30代から気になり始めるお腹周りの脂肪。
特に飲酒する人は、年齢とともにメタボ対策が重要です。
働き盛りは基礎代謝が高く、消費エネルギーが多いのですが、疲労感やストレスも多い年代。
ついついお酒を飲みすぎる人は、禁酒することで健康的にダイエットができます。
その理由と効果をご紹介しましょう。
1.禁酒でダイエット!20代から始めた方が良い理由とは?
お酒を飲むと太りやすくなります。
特に、男性は飲酒の頻度が増加しているのは20歳代後半〜30歳代にかけてであり、肥満者が急増している世代です。
平成27年度の厚生労働省による国民栄養調査からもわかります。
[生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合]
1位…18.5%(50〜59歳)
2位…18.4%(60〜69歳)
3位…17.5%(40〜49歳)
4位…15.3%(30〜39歳)
5位…6.5%(70歳以上)
6位…5.5%(20〜29歳)
生活習慣病を招く可能性のある飲酒の量についてですが、20歳代は6位で5.5%。
4位の30歳代の15.3%との差は9.8%もあります。
一方、1位の50歳代、2位の60歳代、3位の40歳代は、それぞれそれほど差はありません。
つまり、20歳代後半から30代にかけて、飲酒の量が多くなる人が急増していること、同時に肥満者も比例して増えることがわかります。
(おすすめ記事→意外と知らない!生活習慣病の患者数と年間死亡者数、年間医療費とは!?)
2.禁酒でダイエット!太るのを防ぐ効果がある理由とは?
2-1.アルコール自体のエネルギー量の摂取がなくなる
アルコールは高エネルギー食品です。
アルコール1gあたりのエネルギー量は7.1kcal。
1gあたり9kcalの脂肪ほどはありませんが、4kcalのタンパク質や炭水化物よりはエネルギー量が多いです。
それぞれのお酒の種類とお茶碗軽く一杯分のカロリーを比較してみました。
茶碗軽く1杯(100g)…………………… 168kcal
ビール1缶(350ml)…………………… 144kcal(茶碗軽く1杯分に相当)
日本酒1合(180ml)…………………… 196kcal(茶碗軽く1.2杯分に相当)
焼酎1合(180ml){焼酎6:湯4}…… 152kcal(茶碗軽く1杯分に相当)
ワイン1杯(200ml)…………………… 146kcal(茶碗軽く1杯分に相当)
一般にアルコールは炭水化物の項目に含まれますが、炭水化物の代わりにアルコールをとって良いというわけではありません。
アルコールは「エンプティカロリー」とも呼ばれ、栄養素はほとんど含まないのにエネルギー量だけはあるからです。
他の食品と一緒にとらなければ栄養不足になってしまうでしょう。
禁酒するなら、1日の総エネルギー量を抑えることができ、かつ必要な栄養もきちんととることができるのでダイエットになります。
2-2.飲酒時の食べ過ぎを防ぐことができる
「お酒を飲むと太る」といわれるもう1つの理由は、お酒の肴やつまみなどの食品からとるエネルギー量が多くなることです。
特に、お酒と一緒にとる食品に多いのは高カロリーや高脂肪のもの。
揚げ物や動物性食品に偏ったり、味付けが濃く塩分の多い食品を好むようになったりする傾向があるため、太りやすくなります。
また、市販のポテトチップスや揚げせん、とりの唐揚げやステーキ、魚の干物などつい食べ過ぎてしまうことも少なくありません。
通常、体内では食欲を抑制して、エネルギー消費量を増大させるレプチンと呼ばれるホルモンが分泌されて、体脂肪を減らす働きを持っています。
興味深いことに、高脂肪食をとり続けるとレプチンの効きが悪くなる、つまりレプチン抵抗が生じるため太ってしまうのです。
実際、レプチンが欠損している2つのグループの肥満マウスに、一方には脂肪食が10%のえさ、もう一方に脂肪食が45%のいわゆる高脂肪食のえさを、4日間または16日間投与したところ、45%脂肪食を16日間続けた肥満マウスだけにレプチン抵抗がみられたという報告があります。
「食前酒」としても知られているように、アルコールには食欲増進効果があるため、注意していてもつい油断しがちです。
「しめのラーメン」ともいわれますが、飲酒の後の夜食はエネルギーのとり過ぎに。
