「生活習慣病」
テレビや新聞、雑誌などでも、度々耳にしますね。
統計上30代男性が発症リスクが高い病気もあります。
今回は、生活習慣病になる原因や患者数、年間死亡数、医療費についてご紹介します。
1.生活習慣病とは?
生活習慣病とは、特定の病気の事ではなく、悪い生活習慣により起こる病気の事を言います。
日本人の死亡原因の多くが、生活習慣病によるものなので注意が必要です。
生活習慣病は突然発症するわけではなく、悪い生活習慣の積み重ねが病気へとなるのです。
悪い生活習慣により発症する病気としては、癌・心臓病・脳卒中・糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などがあります。
多くの病気は、生活習慣を改めることによって未然に防ぐことができます。
2.生活習慣病になる原因
2-1.不規則な生活
食事をとる時間や眠る時間が不規則だったり、睡眠が足りてないことが長い間続くと、生活習慣病を発症する原因になります。
食事が不規則だと、脂肪が蓄積しやすい体になります。
なぜそのようになるのかというと、食事の間が長時間空くと、次に食べ物が入ってきたときに、体は出来るだけ吸収しようとするのです。
また1日の食事の回数が1回や2回の人は、その時の食事の量が多くなってしまうことになります。
朝、食べない人は、果物や野菜ジュースやスムージーなど簡単な物をとるようにしましょう。
(おすすめ記事→リバウンドなし!男性でもできるスムージーダイエット)
2-2.偏った食生活
栄養の偏った食生活は生活習慣病の原因になります。
ファーストフードやお菓子ばかり食べるのは体に良くありません。
今はコンビニなどの24時間営業のお店が多い為、いつでも手軽に食べられる時代です。
このことが肥満の原因にもなっているため、栄養バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
2-3.お酒やタバコ
お酒は飲みすぎなければ、血行を良くしてくたり、ストレス解消してくれたりと良いのですが、飲み過ぎてしまうと、癌・糖尿病・高脂血症・高血圧・痛風などといった生活習慣病を引き起こす原因になります。
このことから、お酒はほどほどにすることが大切です。
そしてタバコはもちろん良くありません。
タバコは癌の発生率を高めたり動脈硬化を促進させます。
2-4.疲労やストレス
ストレスや疲労が蓄積すると、血圧や血糖値が上がります。
そのことにより高血圧や糖尿病を引き起こす可能性が高くなります。
そして免疫力も低くなり、感染症にかかりやすくもなります。
そのため、ストレスや疲労は溜めないことが大切です。
趣味などでストレス解消をする生活を送ると良いでしょう。
2-5.運動不足
あまり体を動かさないで運動不足になると、肥満になりやすくなります。
そして血圧や血糖値、コレステロール値や中性脂肪値などに悪い影響を与えます。
また、疲労が取れにくくなりストレスが溜まって、癌のリスクが高まります。
2-6.老化
体が老化すると、動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・脳卒中になるリスクが高まります。
そして免疫力も低下し癌発症のリスクも高まります。
2-7.遺伝
生活習慣病は遺伝や体質によってもなりやすくなると、言われています。
その理由は、その人と似たような生活習慣をしている可能性が高い為です。
糖尿病や高血圧などは防ぐことが出来るので、普段の生活に気を使いましょう。
3.生活習慣病の対策
3-1.なるべく体を動かす
体を動かす暇がない人は、通勤中に階段を積極的に使ったりして、体を動かすと良いでしょう。
このようなちょっとしたことでも、だいぶ違ってくるので出来る事をやることが大切です。
3-2.タバコやお酒は控える
タバコとお酒を断つ、もしくは減らすことも重要です。
お酒の飲み過ぎは肝臓にダメージを与えます。
そして動脈硬化を促進させる可能性があります。
少しなら良いと毎日お酒を飲んでいても、肝臓に負担をかけることになるので、たまに休肝日を作ってあげると良いでしょう。
(人気記事→脂肪肝の治療に禁酒は必須!!!禁酒成功のコツを教えます!)
