ハウスダストは室内のほこりや塵のことで、アレルギーの原因となります。
実はほこりの中に含まれるものはダニに由来するものがほとんど。
季節を問わずつらいアレルギー症状に悩まされる人はハウスダスト対策を行なってみましょう。
鼻水やくしゃみ、咳や息苦しさ、喘息などの症状が緩和されます。
1.ハウスダストに含まれるものとは?
ハウスダストのほこりに含まれているものには、人間のフケや毛、ペットのフケや毛や糞、食べ物のかすなどがあります。
実は、これらをえさにして生きているのがダニです。
ダニはなんでもえさにして生きている驚くべき生命力のある生き物。
人間の生活そのものがダニにえさを供給しているため、ハウスダストの中にはダニがたくさん存在しています。
しかし、アレルゲンとなるのは生きて動き回っているダニだけではありません。
ダニの卵や死骸、尿や糞などの排泄物、唾液も原因になります。
実際、ほこりをとって顕微鏡で調べて見ると、うごめいているダニの他に死骸や卵なども発見できます。
それらが空気中に舞い上がってアレルゲンとなるのです。
2.ハウスダストアレルゲンのダニとは?
家のほこりの中で生息し、アレルゲンになるダニはチリダニ(ヒョウヒダニ)の仲間です。
特に、アレルゲンの元凶はヤケチリダニ(ヤケヒョウヒダニ)とコナチリダニ(コナヒョウヒダニ)。
シワダニもアレルゲンにあげられています。
大きさは体長0.3〜0.8㎜くらいで、かろうじて肉眼でとらえられるかどうか。
ダニにまったく気づかずに生活しているのがほとんどです。
ダニが繁殖しやすい条件は3つあります。
① 温度25〜30℃。
② 湿度60%以上。
③ 産卵しやすい潜伏場所がある。
3.ハウスダストのアレルギー症状が悪化する原因とは?
ハウスダストが舞い上がって、アレルギー症状が出やすくなるのは室内が乾燥している時です。
鼻粘膜も乾燥するため、鼻の中がピリピリと痛んだり、鼻水が固まったり、無理にかむと出血したりする症状があらわれます。
これは「乾燥性鼻炎」と呼ばれ、粘膜が痛んで抵抗力が低下している状態。
刺激に対してより敏感になっているため、アレルギー症状が出やすくなります。
(おすすめ記事→肌がカサつく!荒れる!乾燥肌の知識とスキンケア法)
一方、湿度を高めにすると今度はダニが増加します。
ダニが好むのは湿度が高めの環境です。
特に、湿度や気温が高くなる梅雨時から夏場は繁殖のピークを迎えます。
また、外気の湿度が低い冬は暖房や加湿をし過ぎることも多く、ダニが増えてしまうでしょう。
さらに加湿し過ぎの部屋では結露が生じるため、カビが発生してカビアレルゲンになる可能性もあります。
4.ハウスダストのアレルギー症状がひどくなる季節とは?
「通年性アレルギー性鼻炎」とも言われるハウスダスト。
症状が一年中あらわれることが多いでしょう。
大抵、完全になくなることはなく、一年を通じて増減します。
特に症状が増えるのは春と秋です。
4-1.秋にアレルギー症状がひどくなる理由とは?
ダニがアレルゲンの場合は「秋にアレルギー性鼻炎がひどい」と感じる人がほとんどです。
というのも、ダニは夏に繁殖のピークを迎えて、気温の下降とともに死んで飛び散り、秋口に吸い込みやすくなるからです。
また、秋口に開花する植物の花粉も影響し、いっそう悩まされる人も少なくありません。
地域によって多少異なりますが、8〜10月の間はブタクサ・ヨモギ・カナムグラ、2〜11月まではイネ科のハルガヤ・カモガヤなどの花粉が飛散します。
4-2.春にアレルギー症状がひどくなる理由とは?
ハウスダストに加えて空気の乾燥が続くと、風邪やインフルエンザなどウイルスも猛威をふるうため、感染症にかかりやすくなります。
感染による粘膜の荒れはアレルギーの症状を倍増させるため要注意。
さらに年明けからは少しずつ春の花粉の飛散が始まり、春先に向けてどんどん飛散量も増えていきます。
地域による違いはありますが、2月からはハンノキやスギ花粉、3月からはヒノキ、4月からはシラカンバといった感じに花粉が飛散するため、症状も悪化するでしょう。
(人気記事→簡単な花粉症対策と花粉の種類の見極め方)
5.ハウスダストのアレルギー対策とは?
