便秘は本来、外に出さなければならない便がいつまでもお腹の中に溜まった状態です。
食べ物のカスが長く腸の中にとどまると、便の中の水分量が減って硬くなってしまいます。
排便をするときは、腹痛をともなったり、苦しく感じたりするでしょう。
つらい便秘による腹痛は本人にとって深刻な問題。
便秘のタイプを見分けて原因を知りましょう。
1.便秘の種類とは?
一般的に、3日以上便通がない場合を便秘といいます。
ただ、排便ペースには個人差があるため、3日に一回の排便でも、ほどよい硬さの便がすっきり出るなら便秘ではありません。
一方、毎日排便があっても、硬くて出にくい便であれば便秘といえます。
さすがに4日以上経っても便通がない場合は、便秘であると判断しましょう。
他にも便秘の人の特徴があります。
○便を出すのに10分以上かかってしまう
○便が出にくい
○便がこちこちに硬い
○便がコロコロとしている
便秘は引き起こす原因や起こり方がいろいろあります。
一般的な便秘は慢性便秘と言われており、2種類あります。
① 機能性便秘
② 器質性便秘
2.機能性便秘とは?
機能性便秘の原因は病気ではなく、腸の機能低下によるものです。
生活習慣が関係しているため、生活習慣病ともいえるでしょう。
機能性便秘になりやすい人の傾向があります。
○食生活は肉食が多く、野菜が不足しがちな食事をしている。
○休日などは家でゴロゴロすることが多く、運動不足である。
○朝はぎりぎりまで寝ていることが多く、慌てて出て行くため排便の習慣が乱れる。
○仕事のストレスが多く、毎日くらい気分で帰宅することが多い。
ただ、腸が十分に機能していても、便そのものに原因があるために出にくくなる状態も当てはまります。
機能性便秘は腸管の働きによってさらに3つのタイプに分けられます。
① 弛緩性便秘
② けいれん性便秘
③ 直腸型便秘
2-1.弛緩性便秘とは?
日本人に1番多いタイプが弛緩性便秘です。
常習性便秘または、習慣性便秘とも呼ばれています。
原因は、大腸の筋肉がゆるんで腸のぜんどう運動が衰えること。
便を押し出す力が弱くなり便秘になります。
また、便が腸に長くとどまるため、ますます硬くなって出すのが非常にきつくなるという悪循環を招いてしまうでしょう。
一般に、弛緩性便秘を起こしやすいケースがあります。
○ダイエットで便の材料となるカスがたまりにくくなり、排出刺激が少なくなってぜんどう運動が弱まる。
○運動不足などで腹筋の力が弱くなる。
○年齢とともにお腹の筋肉が低下し、肛門括約筋が弱くなってトイレでのりきみができなくなる。
○仕事が忙しく、便意があってもトイレに行くタイミングを逃すため、徐々に便意を感じる力そのものが弱まる。
食事や運動、トイレの習慣から便秘になるため、生活を改善すると治すことができるでしょう。
2-2.けいれん性便秘とは?
ストレスの多い人がなりやすいのがけいれん性便秘です。
自律神経が乱れて腸が緊張し、大腸の収縮力が強すぎて起こります。
原因は、腸のぜんどう運動が表面的に強くなり過ぎて、大腸がけいれんを起こし腸の一部がくびれてしまうこと。
その部位を便が通りにくくなるため便秘になります。
通常、便秘は腹痛をともなわないのですが、けいれん性便秘はかなり強い腹痛があります。
特に、食後の直後に反射的に大腸がぜんどう運動を始めたときに感じるでしょう。
また、心理的なストレスが重なると便秘と下痢を交互に繰り返すこともあります。
一般に、「過敏性腸症候群」と呼ばれる病気の症状のひとつです。
働きざかりの若い人に多くみられます。
仕事や人間関係の悩みを抱えやすく、不規則な生活になりやすいため、意識していなくてもストレスを感じているからです。
ストレス解消法をみつけることや、医師と相談することで改善することができます。
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2-3.直腸型便秘とは?