それとタバコも体に悪く、タバコを吸うと動脈硬化を促進させてしまいます。
タバコの煙やヤニにより肺癌や胃潰瘍・気管支炎・咽頭癌や胃癌などの病気になる原因となります。
タバコを吸っている人は、なかなかタバコを止めることは難しいと思いますが、禁煙外来などをうまく利用しタバコを止めることに挑戦してみるのもいいかもしれません。
3-3.ストレス
生活習慣病を予防するにあたって、ストレスを溜める事は良くありません。
その為、ストレスを溜めない工夫をすると良いでしょう。
例えば、適度な運動や趣味でストレスを解消させてあげましょう。
それと睡眠をとることも大切ですので、夜更かししないでちゃんと寝るようにしましょう。
また悩みや不満などはなるべく一人で抱え込まないようにしてください。
あとは、完璧主義だとストレスも溜まりやすいので、少し気を抜いてあげましょう。
これらの事を心がけて生活を送ることが大切です。
3-4.食事
食事はゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。
早く食べると、食べ過ぎてしまい太る原因になります。
太ると血管を傷めたりして、心筋梗塞や脳卒中の原因になります。
そして塩分の摂り過ぎにも注意が必要です。
塩分を摂り過ぎると、高血圧症や腎臓疾患や不整脈をおこす危険性があります。
そして食事では、偏ったバランスの悪い食事をとるのではなく、野菜やお肉などバランスよく食べることが重要です。
栄養が足りないと感じたら、サプリメントを利用すると良いでしょう。
4.生活習慣病の患者数と年間死亡数、医療費とは!?
ここからは厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」平成26年版を参照に、データで生活習慣病について見てみましょう。
4-1.死亡原因4位 脳血管疾患
脳血管疾患とは、脳卒中の分類で、脳の血管が詰まる脳梗塞や、脳の血管が破裂する脳内出血などを含めた脳の疾患のことをさします。
患者数は、約117万9,000人で、3年前の前回調査より約6万人減少しました。
死亡原因4位の脳血管疾患の内訳として、脳梗塞が58%、脳内出血29%、くも膜下出血11%、その他脳血管疾患2%という割合です。
脳卒中の年間死亡者数は約13万人ほどです。
そのうち脳梗塞が占める割合が6万6,058人で、約6割は脳梗塞での死亡ということがわかります。
また、介護が必要になる原因の1位としても脳卒中が挙げられています。
脳卒中になると、長期入院が避けられないため3ヶ月~半年の入院が必要になります。
そうなると医療費も高くなります。
脳内血管疾患の年間医療費は、1兆7,730億円で、患者数で割ると1人あたり約150万円と、家庭に非常に負担がかかることがわかります。
4-2.死亡原因2位の心疾患を引き起こす高血圧
高血圧とは、血管にかかる圧力(血圧)が慢性的に高い状態のことをさします。
上が140以上、下が90以上、どちらか一方でも高ければ高血圧となります。
患者数は1,010万800人で、前回調査に比べて約104万人増加しました。
男女比は男性44%、女性56%と女性のほうがやや多いことがわかります。
年間死亡者数は6,932人と言われていますが、高血圧の怖いところは、死亡原因2位の心疾患である心臓病や4位である脳卒中を引き起こす原因となるところです。
これらを合わせると、死亡原因は1位のがんを抜きます。
つまり高血圧を放置すると高い確率で心疾患、脳血管疾患を発症してしまいます。
患者数は年々増えていて、隠れ高血圧と言われる人も含めると推定4,000万人以上はいると言われています。
高血圧の年間医療費は、1兆8,890億円と言われ、患者数で割ると年18万7千円(月15,583円)とこれも高額です。
4-3.脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症(高脂血症)とは、血液中の脂肪分の濃さが異常値を示す病気です。
血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が多く、HDL(善玉)コレステロールが少なくなる状態です。
患者数は、206万2,000人で、男女比では男性29%女性61%と圧倒的に女性に多い病気です。
特に閉経期に急激に増加し、動脈硬化や心筋梗塞などの疾患をまねきます。
しかし、男性も注意が必要です。
病気の発症リスクは女性が50代からなのに対して、男性は30代からと早いからです。
30代での患者数は男性のほうが多いので、今から気をつけたほうがよいでしょう。