5-1.快適な湿度を保つ
ハウスダストのアレルギー症状が出やすくなる原因の一つは乾燥です。
家の中では加湿器や除湿機を上手に使って、室内湿度を50%くらいに保ちましょう。
就寝中はマスクをするのもおすすめ。
呼吸が逃げず、適度に湿りっ気のある空気を吸うことができるためアレルギー症状を軽減してくれます。
外出先や戸外での活動時など湿度調整ができない時はサッと鼻にひと吹きできるドライノーズスプレーなどを活用しましょう。
市販品を利用することもできますし、生理的食塩水を自分で簡単に作ることもできます。
5-2.物を減らしてほこりをためないようにする
目に見えないダニアレルゲンを減らす一番の方法はダニの繁殖環境を減らすことです。
効率よく掃除しながら、ダニがひそむ危険なポイントを見落とさないことが重要です。
掃除の前に踏まえておきたい点は物を多くしないこと。
ほこりは物が多い部屋の隙間にたまりやすいですし、掃除にも手間がかかって行き届かないからです。
部屋にある布製のものや部屋のすみにたまったほこりは、絶好のすみかになります。
片付けやすく掃除しやすくするために、不要なものを処分しましょう。
5-3.洗うことができる物は定期的に洗う
おもに布製の洗濯可能なものはこまめに洗濯することが大切です。
例えば、カーテンやクッション、ぬいぐるみなどです。
収納する時はダニがつかないようにカバーすると良いでしょう。
ソファーカバーもしだいにダニがつきやすくなるため、購入する時は革や人口皮革のものの方がおすすめです。
特に注意したいのは寝室や寝具です。
使用頻度が高く、使用時間も長いためダニの温床になりやすいでしょう。
ダニが繁殖しやすい布団は羽毛やウールなど動物性の素材。
一方、丸洗いできてこまめに洗濯しやすいのは、中綿がポリエステル素材や綿のタオルケットなどです。
5-4.掃除機かけはゆっくりかけて日常的に行う
木目や畳の目にも入り込むほこり。
掃除機でしっかり吸い込んでダニの数を減らしましょう。
目安は週に2回、1畳つまり約1.8㎡あたりを30秒以上行う掃除機がけです。
また、床や家具の拭き掃除、収納家具の中や押入れも定期的に行うと良いですね。
もし、アレルギー症状がひどい場合はプラスチック製の畳に変えることもできます。
ベッドがある場合は下に物を置かないようにしましょう。
すぐに掃除機をかけることができて、ほこりがたまりにくくなります。
5-5.寝具は布団掃除機を使う
寝具の手入れとしてすすめられているのは天日干しです。
しかし、湿気をとるには効果がありますが、ダニを減らすには十分ではありません。
ダニを熱で死滅させるには50℃で20分以上の時間が必要だからです。
また布団を取り込む前に強く叩くと、ダニの死骸や分泌物が舞い散るため、アレルゲンが増えて逆効果になります。
布団の繊維に入り込むダニアレルゲンは布団掃除機を使って除去できます。
特に、布団専用の掃除機のレイコップやダイソンのハンディクリーナーは効果抜群。
普通の掃除機の吸い込み口を布団専用のものに変えることもできます。
5-6.防ダニカバーを活用する
防ダニカバーはミクロガードやマイトフリーなど非常に細い繊維を高密度に織り上げています。
布団や枕にひそむダニやダニの排泄物でさえ通り抜けることができず、寝具から舞い散ることはありません。
動物性素材の布団を使用する場合、防ダニカバーをかけると効果的です。
宿泊先などにも持参すると、旅先でアレルギー症状が悪化するのを予防できます。
まとめ
ハウスダストのアレルギー症状は「朝の起き抜けが一番つらい」という人も少なくありません。
「モーニングアタック」とも呼ばれていますが、起床直後にくしゃみや鼻水が止まらないことがよくあります。
これは、起きて活動を始める時に舞い上がるアレルゲンや冷たい空気の刺激の影響などが原因です。
また朝は副交感神経と交感神経が入れ替わるため、鼻粘膜が一番過敏になっていることも関係しています。
アレルギー症状はさまざまな不調につながるため生活しにくくなりますね。
湿度維持やダニ予防でハウスダストのアレルゲンを減らし、元気に仕事へ出かけましょう。
HANA
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