ますます増え続けている大人の食物アレルギー。
食生活が大きく変わってきたことやストレスとの関連、生活リズムの乱れなども切り離せなくなってます。
疲れをため込みやすい30〜40代。
大人の食物アレルギーの落とし穴や誤解されやすい点、対策などをご紹介します。
1.食物アレルギーが起こりやすい食べ物とは?
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼びます。
食物アレルギーのほとんどは食物に含まれる成分のタンパク質がアレルゲンです。
その中でも三大原因食物は鶏卵・牛乳・小麦となっていて、全体の約3分の2を占めています。
他に上位を占めているのが甲殻類や魚卵、蕎麦やピーナッツ、果物で、上位10のうち全体の約9割に及びます。
他にも食べ物アレルギーが起こりやすいものがあります。
○ 卵 ……………… うずらの卵など
○ 肉類 …………… 鶏肉・豚肉など
○ 魚介類 ………… さけ・さば・あなご・うなぎ・いか・たこ・イクラ・うに・牡蠣など
○ ナッツ・豆類 … 大豆・ごま・くるみ・ピーナッツ・アーモンド・カカオなど
○ 野菜類 ………… トマト・なす・じゃが芋・山芋・にんにくなど
○ 果物 …………… りんご・オレンジ・バナナ・キウイ・もも・ぶどうなど
アレルゲンとなるタンパク質は熱や酸が加えられると性質が変わるため、加工や調理されたものであれば食べられるという人もいるでしょう。
例えば、「生卵はダメだけど、ゆで卵や目玉焼きなら大丈夫」といった感じです。
2.食物アレルギーの落とし穴!大人の特徴とは?
どの食べ物のタンパク質に反応するかは年齢によっても異なります。
幼い頃、食物アレルギーがあった人は鶏卵や牛乳、小麦が原因のことが多いのですが、鶏卵と牛乳については成長するにつれて耐性を獲得していく、つまり食べられるようになるため急激に減少します。
実際、卵・牛乳・小麦の一般的な耐性率は3歳までに50%、6歳までに約80〜90%という報告がありますので、年齢が低い時に発症した食物アレルギーは自然に治っていくでしょう。
一方、大人になってアレルギー症状が重くなりがちなのはえびやカニなどの甲殻類やピーナッツ、蕎麦など。
これは食生活の広がりにしたがって増えていくからです。
大人がアレルギー反応を起こす食べ物それぞれの注意点を詳しくみてみましょう。
2-1.甲殻類のアレルギー
大人では最も多い原因食物になるのがえびやカニなどの甲殻類。
耐性がつきにくく、小学生から増加して生涯続くこともあります。
関連する食べ物としてイカやタコなどの軟体類、ホタテやアワビなどの貝類、菓子類のえびせんがあります。
しかし、「甲殻類は食べられなくても軟体類や貝類は食べられる」「赤えびなど加工してあると食べられる」という人も多いでしょう。
実際、えびアレルギーの人の約65%はカニでもアレルギーが起こりますが、タコやイカ、貝類は同時に食べられるという人は多いということが分かっています。
加工や調理の過程で加熱しても、アレルギーは起こります。
煮込んだスープでもアレルギーが起こることがあります。
2-2.ピーナッツ・ナッツ類のアレルギー
微量でも重症のアレルギーを引き起こすことがあるのがピーナッツ。
「落花生の殻でも症状が起きた」という事例もあります。
気を付けたいのはカレーのルウやサラダなどの隠し味に使われていることがあること。
スナック菓子も要注意です。
また、ピーナッツアレルギーがある人はアーモンドやクルミなどのナッツ類にも反応することがあります。
ナッツ類はひとつずつ種類によって異なるため、診断するとなると個別になります。
しかし、重い症状を起こしやすいため調べておく方が良いでしょう。
2-3.蕎麦のアレルギー
微量でもアレルギー反応が重篤化することが知られている蕎麦。
数種類のアレルゲンがありますがどれも耐熱性のため、加熱してもアレルギーを起こす力は弱まりません。
中には、「蕎麦で茹でた鍋で茹でたうどんを食べたら発症した」「茹でる蒸気が気道に入っただけで反応が起きた」という事例も多くあります。
加工品では蕎麦ボーロやかりんとう、饅頭やクレープなどのお菓子、蕎麦茶などに蕎麦粉を使っていることがありますし、胡椒などの風味づけに使用されていることもあります。
3.大人の食物アレルギーの落とし穴!誤解されやすい点とは?
