あせもの原因は発汗量です。
暑い季節は特に汗をかくことが多くなりますが、リスクを高める他の原因も見落とせません。
あせもの不快感は毎日の生活や仕事にも影響します。
リスクを減らし正しくケアするためにあせもの原因を知っておきましょう。
1.汗が出る汗腺の2種類とは?
あせもは漢字で書くと「汗疹」(かんしん)です。
皮膚にあらわれる症状ですが、その名のとおり汗が関係しています。
汗は皮膚表面に存在している汗腺から出てきます。
汗腺には、エクリン線とアポクリン腺の2種類あります。
1-1.エクリン腺
全身にあるエクリン腺は1㎠あたり100個以上も存在しています。
エクリン腺から出る汗は約99%が水分です。
残りの1%以下に含まれる成分は塩分や尿素、アンモニアなどです。
ほとんどが水分のため、さらっとしいているのが特徴です。
エクリン腺から出る汗の働きは3つあります。
温熱性発汗
体温を調節するために全身から出る汗で、暑いときや運動したときなどに発汗します。
生理的な汗で、体温を約37度に保っています。
精神性発汗
緊張や驚き、不安など、ひやっとしたときに出る汗です。
手のひらや足の裏、わきの下など局部に発汗するでしょう。
味覚性発汗
辛いものや熱いものを食べたときに出る汗です。
額や鼻、唇の周りや首などに発汗することが多いでしょう。
1-2.アポクリン腺
体の一部にだけあるアポクリン腺は毛穴と出口を共有しています。
わきの下やおへその周り、性器や肛門の周り、耳の外耳道などに存在しています。
アポクリン腺から出る汗は栄養たっぷりで、塩分がほとんど含まれていません。
たんぱく質や脂質、糖質や鉄分、アンモニアやピルビン酸などが含まれています。
成長とともに汗腺の大きさが変化し、少し粘り気のある汗が特徴です。
アポクリン腺から出る汗は臭いがあります。
体温の調節などの役割はありません。
体臭の原因になる汗が出るでしょう。
(人気記事→いやな脇汗・・匂いの原因と対策、おすすめデオドラント商品をご紹介!)
2.あせもができるメカニズムとは?
あせもに関係している汗腺はエクリン線です。
汗腺の数はなんと200万〜400万もあります。
気化熱とも呼ばれますが、暑いときに汗が出て水分が蒸発するとき、まわりから熱を奪うことで体温が下がります。
汗腺による汗の分泌の最も大きな効用は、熱を発散して体温が上昇し過ぎないようにすることでしょう。
通常、汗腺でできた汗は汗管と呼ばれる管を通ります。
そして、汗孔と呼ばれる汗の出口から皮膚の表面に出てきます。
汗孔は肉眼では見えないほど小さな穴ですが、体の各部分に偏りなく存在しています。
人によって多い人と少ない人がいて、個人差があります。
汗の出口である汗孔はさまざまな原因でふさがれてしまことがあり、汗が皮膚の表面に出られなくなります。
そのような状態があせもを引き起こします。
3.あせもができる14の原因
3-1.高温多湿
あせもが特にできやすいのは夏です。
温度が高く湿度も高いため、汗腺が活発になって大量の汗をかくでしょう。
汗に含まれている塩分や他の成分が汗管をつまらせやすいため、あせもができやすくなります。
地域によっては他の地方より高温多湿の日が多くなるでしょう。
3-2.仕事
あせもができやすい環境もあります。
暑い時期に農業や土木作業、交通誘導員など屋外で仕事をしている人、空調設備のない場所で長時間作業をしている人は汗をたくさんかきます。
また、屋内でも熱い火などを扱う調理師の人などは一年中あせもができやすいでしょう。
3-3.運動
暑い季節、屋外で行うテニスやサッカーなど運動量のあるスポーツは大量に発汗します。
屋内でも特に風通しが悪いと蒸し暑い状態になります。
バレーやバスケ、卓球やダンスなど激しい運動は汗をかきやすく、あせもになりやすいでしょう。
3-4.チリ・ホコリ・細菌
