ストレスが多くなると、咳も出やすくなります。
特に30〜40代の働き盛りはプレッシャーや緊張感、体の疲れなどからストレスが強くなることが多いでしょう。
ストレスによる咳の原因はさまざま。
ここでは咳とストレスの関係や、咳が起こるストレスの原因をご紹介します。
1.ストレスによる咳とは?
咳は体を守る防御機構の1つです。
通常、異物などが気管に入ってきたり、炎症が起きたりして刺激を受けると、その情報が脳に伝わります。
異物や炎症による分泌物を気道から取り除くために、脳は信号を送って強力に吐き出させようとして咳が出ます。
健康な人がコンコンと咳をすることがありますね。
まず疑われるのは、風邪やインフルエンザなどの風邪症候群。
この場合、咳の多くは感染症によるため一時的なものです。
大体一週間もすれば自然に治まってくるでしょう。
その後も咳が続く場合、個人差があるのですが、だいたい8週間以上続くなら医学的には慢性の病気による咳と言われています。
また、ストレスが原因の咳も一向に治りません。
おさえておきたい点ですが、咳は身近な症状だけに判断が難しいものです。
他の病気が関係していたり、症状が悪化したりすることもありますので、まずは受診することをおすすめします。
2.ストレスによる咳が出やすい人とは?
2-1.気分に敏感で神経質な人
一般に、ストレスによって起こる咳は心因性の咳と呼ばれています。
痰などからんでないのですが、神経質になるため、むやみに咳が出てしまうのです。
気分的な影響が大きいでしょう。
「咳が出るかも…」と気がかりになるときや「咳をしてはいけない」と思って緊張するときなどは、かえって咳き込むことが少なくありません。
よくあるのは、演奏会など静かな雰囲気の中、周りの人のひんしゅくを買いながら咳き込んでいる人などのタイプです。
心因性の咳の特徴はコホンコホンと痰がからまない乾いた咳が続くことです。
このような咳は比較的心配する必要はありませんが、中には喉や呼吸器系の病気が関係しているかもしれません。
耳鼻咽喉科や内科、呼吸器科などで診てもらうことができるでしょう。
2-2.喘息をもっている人
ストレス病とも言われている喘息。
喘息の多くはアレルギー性ですが、アレルゲンが証明されていない非アレルギー性の喘息があります。
因果関係はよく分かっていないのですが、強いストレスを受けると、咳や息切れなど喘息発作を起こしやすいことが明らかになっています。
実際、一般的なアレルギー検査でも喘息の反応があらわれないでしょう。
アレルギー性喘息とは異なり、ストレスの刺激によって起こる喘息だからです。
大人の喘息は「成人喘息」と呼ばれることがあります。
男性の場合、仕事のストレスが発作の引き金になるケースが多いでしょう。
女性の場合、妊娠や出産、閉経など女性ホルモンの変動が関係しています。
最近は、子どもの頃からの喘息が治りきってない人や中高年以降に新たに喘息を発症する人も増加中です。
(おすすめ記事→長引くアレルギー症状はハウスダストが原因!?6つの有効対策とは?)
3.喘息の咳を引き起こすストレスの原因とは?