しかも、お酒は糖質、ご飯やめん類も糖質なので、糖質の過剰摂取で肥満になりやすいでしょう。
禁酒するなら、これらのエネルギーオーバーを防ぐことができます。
2-3.体温調節機能の低下を防いでエネルギーを消費しやすい体になる
そもそも哺乳類に属する人間の体には、生命活動を維持するために、体温を一定に保つ仕組みがあります。
一般に、体温が35℃以下になると体の体温調節機能は損なわれ始めて、30℃以下になると意識を失うといわれています。
これは不整脈が起こりやすく、とても危険な状態。
原因は低い気温や年齢、けがや病気などの他、薬物やアルコールの摂取とも深い関係があります。
アルコールは皮膚の血管を拡張させて、体温調節中枢を麻痺させることにより、低体温を生じさせやすくするからです。
実は、体温は痩せやすい体になるために重要なポイント。
体温が上がると代謝が上がって、エネルギーを消費しやすくなるからです。
ちなみに、体温が1度下がると代謝は12%も落ちてしまい、エネルギー総量は極端に下がってしまうことに。
エネルギーに変換されない脂肪が体にどんどんたまって太ってしまうでしょう。
また、お酒を飲む時は塩分の多い食事が多くなります。
塩分や水分をとり過ぎること、冷えや疲労はむくみの原因になり、代謝は低下してダイエット的にも悪影響なのです。
(人気記事→ビジネスマンの体は冷えている!?すぐにできる冷え改善法)
代謝の低下を意味するメタボリックシンドローム。
30代以降は年齢による代謝の低下とともに、脂肪が燃焼されにくい体になります。
禁酒することで体温調節機能の低下を防ぐことができ、代謝を維持して痩せやすい体になるでしょう。
2-4.食習慣が改善されて肥満を発症しにくくなる
太っている人の食行動にはいくつかの特徴があるといわれています。
特に、アルコールを飲むことが多い社会人によくみられるのは、外食の頻度が多くなることや朝食を抜いてしまうことです。
そもそも外食は総エネルギー量の把握や調整が難しく、栄養バランスがとりにくい食事。
体のさまざまな機能を調節したり、維持したりするための必要なビタミンやミネラルも不足しやすくダイエットを難しくさせてしまいます。
実際、外食や偏食によるビタミン・ミネラル欠乏症は若い世代の問題になっているほどです。
また、昼から夜、さらに深夜にウェートがかかる食生活は「肥満型食生活」とも呼ばれています。
夕食が遅いことや夕食の食事の量が多いこと、夕食後すぐ横になることや、夕食後にまた食べたり飲んだりすることが多いからです。
朝食でとったエネルギーはその日の活動で消費されやすいのですが、遅い時間の摂取エネルギーは就寝時刻までにあまり使われないため、そのほとんどは皮下脂肪となって蓄積されてしまうことに。
当然ながら、翌朝の食欲はありませんし、また朝食を抜くといった悪循環になってしまうでしょう。
朝食を抜くと昼夕の食事量が多くなるだけでなく、夜食や間食買い食いなども多くなって太ってしまいます。
また、昼夕の食事時刻も乱れやすく、何をどのくらい食べたのか分からなくなって食べ過ぎてしまうことも少なくありません。
肥満は生活習慣病の一つです。
禁酒するなら、このような悪循環を防ぐことができます。
日頃の生活リズムが整えられて肥満になりにくくなるでしょう。
【参考文献】
「100歳まで元気人生!『病気予防』百科」/渡邊 昌・和田 攻 総監修/株式会社 日本医療企画
「なぜ太るのか やせるのか」/蒲原聖可 著/株式会社 ナツメ社
「健康づくりの食卓」/宗方伸子 著/株式会社 永岡書店
「くらしに役立つ栄養学」/新出真里 監修/株式会社 ナツメ社
まとめ
男性が太る一番の原因は高脂肪・高カロリーの食事を続けて、運動不足になることです。
体脂肪が増加する一方、筋肉量は減少して基礎代謝も低下するため、太りやすい体質になります。
加えて、特に男性はアルコールを、女性は間食をやめれば肥満は改善するといわれています。
禁酒は男性にとってダイエット効果があらわれやすい方法です。
最初は節酒、徐々に禁酒など自分のペースで行ってみましょう。
HANA
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