高血圧が突然死を招く!?知っておきたい症状とは?

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病気知らずでバリバリ仕事をこなしている人でも、血圧が高いと指摘されているなら要注意。

高血圧は中高年だけでなく、若い人にも増えていて突然死を招く可能性があります。

世界保健機関(WHO)の調査でも、25歳以上の3人に1人が高血圧と報告されているのです。

早期予防が重要な高血圧の症状について詳しくみてみましょう。

1.高血圧の自覚症状とは?

世界保健機構(WHO)によると、高血圧の目安は最高血圧が140ミリ以上、最低血圧を90ミリ以上です。

高血圧は大抵、定期検診などで血圧値が高いと指摘されたり、家庭血圧計で異常だと判断されたりして初めて気づくことが多いでしょう。

特に高血圧の初期から中期にかけては自覚症状がみられないと言われますが、一般的に高血圧に伴う症状が幾つかあります。

⚪︎頭痛
⚪︎頭重感
⚪︎動悸
⚪︎息切れ
⚪︎肩こり
⚪︎のぼせ
⚪︎発汗

しかしながら、症状を見て気づいた方も多いと思いますが、これらの症状は日常的に起こることが多い現象です。

仕事などで体や心が疲れた時や、風邪をひいたり不調が続いたりした時などに起こることがありますね。

つまり、高血圧特有の症状については「ほとんどない」と言えるのが現実です。

よくあるケースは血圧がかなり高くても症状が全くない場合や、自覚症状がみられても、必ずしも高血圧に起因しているわけではないという場合です。

そのため、一般的に考えられている高血圧の自覚症状は、他の原因によって起こっている可能性が高く、高血圧そのものによる症状はほとんどないということができるでしょう。

2.高血圧が続いた時に起こる症状とは?

高血圧が恐ろしいと言われている理由は高血圧そのものよりも、高血圧によって進む病状です。

特に最も問題になるのが病状の悪化による動脈硬化です。

2-1.動脈硬化とは?

動脈硬化は、高血圧の状態が長く続くほど起こりやすくなります。

動脈の血管壁は、血液の圧力に耐えるために暑く肥厚することに。
肥厚が進むほど、血管は弾力性を失って硬くなったり、内腔は狭くなったりします。

また、血管の内皮細胞にも悪影響を与えるため、正常な働きができなくなります。

血流に応じた血管の径の調節がうまく働かなくなり、脂質がたまりやすくなって局所的な狭窄も起こるでしょう。

このような状態では血液の流れの抵抗が増えるため、一定量の血液を確保しようとして血圧はさらに上昇してしまうのです。

2-2.動脈硬化の種類とは?

高血圧と動脈硬化には密接な関係があります。

先ほど述べたように、高血圧→動脈硬化→血圧の上昇→動脈硬化の悪循環を招くからです。

動脈硬化の種類は病理学的にみると3つに大別されます。
① 細動脈硬化
② 中膜硬化
③ アテローム硬化または粥状硬化

3つのうち最も重大な病気を引き起こしやすいのは、アテローム硬化です。
アテローム硬化が発生しやすい部位は4つあります。

① 心臓を取り巻く動脈などの中くらいの太さの冠動脈
② 脳動脈
③ 腎動脈
④ 頸動脈

血管の狭窄が起こりにくい部位は、大動脈などの太い血管です。

しかしながら、動脈硬化が悪化し血管が硬くなってもろくなると、動脈瘤や動脈解離などが起きる可能性が高くなるでしょう。
(人気記事→動脈硬化に直接関係!LDL(悪玉)コレステロールの基準値を知ろう!

3.高血圧が進行して起こる合併症の症状とは?

高血圧が長期に及び、動脈硬化などを原因として合併症が起こると、さまざまな症状があらわれます。

以下にいくつか挙げていますが、他にもたくさんあります。
つまり、合併症の種類によっては多くの症状がみられることをおさえておきましょう。

3-1.心臓に合併症が起きた時の症状とは?

⚪︎動悸
⚪︎息切れ
⚪︎むくみ
⚪︎手足のしびれ
⚪︎麻痺
⚪︎言語障害
⚪︎視力障害
⚪︎その他さまざまな神経系の異常や症状など

3-2.腎臓に合併症が起きた時の症状とは?

⚪︎むくみまたは浮腫
⚪︎尿の出が少なくなる乏尿
⚪︎尿量が多くなる多尿
⚪︎排尿の回数が多くなる頻尿
⚪︎その他の排尿異常など

3-3.他の部位に合併症が起きた時の症状とは?

⚪︎ズキンズキンといった拍動性の頭痛
⚪︎発作的に起こる激しい動悸
⚪︎冷や汗
⚪︎筋肉に力が入らないなど

4.高血圧に合併する主な病気と症状とは?

