慢性化しやすい大腸炎!ストレスや乱れた食生活でできる腸の潰瘍とは!?

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大腸炎

20〜30代に発症することが多い大腸炎。

病気が進行していても、症状が落ち着く場合があり自覚しにくい病気です。

特に特定疾患の一つに指定されている潰瘍性大腸炎には要注意です。

便の異常や腹痛など、最初の小さな異常を見逃さないようにしましょう。

1. 大腸が病気になりやすい理由とは?

小腸から送られてくる食物残の約9割は水分でできている液状の老廃物です。
体内のすべての異物が集られるため、その量なんと約1.4ℓ。

大腸は小腸から受け取った食物残渣を一定期間溜めて数日間かけて処理します。
水分やミネラルなどを吸収して固形便をつくり肛門に送るのです。

体にとって不要なものを処理し続ける大腸は、ダメージを受けやすく病気になりやすい器官。

特に、脳腸相関とも言われるとおり、腸管と脳は他の臓器よりも密接な関係があるため、ストレスの影響を受けやすいでしょう。

実は、ストレスを感じた脳の刺激は腸管の神経叢に伝わり、腸管の運動や知覚が反応して、便秘や下痢などが起こります。

ですが、同時に腸管の反応の刺激が逆のルートで脳に伝わってしまいストレスを与えるため、悪循環を招いてしまいます。

仕事のプレッシャーや人間関係の悩みなどストレスが多い人は、腸のトラブルが起きやすいでしょう。

2.若い人が大腸炎を発症しやすい理由とは?

2-1.不規則な食生活

外側からみると結腸ひもと呼ばれる筋を中心に蛇腹状になっている大腸。
特に傷みやすいのは粘膜です。

水分吸収の他に飲食中の細菌など体内に入ってくる異物を処理していますが、その能力には限界があるからです。

腸内に老廃物を溜める期間が長くなったり、便の量が多くなったりして腸の病気にかかりやすくなるでしょう。

また、たんぱく質や脂肪が多い肉食を好む人は腸内細菌の健康バランスが崩れやすくなります。

夜勤や残業、夜型生活などで不規則な食生活をしていたり、とんかつやビフテキなどボリュームのある肉食中心の食事が多くなりやすい若い人は注意が必要です。
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2-2.ストレスに敏感

大腸はストレスや緊張に非常に敏感です。
便意を生じさせ、排泄をつかさどるのは脳との連携で生じるからです。

実際、脳の中枢にある視床下部が自律神経に指令を出しますが、不安や怒り、快感や不快感など情動を受け取ると、その刺激が内臓の働きにも影響します。

自律神経には昼間活動的なときに働く交感神経と、夜リラックスしているときに働く副交感神経があります。

ストレスなどで緊張状態が続くと、交感神経ばかりが活発になり、大腸の働きが抑えられて排便のトラブルも多くなってしまいます。

30〜40代は仕事に追われて、ホッとひと息つくゆとりがない人も少なくありません。
生活リズムも乱れやすいため、脳がストレスの刺激を受けて、体のさまざまな器官が影響を受けるでしょう。

特に、非常に敏感な器官である大腸は機能異常を起こして、慢性的な便秘や下痢の他、さまざまな症状が起こり、腸の病気にかかりやすくなってしまいます。

3.潰瘍性大腸炎とは?

大腸の壁に炎症が起きる潰瘍性大腸炎。
連続的に腸の表面がただれて潰瘍ができます。

もともと外国に多い病気ですが、日本で初めて潰瘍性大腸炎の症例が報告されたのは1928年、急激に増え始めたのは1970年頃からです。
10歳くらいでもなる人がいますし、60歳代でなる人もいます。

特に、20〜30歳代の発症を中心に増え続けているため、若い人を襲う病気と言われています。

最初は、大抵「ただの下痢だと思っていたら腸に炎症が起きていた」というケースが多いでしょう。
また、病気が治らなくても症状が治まることがあるため、自覚していない人も少なくありません。

4.潰瘍性大腸炎の3つの炎症のタイプとは?