皮膚は毎日外部からの刺激を受けています。
汗管は皮膚表面にあるきわめて小さな穴ですので、比較的大きなものではなくごく小さなチリやホコリ、細菌などが入ってきます。
汗孔がつまってしまい、あせもができることがあります。
3-5.垢(あか)
人間の皮膚は厚い細胞層からなっています。
垢は角質化した表面細胞で、新陳代謝によって自然に剥がれ落ちます。
汗をかくことが多いと、剥がれ落ちる前に垢が蓄積していくため、あせもになることがあります。
3-6.日焼け
日焼けによる皮膚の変化もあせもを生じさせます。
紫外線をたくさん浴びると皮膚の免疫機能の働きをしている細胞が傷ついてしまうからです。
日やけ止めを塗っていても塗りむらがあったり、長時間塗りっぱなしでいるなら、紫外線による影響を受けるでしょう。
3-7.体型・体質
肥満の人に多いのが暑がりです。
皮下脂肪や内臓脂肪など体を覆っている脂肪が熱の放出を妨げるため、体温が上がりやすくなるからです。
(おすすめ記事→脂肪肝の主な原因は食事!食事が肝臓に与える影響とは?)
体は体温を下げようとして汗を出します。
個人差がありますが、たくさんの汗をかくためあせもができやすくなります。
3-8.激しいスポーツを続けている人
野球やサッカーなど運動量のあるスポーツを続けている人は、少し温度が上がっただけで汗をかくようになります。
これは、暑熱順化と呼ばれる適応機能が高まって、発汗による体温調節が働きやすくなったためです。
特に、男性は男性ホルモンが発汗を促して汗腺の機能を高める作用があるため、女性よりも汗っかきの人が多いでしょう。
3-9.辛い食べ物、酸っぱい食べ物
味覚性発汗と呼ばれるものです。
極端に辛いものや酸っぱいものを食べたとき汗がたくさん出ます。
たくさんの香辛料が使われている料理を好んで食べる人はあせもになりやすいでしょう。
3-10.たんぱく質を多く含む食べ物
体内に入った食物は消化管で吸収されて、肝臓でエネルギーに変えられますが、このとき熱が生じます。
たんぱく質は他の食物よりも熱の産生量が多いため、体温が上がり汗をかきやすくなります。
特に、ステーキなど肉類をたくさん食べる人はたくさんの汗が出ることがあります。
3-11.アルコール
アルコールの解毒過程で生じるアセトアルデヒドは体温調節中枢に直接働きかけて、発汗中枢を刺激することがあります。
特に、アルコールに弱い人は通常の人よりもアセトアルデヒドの作用が強いため、発汗量が多くなることがあるでしょう。
3-12.着用するもの
帽子をかぶったりベルトを巻いたりすると、接触してこすれてしまいます。
さらに、発汗した成分と外部からの刺激で汗孔がつまりやすくなるでしょう。
通気性が悪く吸水性のない生地の衣服も汗が乾きにくくなり、あせもの原因になります。
3-13.汗の病気
汗の量に個人差がありますが、季節に関係なくいつでも汗びっしょりになってしまいます。
この場合は体温調節や水分調整を行う汗ではありません。
精神性発汗とも呼ばれ、人前に出て緊張したときや何かに驚いたときなどに出る汗です。
自律神経が関係しているといわれています。
3-14.風邪などの発熱
病気などの発熱は脳の視床下部にある中枢神経の変調によって起こります。
初期の高熱よりも治りかけの熱が下がるときに発汗します。
これは、体温調節のレベルが下がって熱の放出が促されるためです。
全身に多量の汗をかくため、あせもができることがあります。
まとめ
夏になるとできやすくなるあせもは夏の病気の一つとも言われています。
暑さで汗が多くなるからです。
意外に紫外線が最も強いのは5月です。
仕事や運動などによって、季節を問わずあせもになることもあるでしょう。
原因を知って上手に予防しましょう。
HANA
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