自覚症状がないまま進むことが多い高血圧。
そのうち、突然合併症を招くケースが大半です。

言いかえると、症状が顕著にあらわれた時には、合併症がかなり進んでしまっている状態なのです。

高血圧に伴う合併症の症状はさまざまですし、症状のあらわれ方は病気の進行によって異なります。

初期症状や中間症状がみられず、突然激しい症状が起きて気づくこともあれば、症状の発作などが起きた時にはすでに手遅れといったケースも少なくありません。

では、高血圧に合併する主な病気7つとその症状をみてみましょう。

4-1.高血圧性心肥大症

心臓病の中でも、高血圧によって起こりやすい最も直接的な病気が、高血圧性心肥大症です。

動脈硬化によって心臓の筋肉が厚くなって太り、心臓の働きが低下してしまいます。
慢性的な虚血状態に陥るため、以下のような症状があらわれるでしょう。

⚪︎息切れ
⚪︎呼吸困難
⚪︎動悸
⚪︎不整脈

高血圧性心肥大症がそのまま悪化すると、心不全を起こす可能性があります。

4-2.狭心症

急増しているため、心臓の現代病とも言われているのが狭心症です。

狭心症は心臓の筋肉への血流が一時的に滞って、酸素や栄養が不足している状態。
発作的に以下のような症状が起こりますが、痛み方や感じる部位など異なる場合もあるでしょう。

⚪︎胸の中心部が締めつけられるように痛んだり、圧迫されたりする(安静にしていると大抵、数分で良くなる)
⚪︎血圧の上昇
⚪︎脈拍が少し乱れることもある
⚪︎腕や左肩、あごや奥歯の痛みなど。

4-3.心筋梗塞

特に、40歳以降の血圧が高い人に起こりやすいのが心筋梗塞です。
突然死の原因にもなるため、高血圧の合併症として最も注意を要する病気と言われています。

高血圧が長く続いて動脈硬化が促進。
冠動脈に血栓などが詰まって、血流がなくなり、酸素や栄養も不足して、心臓の筋肉が壊死してしまう病気です。

心筋梗塞の発作の症状は以下のとおりです。

⚪︎胸部を中心に強烈な痛み(安静にしていても良くならない)
⚪︎呼吸困難
⚪︎吐き気
⚪︎脈拍の乱れ
⚪︎血圧の下降
⚪︎顔面蒼白
⚪︎冷や汗
⚪︎失神

4-4.脳出血

脳にはいくつかの大動脈や多数の毛細血管があります。

高血圧が続いて動脈硬化が進むと、これらの血管に動脈瘤ができてしまうことに。
脳出血はこの動脈瘤が破裂することで起こります。

起こる前に以下のような症状があらわれることがあります。

⚪︎頭痛
⚪︎頭重感など

しかしながら、脳出血の多くは大抵、自覚症状なしに突然起こるでしょう。

急激な発作によって脳内や頭蓋内に血液が流れると、死亡するケースもあります。
一命をとりとめても、言語障害や半身麻痺などの後遺症を残すこともあるでしょう。

4-5.脳梗塞

脳梗塞は、血液の固まりである血栓が脳動脈に詰まって起こります。

脳細胞に必要な酸素や栄養が届かず、壊死を起こしてしまうため、脳の働きに重大な影響を与えてしまうでしょう。

脳梗塞の症状はさまざまです。
発生場所や範囲、脳細胞の障害の程度によって異なります。

また、症状が比較的軽くすむのは細かい動脈のごく一部の障害です。
太い動脈に障害が起きると、症状は重くなり、重大な後遺症が残ったり、絶命したりすることもあるでしょう。

4-6.腎硬化症

腎臓病の中でも特に高血圧と関係のある病気と言われているのが腎硬化症です。

高血圧が長く続くと腎臓病にも悪影響を与えます。
しかしながら、腎硬化症は腎臓病によって高血圧が起こり、促進される病気です。

高血圧を放置していた人や高齢者に多く、腎臓の動脈硬化によって腎臓全体が硬化萎縮してしまいます。
(おすすめ記事→腎臓の働きを維持!クレアチニンが高いときの8つの食事療法とは?

4-7.糖尿病

糖尿病は高血圧が直接の原因になるわけではありません。
しかしながら、高血圧の人が糖尿病になる確率は正常な人よりも3倍高くなります。

また、糖尿病の人は高血圧になりやすいため、密接な関係があると言えるでしょう。

糖尿病は腎臓や網膜、神経など全身の組織に障害が起きて、さまざまな合併症を招きます。

それに高血圧が伴うと、その症状は加速するため、脳や心臓の血管障害が起きる可能性が高くなるでしょう。

【参考文献】
「血圧が高いといわれた時に読む本」/百村伸一 著/主婦と生活社
「もう高血圧なんか怖くない」/太田怜 監修/株式会社 みずうみ書房
「薬に頼らすに血圧を下げる方法」/加藤雅俊 著/アチーブメント出版 株式会社
「NHK きょうの料理 生活習慣病の食事シリーズ③ 高血圧の食事」/本多京子 著/日本放送出版協会
「健康へのパスポートシリーズ 高血圧」/猿田享男 著/東洋出版 株式会社

高血圧、症状

まとめ

自分の知らないうちに進行していることが多い高血圧。
以前は、30歳代以降の人に多いと言われていましたが、今は20歳代の若い人も増えています。

日ごろから血圧が高い人や定期検査などで診断された人は、そのまま放置せず適切に対処しましょう。

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HANA

HANA

いろいろな本を読んで役立つ記事をご紹介しています。調べることによって、新しい情報 を取り入れることができて知識の幅が広がります。実際、幾つか試して不調を改善できま した。実感したことですが、健康に良いと思える情報でも、すべての人に効果が出るわけ ではないということ。人それぞれ持っている体質・症状の個人差や生活スタイルの違いな どがありますので、期待していた効果が現れないとしても当然かもしれません。抱える不 調を治したいという思い、諦めないで改善する努力を続けることが大切だと感じました。 健康であれば日々の生活も楽しくなります。「これは自分に合うかもしれない」と思う情 報をぜひ試してみてください。
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