潰瘍性大腸炎の病変部は白い斑点のように見えますが、一般的にこの炎症が肛門側から体の奥へと広がります。

直腸の腸壁に炎症が起きてその後、段階的に結腸に広がっていくという感じです。
ただし、炎症の広がり方は人によってさまざまです。

炎症が直腸でとどまる人もいれば、一度広がった後に範囲が狭まっていく人もいるでしょう。
3つの炎症のタイプがありますが、発症頻度はいずれも同じ程度です。

直腸炎型
炎症が直腸だけにとどまるタイプ

左側大腸炎型
炎症が下行結腸に広がるタイプ

全大腸炎型
横行結腸や上行結腸、さらに大腸全体へと広がるタイプ

5.潰瘍性大腸炎の症状とは?

潰瘍性大腸炎の始まりはほとんどが下痢や血便です。
また、最初に急激に症状が出た後、症状が落ち着きますが腸の中の炎症は消えていません。

腹痛や下痢、血便などの症状は見られず健康そのもののため、良くなったと油断してしまう人が多いでしょう。

そのまま放っておくと、炎症が拡大するため下痢や便秘がひどくなります。
膿や粘液が血に混じった粘血便になり、下腹部の痛みも生じるでしょう。

さらにひどい時は発熱や体重減少、吐き気や嘔吐、脱水症状や頻脈などが起こります。
長期間、腸からの出血が続くと貧血が生じ、関節痛など全身症状が現れることもあります。

何度も潰瘍ができると長期的にがんを発症しやすくなってしまいます。

6.潰瘍性大腸炎の特徴とは?

一般に病気は時間とともに悪化しますが、潰瘍性大腸炎は時間とともに悪くなったり良くなったりを繰り返します。

良くなる時期は緩解期と呼ばれます。
血便などの症状がなく、内視鏡で見ても炎症は認められません。

一方、悪くなる時期は活動期と呼ばれます。
血便などがあり、内視鏡で見ると炎症が認められます。

潰瘍性大腸炎の患者の場合、約8割が活動期と緩解期を交互に繰り返すタイプ。
緩解期にある人と活動期にある人の割合はおよそ7:3で、緩解期にある人の方が多いでしょう。

慢性病のため長く続く病気ですが、その多くは発病後5年以上経つとひどい症状が減ってきます。

炎症を引き起こしている細胞に寿命が来るためと考えられていますが、はっきりした理由はまだ分かっていません。

そのため、潰瘍性大腸炎は発病してから約5年以内におこなう治療が重要です。

毎日の生活リズムや食事を規則正しくするなど自己管理しつつ、適切な治療を受けることで、その後手術が必要になるほどの重い症状になることを避けられるでしょう。

時間が経過して症状が落ち着いても、油断しないことが重要です。

7.潰瘍性大腸炎の4つの病気経過のタイプとは?

再燃緩解型
良くなったり悪くなったりを繰り返すタイプです。
潰瘍性大腸炎の病気経過としてもっとも多いでしょう。

慢性持続型
最初の発症から6ヶ月以上は活動期で、緩解期はほとんど見られないタイプです。

初回発作型
発作が一回だけで、将来再燃緩解型になる可能性があるタイプです。

急性劇症型
最初の発症が激烈な症状のタイプです。
1日の出血量が1000mlにもなる大出血や大腸の壁に穴が開いてしまう穿孔が起こります。
激しい炎症のために腸管の動きが麻痺して拡張する中毒性巨大結腸症なども生じるでしょう。

敗血症などの重篤な合併症を伴うこともあります。
この場合、緊急手術が必要ですが、このようになるのはごく少数です。

8.潰瘍性大腸炎に起こるかもしれない合併症とは?