3-1.副腎皮質ホルモンの不足
副腎と呼ばれる内蔵は「ストレスメカニズムのコントロールをしている」と言われています。
副腎皮質から分泌されるホルモンはストレスにとって非常に重要。
人間の生体活動の原動力となっているエネルギーの代謝ホルモンを分泌したり、体内の塩類代謝などに関係している無機質代謝ホルモンも分泌したりしています。
また副腎髄質から分泌されるアドレナリンホルモンも、生体内をストレスに対応できるようにしてくれています。
実は、喘息患者はこの副腎ホルモンの生成が不十分なことが多いと報告されています。
そのため咳などの発作が起こることが少なくありません。
3-2.疲労
ストレスが気分として自覚されると、人間の生体内部はストレスの刺激による反応が起こります。
人間の意思とは関係なく交感神経が緊張して、血管が収縮したり、心拍数が促進したり、瞳孔が拡大したり、起毛したりするなどします。
その後ストレスが減って、必要な栄養や睡眠などがとれると正常に戻るのですが、ストレスが長期間に及ぶと生体は弱っていくことに。
疲労で体力が低下すると、自律神経の働きが乱れて自律神経失調症になることがあり、それが喘息発作の咳の引き金になります。
3-3.肥満
通常、体は労働によってエネルギーを消費すると栄養の補給を催促してきます。
「腹が減った」「脂っこいものが食べたい」と感じるのはそのためです。
特に男性の場合、働き盛りの時期は多量のエネルギーがストレスに適応できる状態を保ってくれます。
しかしながら、いつもより残業で長くなったり、普段やりつけない重労働をしたりしたときなどガッツリ食べたいと感じるもの。
ストレスがたまると、暴飲暴食に走ってしまう人は少なくありません。
太って肥満になると気道は圧迫されやすくなったり、体内にたまった脂肪細胞が炎症を悪化させる物質を作り出したりして、炎症を悪化させてしまいます。
実はそれが咳などの発作を引き起こしやすくしてしまうのです。
3-4.思い込み
喘息がある人の傾向として、「自分の発作は治らない」「夜中の3時にまた発作が起こる」といった思い込みがあります。
この思い込みが気管支に作用して、喘息が引き起こされてしまいます。
つまり喘息自体がストレスになっているのです。
実際、やりたいことを諦めたり、必要以上に生活を制限したりすることもよくあるケース。
「症状が気になる」「心配になる」と思い込むほど咳などの症状も悪化してしまうでしょう。
3-5.喫煙
一般的に、喫煙歴がある人は肺がんや肺気腫のほか慢性気管支炎などもかかりやすくなります。
仕事や家庭のストレスが多い人ほど喫煙も多くなりがちに。
1日の本数が徐々に増えてしまったり、病気になってもやめられなかったりする人も少なくありません。
たばこの煙は気道の粘膜を刺激してしまうため、咳が起こってしまいます。
自分は吸わなくても他の人のたばこの煙を吸い込むことも原因になります。
3-6.職業
大人の喘息で大きな問題と言われているのが職業です。
身体的にも精神的にもきつい仕事をしているなど職場のストレスを蓄積させてしまうことが関係しています。
職業によっては、特定の物質や粉塵などに長期間さらされるために咳がひどくなることもあるでしょう。
においや蒸発した成分を吸い込んだとたん、発作を誘引してしまい咳が出ることもあります。
(人気記事→リフレクソロジーは癒しのマッサージ!!ストレスが溜まった時のマッサージ法)
3-7.汚れた空気
喘息は気道に炎症が起こって、息苦しさや呼吸困難の発作を起こす病気です。
いつでも気道に炎症がある状態のため、過敏になってわずかな刺激が発作の引き金に。
喘息のない人にとって問題に感じないような刺激でも、気道の粘膜が反応してしまい息苦しさや咳が起こってしまいます。
例えば、車や工場などが排出する二酸化炭素や亜硫酸ガスが多い地域に引っ越したりすると「咳がひどくなった」という人もよくいます。
汚れた空気は刺激をさらに強くしてしまうため、いつもより咳が多くなってしまうでしょう。
3-8.気候の変化
温度差や低気圧、悪天候などが喘息発作の咳と関係しています。
実際に気候の変化がストレスになる事例があります。
一般に、喘息発作が多発する傾向があるのは初秋。
強い寒冷前線の影響を受けて気温が急降下すると、喘息の発作が出るため喘息患者が多くなります。
急に冷え込む朝方など、咳で「目が覚めてしまう」「睡眠不足になってしまう」という人も多いでしょう。
その後、天候が回復するにつれて発作も治まってきます。
これは温度変化ストレスと呼ばれ、対応する能力が低下していることが関係しています。
【参考文献】
「ストレス退治百科」/宇津木良夫 監修/発行所 株式会社みずうみ書房
「『ぜんそく』のことがよく分かる本」/松瀬厚人 監修/発行所 株式会社 講談社
「気になるからだの異常と検査」/日本放送出版協会 編集/発行 日本放送出版協会
「これだけは知っておきたい呼吸器の病気」/福地義之助 総監修/発行 日本放送出版協会
まとめ
国立健康栄養研究所の報告によると「26〜55歳の男性にとって、栄養豊かで規則正しい食事は人生で最も脂の乗り切った時期に努めて必要である。この時期に無理が蓄積されると、後年に悪影響を与える」。とあります。
ストレスによる咳を改善するために、栄養豊かな食事や睡眠など規則正しい生活、リフレッシュの時間などを取り分けることなどを心がけましょう。
喘息による咳の人は適切な治療で徐々に回復していきます。
ストレスが原因の咳をなくして、毎日元気に過ごしましょう。
HANA
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