適度にとれば気分を爽快にするカフェイン。
コーヒーや紅茶、チョコレートやコーラ、エナジードリンクなどに含まれています。
疲れている時、ストレスを感じた時などに摂取すると、特に頭がスッキリするといわれています。
仕事の疲労や人間関係の悩みが多くなる30〜40代。
カフェインが身体と心に及ぼす効果やカフェインをとるときの注意点をご紹介します。
1.カフェインの働きとは?
カフェインは身体のほとんどすべての部位に影響を及ぼす、他に類をみない薬物といわれています。
分子量が小さいカフェインは、血液脳関門を通り抜けて脳内に入り込み、アデノシンと呼ばれる神経伝達物質の吸収を妨げます。
アデノシンは眠気や疲労感を脳に伝える働きがあるため、カフェインはその働きを妨げることになります。
つまりカフェインによる爽快な気分は、カフェインがアデノシン受容体と結合することによって起きるのです。
また、体の生理機能にも重大な影響を与えます。
中枢神経を刺激するため、注意力が増したり反応時間が短くなったりして、集中力が高まります。
血圧が上昇し心拍数が上がることもあります。
一方、カフェインをとりすぎると心臓の鼓動が早くなったり激しくなったりと乱れが生じ、イライラして不機嫌になることもあるでしょう。
2.カフェインの効果とは?
古くから精神活性剤物質として知られていたカフェイン。
カフェインには精神運動性に与える影響があります。
カフェインを少量摂取した時、以下のような効果が報告されています。
✔︎ ポジティブになる
✔︎ 気分がはつらつとなる
✔︎ 想像力や集中力が高まる
✔︎ 能率や頭の回転が良くなる
✔︎ 自信が高まる
✔︎ 仕事をこなせるようになる
✔︎ 人と付き合いたいという気持ちになる
✔︎ 運動能力が高まる
✔︎ 二日酔いが軽減する
3.アスリートがカフェインを好む理由とは?
ほとんどのスポーツ大会で使用が認められているカフェイン。
アスリートの中には、適正な量のカフェインをトレーニング中や競技中にとる人も少なくありません。
運動能力をフルに発揮できるようにするためです。
実際、摂取量が適正なカフェインは筋肉の機能を高めたり、疲労感を抑制したりと活力を生み出すことができます。
例えば、自転車競技やランニング、ボートやクロスカントリースキーなどを研究対象とした報告によると、競技にかかる時間は15分から2時間以内ですが、一貫して平均3%成績が向上しました。
ただしカフェインをとり過ぎると、筋肉の収縮力を弱めてしまうことも確認されています。
また、常用していると運動能力を高める効果は多少弱まってくるため、思慮深く使用することが勧められています。
(おすすめ記事→がん予防効果も!?コーヒーの7個の健康効果とは?)
4.効果があらわれるカフェインの量とタイミングとは?
注意力や反射能力など大幅に向上させるカフェイン。
数十年前から明らかになっていることですが、一般にわずか32㎎でも効果があり、その半分の16㎎でも多くの人に効果があらわれるといわれています。
ちなみにコカ・コーラ社のコーラの場合、カフェイン濃度の変動はあるものの、約350㎖につき34㎎のカフェインが使用されています。
カフェインの効果は、摂取するタイミングにもよります。
コーヒーや紅茶などを適度に飲むことは健康を損なうものではありませんが、食事と一緒ではなく空き腹にとると効果があらわれやすくなるでしょう。
就寝前など、小さなカップ1杯分飲んだだけで一晩中眠れなくなるという人もいます。
睡眠を妨げられないために、午後からはカフェイン入りのものは一切飲まないという人もいます。
一方、いくら飲んでもぐっすり眠れるとい人も。
カフェインに対する反応は個人差があり、効果のあらわれかたもさまざまです。
自分の体調の変化に合わせて、とり過ぎないようにしましょう。
5.カフェイン常用者とそうでない人との効果の違い
カフェインをいつもとっている人と、とっていない人とではカフェインの効果が異なります。
「精神および運動神経の効率に及ぼすカフェインの影響」という著書にそのことが報告されています。
350㎖カップ一杯の強いコーヒーに相当する4錠のカフェインを、実験前からカフェインをとっていなかった被験者と、実験前から常用していた被験者に投与しました。
前者は徐々に気持ちが高揚して溢れ、非現実的な考えが浮かんだり、どっと汗が出たりしましたが、徐々に高揚感が薄れ始めると、ショックを受けた後に感じるような興奮がしばらく続き、膝や手が震えたり、頭に浮かぶことが真実なのか分からず慎重になりました。
一方、後者の場合はカフェインをとらない日に、一日中“マヌケ”になったように感じ、いつもより頭がぼんやりしたが、それ以外は問題なかったという結果でした。
カフェインは常用している人ほど耐性がつくため、効果があらわれにくくなります。
6.カフェインの注意点とは?