3-1.魚類のアレルギー
通常、魚類にはビタミンDが豊富に含まれており、EPAやDHAなどアレルギーの炎症を抑える働きがあります。
(おすすめ記事→LDL(悪玉)コレステロールが高い人にオススメのサプリ成分3つ)
しかし、多くの魚に共通している主要抗原「パルブアルブミン」に反応してアレルギーが起こることがあります。
そのため、ひとつの魚にアレルギーがある人は複数の魚にも反応することあるでしょう。
誤解されやすい点として、魚を食べた後じんましんが出た場合、すべてがアレルギー反応とは限りません。
魚が古かったため起きたヒスタミン中毒や寄生虫などのアニサキスアレルギーも考えられるからです。
新鮮な魚を購入することや再冷凍を避けることで防ぐことができます。
3-2.肉類のアレルギー
肉類もアレルゲンとしてあげられていますが、加熱すればアレルギーを起こす力は低下します。
基本的にアレルギーの原因になることはごく少ないでしょう。
ハムやソーセージなどの加工食品を食べて症状が出る人がいます。
この場合、肉に反応したというよりも、つなぎとして使われている鶏卵や牛乳が原因となっていることが多いでしょう。
3-3.野菜や果物のアレルギー
野菜や果物は食物アレルギーと似た症状を引き起こすことがあります。
これは野菜や果物に含まれる化学物質が引き起こすもので「仮性アレルゲン」と呼ばれています。
例えば、「山芋を食べたら口のまわりが赤くむずがゆくなった」「キウイを食べたら舌がピリピリした」といった感じです。
しかし、山芋アレルギーは全身症状が起きることもありますので見極めが重要です。
4.大人によくみられる食物アレルギーの症状とは?
4-1.特殊型タイプの口腔アレルギー症候群
大人に多くみられるのは口腔アレルギー症候群です。
特定の果物や野菜を食べた後、口の中がかゆくなったり、ヒリヒリしたり、痛くなったりします。
大抵、5分以内にあらわれるでしょう。
興味深いのは花粉症との合併症が多いこと。
3〜4月に最盛期の花粉であるシラカバやハンノキの花粉症がある人は、果物のりんごや梨に注意してください。
(おすすめ記事→簡単な花粉症対策と花粉の種類の見極め方)
また、ゴムにアレルギー反応を起こす「ラテックスアレルギー」の人も合併症が起こりやすくなります。
4-2.即時型タイプ
あらゆる年代に起こる症状は特定の食べ物を食べた後あらわれる「即時型」です。
原因となる食物を食べた後2時間以内に症状があらわれますが、実際には30分以内に皮膚や粘膜などに発症するでしょう。
じんましんや赤みなどの皮膚症状、咳やゼーゼーといった喘鳴などの呼吸器症状、吐き気などの消化器症状、くしゃみや鼻づまりなどの粘膜症状があります。
重い症状になると、複数の臓器に症状があらわれるアナフィラキシーが起きて、入院するケースも。
対応が遅れると命の危険を招くこともあるため、慌てずに応急処置をしてすぐに医療機関を受診してください。
5.食物アレルギーの予防法とは?
5-1.アレルゲンを特定する
専門医の診察を受け原因となる食物を特定することや、重い症状が出た時の対処法を医師とよく相談しておくことがポイントです。
アレルゲンを特定するために最初に行うのは血液検査や皮膚パッチテストです。
しかし、検査結果と症状が一致しないことがあります。
正確な診断には「食物傾向負荷試験」が必須。
慎重な検査のため専門の施設で行われます。
その後は定期的に検査を行って、食べられるようになったかなどをみていきます。
5-2.加工食品の購入は原材料表示を確認する
普段の買い物で加工食品を購入する時は表示されている原材料をチェックしましょう。
原因物質として表示する義務があるのは特定原材料と呼ばれる「卵・乳・小麦・えび・かに・落花生・そば」の7品目のみ。
ほかに表示が推奨されているものが20品目ありますが、省略されることも少なくありません。
すべての原材料が表示されているわけではないことをふまえておきましょう。
まとめ
食物アレルギーのあらわれ方はさまざまなため、症状の程度や症状が出るまでの時間など千差万別です。
症状を悪化させる要因は疲れや寝不足、喘息などの他、病気で服用している鎮痛薬などの影響もあります。
普段の10分の1程度の量でも症状を起こすことも…。
疲れを感じたら、早めに休んで体力を回復させましょう。
HANA
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