脂質異常症(高脂血症)が直接死因になることは少ないようですが、動脈硬化や心臓病、心筋梗塞、脳卒中などを発症するリスクが健康な人の約3倍も違ってきます。
高血圧と同じように、数値が高めの人は早めに対策をとりましょう。
4-4.糖尿病
糖尿病とは、血糖値を下げる役割をもつインスリンがうまく働くなり、細胞にブドウ糖を送れず、血液の中にブドウ糖があふれてしまう病気です。
ブドウ糖はエネルギーとなる大切な栄養なので、細胞にエネルギーを運べなくなると体のあらゆる機能が低下してしまいます。
人工透析が必要な腎臓病の原因の1位が糖尿病です。
脳卒中や心筋梗塞などの病気は、健康な人の3倍も発症リスクが高くなります。
また、網膜の病気にかかりやすくなり失明する危険も上がります。
このように、糖尿病が怖いのは合併症なのです。
患者数は、950万人と言われていますが、初期は自覚症状が少なく、隠れ糖尿病患者が多くいると思われます。
年間死亡者数は、1万3,669人、年間医療費は、1兆2,076億円ですが、これに他の合併症の治療費が加わることを考えると、出費は大変なことになります。
4-5.高尿酸血症
高尿酸血症とは、血液の中の尿酸濃度が異常に高い状態のことをさします。
尿酸とはプリン体が肝臓で分解された際に生じる老廃物です。
そのため、尿酸値が高いと痛風を発症する可能性も高くなります。
また、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などと合併して、心筋梗塞などの心疾患を引き起こす場合もあります。
患者数は500万人以上といると言われ、3割が30~40歳代男性です。
尿酸値の正常値は7.0mg/dlと言われ、それ以上になると痛風になる確率が40倍~60倍へとふくれあがります。
痛風患者の約4割がメタボというデータもあるので、高尿酸血症、高脂血症にも注意が必要です。
5.生活習慣病管理指導料って何!?
生活習慣病である高血圧や脂質異常症(高脂血症)と診断されると、定期的に病院に通って症状が改善されているか、薬があっているか、合併症などの病気が起こっていないかなどを確認します。
症状の進行具合により通う頻度は変わってくるのですが、病院ではその際「生活習慣病指導管理料」というものを患者に請求できるようになります。
「生活習慣病指導管理料」とは、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病患者の治療計画を策定し、飲む薬を決めたり、飲酒や喫煙などの生活習慣の指導を行ったりするための管理指導料です。
その中には、カウンセリング、検査、投薬、注射の費用が全て含まれています。
生活習慣病指導管理料は、病気により点数が異なりますが、院外処方の場合は以下の通りです。()は院内処方時の医療報酬額です。
1点10円で算定します。
・高血圧 700点(1,035点)3割負担で2,100円(3,105円)
・脂質異常症(高脂血症) 650点(1,175点)1,950円(3,525円)
・糖尿病 800点(1,280点)2,400円(3,840円)
そのため、初診時よりも医療費が高くなる場合が多いでしょう。
この生活習慣病指導管理料は200床未満の医療施設が算定できることになっていますが、病院によって請求している病院とそうでない病院とがあるので、医療費明細書などで確認してみてください。
実際に、利益主義の病院では症状があまり重くない患者さんに対しても、生活習慣指導管理料を請求しているケースもあります。
違法ではないのですが、状態が落ち着いている患者さんに対して指導することは、それほど多くはないので、必要がない場合は相談してみてもよいでしょう。
しかし治療改善計画書を作成してもらったりして、定期的にカウンセリングしてもらい状態を確認してもらったりできるのは安心ですよね。
また、医療費の請求が包括されるため、場合によっては医療費が安くなることがあります。
まとめ
平均寿命が伸びる一方、健康寿命は横ばいというデータがあります。
これが意味していることは、手術や薬などの医療の進歩により寿命が伸びているということです。
生活習慣病の多くには、効果的な薬があります。
それを飲んでいれば症状が落ち着くかもしれませんが、一番大切な事は生活習慣の改善です。
生活習慣の乱れを感じたら早めに対策をとり、体調に異常を感じたらすぐに病院に行くようにしましょう。
Yuruu
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