働く男性のストレスマネジメント)
ストレスにより体内の各機能を調整する自律神経のバランスが崩れると、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどとして知られるカテコラミンの分泌が促進され、常に神経が緊張状態となります。
胃腸障害による栄養摂取不良、毛細血管の収縮による毛根への栄養供給の乱れなどが発症し、薄毛につながります。
2-3.食生活
食生活も薄毛と重要な関わりがあります。
毛髪はタンパク質の一種であるケラチンでできているので、良質なタンパク質を摂取することが重要となります。
さらに、亜鉛や銅、セレンなどのミネラルの不足も毛髪に悪影響をきたすので、十分な摂取が必要です。
また、ビタミン類の不足も要注意です。
特にビタミンB6の不足は頭皮皮脂の過剰分泌の原因となり、脂漏性脱毛症の原因につながります。
脂分の多い肉の過剰摂取も血中コレステロールの増進を引き起こし、脂漏性脱毛症の一因となるので注意が必要です。
2-4.喫煙
喫煙は、肺、咽頭、食道癌をはじめ、脳梗塞、心筋梗塞の原因の一つとして考えられ、大変リスクの高い嗜好と言えますが、毛髪にとっても好ましくありません。
タバコに含まれるニコチンは毛細血管の収縮を促すため、毛髪に栄養が行き届かず、薄毛の要因となります。
またある調査によると、喫煙がほぼすべての男性ホルモンの増進をもたらす結果がわかっていて、この事からも喫煙が薄毛の要因の一つであることも示唆されます。
2-5.間違った頭皮ケアや頭皮頭髪への負担
日々の頭皮頭髪のケアは毛髪を健康に保つ上で不可欠ですが、方法を間違えたり、逆に負荷のかかる施術をしたりして、負担をかけてしまうことは往々にあります。
シャンプーにおいては成分に過度な抗菌剤や洗浄成分、合成界面活性剤が含まれている場合は皮膚の刺激を伴い、結果として抜け毛が増える可能性があります。
また、シャンプーそのものの洗い流しによる刺激も無視できません。
また、パーマ剤や染毛についても頭皮毛髪に大きな負担を与えます。
これらの製剤に配合されるチオグリコール酸やアルカリ剤などは皮膚への刺激を引き起こすことが知られているので、過度な使用や頭皮への付着は十分に気をつける必要があります。
2-6.健康状態
やはり何と言っても、心身ともに健康であることが健全な毛髪を維持するために不可欠です。
消化器官の異常により正常に栄養が吸収されないと、毛髪にも栄養が行き届かずに毛髪を健全に保てません。
また、心の内面の疾患による円形脱毛症の発症などは広く知られています。
まずは、心身ともに健康であることが健康な毛髪を維持するうえでも最も基本的な要素といえます。
3.正しい頭皮ケアの方法
3-1.頭皮ケアの正しい知識とシャンプー、トリートメントの選び方
さて、ここでは頭皮ケアの正しい知識と、シャンプーやトリートメントの選び方についてご紹介します。
そもそも、「シャンプーとは毛髪を洗うもの」だと思っていませんか?
育毛の観点で考えると、頭皮、特に毛穴の皮脂や汚れを洗い流すケアが、健全な毛髪を促進する上で不可欠となります。
したがって、シャンプーの目的とは毛髪の洗浄ではなく、「頭皮の洗浄」だということを意識して取り組んで下さい。
次に、シャンプーやトリートメント剤の選び方ですが、店頭やWEB上で無数に存在する多くの製品から最善の製品を選択するのは至難の業です。
そこで一つの目安として、弱酸性の製品をおすすめします。
健全な毛髪や頭皮は、pHが弱酸性の状態となので、使用するシャンプーやトリートメントも弱酸性の製品がよいでしょう。
日々の使用の中で、洗い流し後のさっぱり感、汚れの落ち具合、違和感や痒みの有無などを見極めて自分に合った製品を判断しましょう。
3-2.育毛剤、発毛剤
最後に、育毛剤・発毛剤についてご紹介します。
その前に、育毛剤と発毛剤と書きましたが、そもそもこの二つのカテゴリーに明確な線引きはありません。
また、育毛・発毛剤には医薬品と医薬部外品に分類されます。
医薬品の効果としては「壮年性脱毛や円形脱毛症における発毛、育毛及び脱毛の進行予防など」となっていて、一方で医薬部外品の謳う効果としては「脱毛予防、発毛・育毛の促進など」とされています。
これだけでは明確な違いを読み取ることが出来ず、またどちらが優れているかについても明確に説明できる根拠に乏しいのが現状です。
薄毛の原因や症状は人ぞれぞれで、育毛・発毛剤の有効成分の効果も個人差があります。
そのため、より確実性を求めるのであれば脱毛外来の受診が最も望ましいでしょう。
しかし医療機関の利用に抵抗があるなどの理由から、まずは自分で模索してみたいという人向けに、代表的な育毛・発毛剤の市販品をご紹介します。
〈一般用医薬品〉
・リアップ[大正製薬]〈医薬部外品〉
有効成分、ミノキシジルを配合。
毛乳頭への働きかけによるアデノシンの分泌、細胞増殖因子の酸性促進などの効果があります。
〈医薬部外品〉
・薬用毛髪力イノベート[ライオン]
有効成分、t-フラバンナイアシンアミド、生薬センブリエキス、βグリチルリチン酸を配合。
毛乳頭から発信される発毛促進シグナル(エフリン、BMP)を増進、毛母細胞の活性化により脱毛を防ぎ育毛を促進します。
まとめ
本文の各所で触れましたが、脱毛の症状には様々な原因が考えられ、その治療法も様々です。
そのため、残念ながら誰にでも100%効果のある対処法はまだ確立されていません。
ただ、毛髪に関わる研究は日々進歩しているのと同時に、ネットの普及によりそれらの情報も得られやすくなっています。
一方で多くの情報に振り回されないよう、気になる人は専門機関の受診も視野に入れましょう。
Yuruu
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