血尿につながる病気は自覚症状があまりみられません。
そのため、最初のサインに気づかないことが多いでしょう。
しかしながら、なんらかの兆候はあります。
例えば、「体全体が疲れやすい」「食欲が落ちた」「気分がすぐれない」など。
一般的に体の抵抗力が低下している時、血尿が出ることが少なくありません。
毎日仕事を頑張っている30〜40代。
血尿があらわれる前に原因をチェックしてみましょう。
1.血尿につながる7つの原因とは?
通常、尿は腎臓で作られているため、尿に変化が起きると最初に考えられるのが腎臓の障害です。
また、正常な腎臓で作られた尿でも、尿管や膀胱、尿道に異常があると尿にも異常が生じます。
腎臓を始め、泌尿器系の病気や全身の病気と関係している血尿。
主な原因は感染症や結石、腫瘍などです。
それらの原因にかかりやすくなるのは体の抵抗力が低下した時。
そのため毎日の食習慣や生活習慣、疲れやストレスとの関係が重要になります。
血尿につながる原因7つをチェックしてみてください。
1-1.食事が偏っている
高カロリー・高脂肪の食事が続くと、体は病気になります。
また栄養があるとはいえ、どんな食べ物でも摂り過ぎると腎臓に負担がかかります。
特に、突然の血尿がみられる前立腺がん。
食生活との関係があげられていて、日本食から欧米食への変化に伴い、増加していると報告されています。
実際に欧米では前立腺がんの罹患率が高く、欧米在住の日系人の罹患率も高くなっています。
プリン体が多く含まれている食品の摂り過ぎも、血尿を招く結石をできやすくしまうでしょう。
他にも、エネルギーや食塩が過剰になる食事も要注意です。
ラーメンやステーキ、ハンバーガーやフライドポテト、アイスクリームや菓子パンなどをよく食べる人は血尿がでる病気にかかりやすくなることに。
「忙しいからインスタント食品やファーストフードですませることが多い」といった人は血尿に注意しましょう。
1-2.アルコールを飲み過ぎる
尿路のどこかに結石ができるとあらわれる血尿。
この場合、アルコールに含まれているプリン体が関係しています。
結石の成分についてですが、腎臓結石の場合はシュウ酸塩やリン酸塩、尿管結石の場合はシュウ酸塩、膀胱結石の場合は尿酸または尿酸塩です。
アルコールから摂ったプリン体は尿酸値を上昇させるため、尿酸が腎臓の組織に沈着して結石を作ることに。
また、アルコールは尿を酸性化させたり、尿酸の合成を促進したり、腎臓からの排出を妨げたりするため、結石ができやすくなるのです。
アルコールと一緒に肉類を食べ過ぎることも、尿を酸化させて尿酸を溶けにくくしてしまうでしょう。
疲れがたまっていたり、汗をたくさんかいたりすると余計にアルコールの量も増える人が少なくありません。
アルコールを毎日過剰に飲む人は注意しましょう。
(おすすめ記事→実はお酒は肝臓よりも別の臓器に負担をかけてしまうことを知っていますか?)
1-3.喫煙している
肺の病気がよくとりあげられる喫煙。
実は、腎臓や尿路のガンとの関連も心配されています。
特に、50歳以上の肉眼的血尿がみられる場合、膀胱がんの可能性が高くなりますが、その原因は喫煙と言われています。
たばこに含まれている発ガン性物質。
尿として排泄される前に膀胱内にとどまってしまうことで膀胱がんが発症してしまいます。
男性の膀胱がんの約50%以上となっており、喫煙者は非喫煙者より2〜3倍発症しやすいでしょう。
またある調査によると、禁煙をした人は1〜4年後に膀胱がんを発症するリスクが約40%減少し、20〜30年後には喫煙したことがない人と同じになると報告されています。
他にも、膀胱炎がなかなか治らない時は膀胱がんが疑われます。
女性よりも尿道が長い男性は雑菌が侵入しにくいため、膀胱炎は珍しいと言われていますので、膀胱炎のような症状を感じた時は検査をするなどがおすすめです。
膀胱がんは大抵、血尿以外に症状があらわれません。
長期喫煙者やしつこい膀胱炎に悩まされたことがある人は注意しましょう。
1-4.生活習慣病がある
血尿は生活習慣病との関与もあります。
実際、血尿が出る腎臓の病気には高尿酸血症や高脂血症、高血圧や糖尿病が関係しています。
これらの生活習慣病は高エネルギーや高タンパクの食生活、運動不足から生じることが多く、肥満になりやすいでしょう。
特に最近増えているのが生活習慣病などの二次的な腎障害です。
これは、腎臓病以外の病気を持っている人が合併症や薬剤の副作用によって腎臓の機能が低下して障害を起こすというもの。
例えば以下のようなものが多くなっています。
⚪︎神経因性膀胱…糖尿病や外傷などで膀胱の神経が障害されて腎機能の障害が起きる
⚪︎急速進行性腎炎…腎障害と気づきにくいのですが最初に風邪や倦怠感などがあらわれる
⚪︎急性腎不全…腎臓病以外の病気で薬を飲んだ時の副作用や脱水などの発症で起きる
⚪︎慢性腎不全…高血圧や糖尿病などの合併症によって腎不全になることが多い
30代から増える生活習慣病。
まだ若いから大丈夫と思う人が少なくありません。
定期検査などで指摘された人は生活習慣の見直しと改善をおすすめします。
(人気記事→30代から気になる生活習慣病!それぞれの症状に合ったトクホの人気商品とは?)