そもそもカフェインは依存性薬物ですが、そのほとんどは規制されていないのが現状です。
意外と広く使われており、コーヒーや紅茶、お茶やコーラ、ドリンク剤などのほか、鎮痛剤やビタミン錠剤、炭酸飲料にも含まれています。
6-1.不快な心理的反応
カフェインは薬物ですので、想像以上に強い効き目があるというのも事実です。
カフェインは人によっては無害ではありません。
中には体質的に、強い不安感やパニック発作、神経過敏など不快な心理的反応が出る人もいます。
特に、カフェインの影響を受けやすい遺伝的変異を持っている人に多くみられるでしょう。
6-2.離脱症状
いつもとっているカフェインを数日間断った場合、離脱症状があらわれる人もいます。
これは禁断症状ともいわれますが、例えば頭痛や筋肉痛、疲労感や無気力、うつ状態などです。
そのような不快な症状を解消するために、さらに多くのカフェインをとる人もいますが、睡眠不足など悪循環を招くこともあります。
カフェイン入りの食品をとる場合は記載されている注意書きに従いましょう。
(おすすめ記事→チョコレートは健康的!!ビジネスマンに嬉しい10個の効果とは?)
7.カフェインが薬の作用に与える影響とは?
一般に、カフェインは眠気をとる中枢神経興奮作用や心臓の働きを強める強心作用、尿を増やす利尿作用があるといわれています。
そのため、薬の種類によっては、カフェインが含まれている食品との併用を避けた方が良いものがあります。
鎮静薬や催眠薬などは作用が弱くなったり、減ったりすることがあるでしょう。
また副作用が強く出てしまう薬もあります。
以下に記載した薬は、カフェインを多く含む食品との併用を避けた方が良い医薬品一般名(主な商品名)とその症状です。
✔︎ジゴキシン・ジギトキシン(強心薬)
薬の作用が強くなって、中毒症状を起こす可能性がある。
✔︎非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン・インドメタシン・ジクロフェナクナトリウムなど)胃腸障害が増加する。
✔︎アロプリノール(ザイロリック)
カフェインの血中濃度が上昇して、中枢神経が過度に興奮する。
✔︎ジピリダモール(ペルサンチン)
アデノシン受容体の競合によって、薬の作用が弱くなる。
✔︎ニューキノロン系抗菌薬 (ノルフロキサシン・エノキサシンなど)・H2遮断薬(シメチジン)
カフェインの代謝が抑制され、頭痛や吐き気、動悸などが強くなる可能性がある。
✔︎テオフィリン(テオドール/気管支拡張薬・喘息治療薬)
副作用が強く出やすくなる可能性がある。
【参考文献】
「カフェインの事実」/マリー・カーペンター 著/株式会社 白揚社
「100歳まで元気人生!『病気予防』百科」/渡邊 昌・和田 攻 総監修/株式会社 日本医療企画
まとめ
仕事で忙しい時など、特に頑張りどころでは「エナジードリンクを」という人は多いでしょう。
朝起きてすぐ「まずコーヒーを」と手が伸びることもよくありますね。
意欲を起こさせたり、運動能力を高めたりするカフェインですが、徐々に耐性がついていきますので、適正量を保ってとりましょう。
HANA
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