下剤を使っている人に多いのが直腸型便秘です。
普通、排便感覚が起こるのは便が直腸に達して神経が刺激されるから。
直腸型便秘はこの感覚が何らかの原因で鈍くなって便意そのものが感じられず、便が出にくくなります。
下剤や浣腸を繰り返し使用する人に多くみられます。
骨盤の筋肉が弛緩して、直腸神経の反射が鈍くなり、便秘になってしまうでしょう。
このタイプも生活習慣が大きく関係しています。
食事の内容に気を配り、定期的に運動し、ストレスを解消しましょう。
改善をはかるために、下剤や浣腸の使用をすぐにやめることも重要です。
3.器質性便秘とは?
器質性便秘は別名、症候性便秘とも呼ばれています。
原因は大腸に何らかの病気があることや、外側から圧迫されて大腸の内腔が狭くなり、便の通りが悪くなることです。
器質性便秘の原因になる病気がいくつかあります。
○大腸がん・大腸ポリープ
○炎症性の腸疾患
○腸の癒着
○結腸過長症
○大腸壁にできる突起や腹腔内の臓器にできる腫瘍など他の病気
○内分泌の異常
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4.便秘になりやすい病気とは?
4-1.高血圧
生活習慣病の代表のひとつといわれる高血圧。
便秘になるとトイレで何度もりきんでしまいますが、便を出そうとして無理にりきむと、血管は急に収縮して血圧も急激に高まります。
普段から血圧が高い人は脳梗塞や脳出血、脳卒中などのきっかけになることがあります。
日ごろから便秘を解消するよう心がけてください。
また、高血圧の人が服用する薬は血圧を下げるためのものですが、副作用として便秘になることがあります。
便秘になりにくい薬を出してもらうよう医師に相談することができます。
朝起きてすぐコップ2〜3杯の水を飲むことや、朝夕腹筋運動することも役立ちますよ。
4-2.うつ病
気分の落ち込みや意欲・行動の低下など心と体に影響が及ぶうつ病。
体の機能全体が低下するため、腸管の神経支配が弱くなり、腸のぜんどう運動も鈍くなって便秘になりやすいでしょう。
また、うつ病の治療薬の場合も副作用として便秘になることがあります。
うつ病を治療することが優先ですから、自分でできる解消法を行なってください。
水分を摂ることや腹筋運動をすること、腸内の善玉菌を増やすために乳酸飲料などを摂ることもできるでしょう。
4-3.糖尿病
食生活の欧米化から急増している糖尿病。
糖尿病による合併症のひとつである神経障害は、腸管の運動を司る神経にも影響を及ぼし、便を押し出す力が弱くなって便秘になってしまいます。
4-4.痔
そもそも、痔は硬い便が排便のたびに通過し、静脈がうっ血するために起こります。
トイレで硬い便を出そうとしてりきむと、うっ血がひどくなって、さらに繰り返すうちに悪化していきます。
便は休みなく作られて排出され、肛門も毎日使われるため、痔はなかなか治ることができません。
また、肛門周辺は多くの神経が集まっており、少しの痛みでもかなりの痛みに感じます。
硬い便を出すことに苦痛を感じると、痛みの恐れのため便意があっても排便を我慢してしまい、便はますます硬くなるという悪循環になってしまうでしょう。
痔の人はお尻を清潔にすることや便が柔らかくなるようなものを食べること、硬くなる前に便を排泄するように心がけることが重要です。
まとめ
病気とは関係なく起こる便秘もあります。
例えば、出張や転勤、引っ越しや旅行など、環境の変化によるものです。
このような一時的に起こる便秘は状況の変化によって治るでしょう。
注意が必要なのは急に起こる便秘です。
今まで何ともなかったのに急に便秘になったという場合の多くは、すぐに治療が必要な病気が隠れていることがあります。
腸閉塞や腸捻転など腸が腐って命にかかわる腸の病気が関係していることも。
便秘だけでなく激しい腹痛をともなうときは特に我慢せず、すぐに専門病院へ行きましょう。
HANA
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