大腸の粘膜に炎症を起こす潰瘍性大腸炎。

その他の消化器官にはほとんど炎症は起きません。
ただし、幾つかの合併症が起こることがあります。

腸管外(全身性)合併症
腸とは関係のない器官に障害が起きることがあります。

最も多いのが、ひじやひざなど比較的大きな関節が悪くなる関節炎です。
約10%にみられ、病気の悪化とともに現れます。

また、ビタミン不足による口内炎やしこりのある赤い発疹が現れる結節性紅斑などの皮膚症状、結膜炎やブドウ膜炎、虹彩炎などの眼症状もあります。

肝機能障害、腎障害などが起こることもあるでしょう。

局所合併症
腸管そのものに合併症が起こることもあります。

腸管にポリープがたくさんできるポリポーシスや長期間緩解と再燃を繰り返すがん性変化、腸管が狭くなる大腸の狭窄や中毒性巨大結腸症です。

また、膿のかたまりができる膿瘍や腸壁に穴が開いてしまう穿孔などもあります。

9.潰瘍性大腸炎の原因とは?

かなりの勢いで増え続けており、様々な研究が進められていますが、原因は未だに不明です。

決定的な原因は分かっていませんが、有力な説をあげるとすれば2つあります。

9-1.細菌であるフゾバクテリウム・バリウムによる感染

大腸にある腸内細菌叢には100兆個もの腸内細菌がおり、人体にさまざまな影響を及ぼしています。

この腸内細菌叢が変化して影響を与えるため、腸炎が発生し炎症が起きると考えられます。
潰瘍性大腸炎にとてもよく似ているのが赤痢菌や病原性大腸菌です。

そのため、何らかの原因菌があるとも考えられるでしょう。
ただし、この細菌による感染が決定的なものではありません。

9-2.免疫異常

腸管の粘膜にある免疫システム。
必要な栄養を吸収する機能がある一方、有害なウイルスや細菌は排除する機能もあります。

この免疫の働きが食生活や遺伝などによって乱れると、本来、異物を排除するために働く免疫力が過剰に反応してしまいます。

害のないものに反応したり、特定の細菌に過剰に反応したりするなど、免疫システムの異常によって病気が起こることが考えられます。

実際、潰瘍性大腸炎が起っている腸管の粘膜では免疫のシステムが乱れています。
ですが、やはり原因が免疫異常によるものかははっきり分かっていません。

10.潰瘍性大腸炎の症状を悪化させる要因とは?

潰瘍性大腸炎の日本の罹患率が欧米諸国の5分の1であることからすると、1970年代から増加している「高脂肪・低食物繊維」の食事が関係しているとも考えられています。

また、食品添加物やマーガリンなどの油脂を多く使うファーストフードの増加も指摘されています。
特に、指摘されているのはストレスと食事の関係です。

ストレスを解消することや良い睡眠をとること、食生活を規則正しくするなど日常生活に気を配って、コントロールすることが大切です。
(人気記事→働き盛りはストレスフル!!すぐできるストレス診断で自分と向き合おう!

今のところ、潰瘍性大腸炎を悪化させることが分かっている要因が幾つかあります。

10-1.心理的原因

自律神経によってコントロールされている腸ですが、独自に動く能力もあるため、「腸の自律脳」とも呼ばれています。

この豊かな自律性を支えているのが、腸にはりめぐらされている神経細胞のネットワークです。
さらに、腸はさまざまなホルモンを分泌して、自らの機能を調節しています。

病気を悪化させる要因となるストレス、仕事や人間関係の悩みや心配、毎日働き尽くめの過労や睡眠不足などで刺激された腸はダメージを受けてしまいます。

10-2.食事

潰瘍性大腸炎になりやすいのは高脂肪・高刺激の食事です。

特に、他の栄養成分に比べて腸管の蠕動運動を非常に刺激してしまうのが肉などの脂肪の多い食品。
体内で脂肪が分解・吸収されるときに分泌される胆汁酸も腸を刺激してしまいます。

油だけでなく脂肪分と意識せずに食べている多脂性食品、例えば、ベーコンやサラミソーセージ、生クリームやチーズ、バラ肉やうなぎなども要因となります。

他にも、調味料のマヨネーズやドレッシング、お菓子のポテトチップスやチョコレート、クッキーなどを頻繁に食べることもあげられます。

2種類ある食物繊維のうち、分解しにくい不溶性食物繊維も腸管を刺激してしまう消化の悪い食べ物です。
代表としてあげられるのが、きのこ類や海藻、ごぼうやれんこん、こんにゃくなど。