1-5.トイレを我慢することが多い・水をあまり飲まない
血尿は尿量不足や排尿を我慢することとも関係があります。
特に、尿路の病気は膀胱で細菌が繁殖したり、細菌が腎臓にさかのぼっていったりして起こるため、尿を一定量排泄することは重要です。
また、腎臓の機能の低下を防ぐために、水を飲むことは大切です。
一般的に、人間が必要な1日の尿量は約2ℓと言われているため、1,500〜2,000㎖の水分は摂りたいもの。
「水分補給はしている」という人の中には、スポーツドリンクやジュースをよく飲む人がいます。
糖分の摂り過ぎになるので、お水かお茶に変えた方が良いでしょう。
血尿になりやすい人は「トイレが近くなるのは嫌だ」「仕事中に抜けることができない」といった理由で、何度もトイレを我慢する傾向があります。
実は、我慢するほど膀胱は引き伸ばされて薄くなり、細菌に対する抵抗力が弱くなるため、血尿を招きやすくなるでしょう。
脳と一部の脊髄の神経から送られて感じる尿意。
「まだ大丈夫」と思って早くトイレに行かないことが多い人は注意しましょう。
1-6.風邪の感染症にかかる
のどの腫れや痛みを感じる風邪の感染症。
病院へ行くと大抵、扁桃腺炎や咽頭炎といった診断になりますね。
原因は陽性連鎖球菌や肺炎双球菌、ブドウ球菌など。
しかしながら、必要な治療を行って2週間くらい経っても治らない場合、血尿が出ることがあります。
他の症状として倦怠感や微熱、むくみや尿量の減少などもみられるでしょう。
これは急性の腎炎が起こった状態です。
適切な治療で大人の約5割は完治しますが、もしそのまま血尿が一年以上続く場合、慢性化して慢性腎炎になり慢性腎不全になる可能性もあります。
よくあるケースは、「のどの風邪だから…」「そのうち治る」と我慢してしまうこと。
しっかり治して悪化させないようにすることで、血尿につながることを避けられます。
1-7.泌尿器の感染症にかかる
血尿がでたり、排尿するとき刺激するような痛みを感じたり、頻尿があったりすることはありませんか。
この場合、膀胱炎や前立腺炎など細菌による泌尿器の感染症が考えられます。
原因は大腸菌や結核菌、淋菌などですが、ほとんどは雑菌と考えられています。
通常、人間の体は少しくらいの雑菌であれば、尿と一緒に排泄することができるのですが、なんらかの原因で尿が流れにくくなっていると、菌が繁殖しやすくなって炎症が起きてしまいます。
血尿の他に発熱や悪寒、ふるえや嘔吐、背中からわき腹にかけての痛みがある場合、急性の腎盂腎炎が考えられるでしょう。
いつも体を清潔にしておくことは大切です。
特に、汗をかいた日はこまめにシャワーを浴びて雑菌を洗い流しましょう。
【参考文献】
「あなたの医学書 腎臓病」/富野康日己 著/株式会社 誠文堂新光社
「腎臓の病気を防ぐ、治す」/酒井紀 監修/株式会社 講談社
「ひと目でわかる!健康診断」/船津和夫 監修/株式会社 小学館
「『排尿』の悩みさようなら」/本間之夫 著/成美堂出版
まとめ
血尿は食習慣や生活習慣病による負担、感染症の影響などさまざまな要素によってあらわれます。
健康でよく動ける30〜40代。
「若いからそのうち治るだろう」と思ってしまう人が多いものです。
尿の異常は自己チェックでは判断できにくい症状ですので、念のため医療機関で診てもらってくださいね。
HANA
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