加工食品に含まれている食品添加物も指摘されています。
ファーストフードやインスタント食品など、忙しい生活の中では欠かせないものになっている人も少なくありません。

特に、潰瘍性大腸炎との関連が疑われているのは、増粘剤(増粘多糖類)のカラゲニン(カラギーナン)です。

プリンやゼリー、乳製品やアイスクリーム、ヨーグルトやプロセスチーズ、水産練り製品などに多く使われています。

さらに、漬物やラーメンなど塩分が多い食べ物や、香味野菜や香辛料など刺激のある薬味、飲み物であればアルコールやコーヒーなども要因になります。

10-3.薬物

以前は、痛み止めや風邪薬に含まれている解熱鎮痛剤が、潰瘍性大腸炎を悪化させると考えられていました。
研究は進められていますが、今のところその関連性ははっきりしていません。

一般的に、市販の風邪薬はさまざまな成分が少しずつ含まれており、幅広い症状に穏やかに効くようになっています。

そのため、使用上の注意に従って数日間の服用であれば、問題ないとされています。ただし、風邪は潰瘍性大腸炎の症状を悪化させ、再燃させる要因になります。

また、市販の風邪薬には腸を傷つけてしまう消炎鎮痛成分が含まれているものもあります。

実際、市販薬の注意事項に「潰瘍性大腸炎やクローン病の人は服用前に医師に相談してください」という記載があるものも少なくありません。

なるべく、風邪予防をしっかり行って、服用する際はかかりつけの医師に相談しましょう。

11.特定疾患に指定されている潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は発病の原因がはっきりせず、完治させる方法が確立されていません。

そのため、長期間にわたり医師の受診や治療を続ける必要があり、医療費の負担が問題になります。

そこで長い療養生活による医療費の負担を軽減して生活を支えるために、国から医療費の援助を受けることができます。

「特定疾患医療費給付」と呼ばれる制度で、大腸の病気の中でも潰瘍性大腸炎とクローン病が対象となっています。

特定疾患とは、診断基準が一応確立されているものの、重症度が高くて治癒するのが難しく、患者数が少ない病気です。

このような病気の場合、特定疾患治療研究事業として、原因を究明し、治療方法を開発するための研究データが必要になります。

そのため通常、医療機関から特定疾患の制度について伝えられ、医療費の公費負担を受けるために申請するかどうかを打診されたとき、研究のための検査データの提供ができるかどうかも確認されるでしょう。

特定疾患治療研究事業への協力を承諾できる場合、申請手続きを行うことができます。
申請手続きはなるべく早い方が良いでしょう。

病院を受診して精密検査を受け、医師から潰瘍性大腸炎と診断されたら、都道府県に申請書と診断書などを提出して医療給付を申請できます。

ただし、都道府県によって異なることがありますので、詳しい情報を保健所で確認してください。
また、日頃から書類上の手続きに慣れていない人は医療機関にいるソーシャルワーカーに相談することができます。

無料で制度の申請や利用上の注意点などさまざまな疑問に答えてくれるため、戸惑いや不安を軽減できるでしょう。

大腸炎

まとめ

最初は腹痛と下痢が数日間続く腸の炎症。
日常的な症状のため、市販薬で対処する人が多いでしょう。

なかなか回復しないため医療機関へ。
問診や検査を受けて初めて、潰瘍性大腸炎を発症していることに気づきます。

特に、一回でも血便が出た場合は自己判断は禁物です。
気になる症状は早めに受診し検査しましょう。

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HANA

HANA

いろいろな本を読んで役立つ記事をご紹介しています。調べることによって、新しい情報 を取り入れることができて知識の幅が広がります。実際、幾つか試して不調を改善できま した。実感したことですが、健康に良いと思える情報でも、すべての人に効果が出るわけ ではないということ。人それぞれ持っている体質・症状の個人差や生活スタイルの違いな どがありますので、期待していた効果が現れないとしても当然かもしれません。抱える不 調を治したいという思い、諦めないで改善する努力を続けることが大切だと感じました。 健康であれば日々の生活も楽しくなります。「これは自分に合うかもしれない」と思う情 報をぜひ試してみてください。
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