30〜50代の働き盛りに多くなっている突然死や過労死。
原因の一つに心臓の病気があります。
死に至らなくても、20〜40代で発症することは決して珍しいことではありません。
今回は心臓病になりやすい人のタイプや早めの対処法、病気の種類についてご紹介します。
1.20〜40代でも心臓の病気になる原因と対処法
1-1.メタボリックシンドローム
特に、増加傾向にあるのは過労死や突然死の原因にもなっている動脈硬化性の心臓病です。
原因は肥満や高血圧、高脂血症や糖尿病など。
よく聞かれるようになったメタボリックシンドロームの人に多いのが特徴です。
メタボリックとは「代謝」を意味し、メタボリックシンドロームは「代謝異常」を起こして危険な状態になっていることです。
心臓病の危険性が格段に高まるのは、それぞれの数値があまり高くなくても、複数の症状を持っているケースです。
そのことが企業で働く12万人を対象にした調査で明らかになりました。
肥満・高血圧・高血糖・高トリグリセリド(中性脂肪)血症・高コレステロール症のうち、2つ当てはまる人が心臓病になる危険性はまったく当てはまらない人の約10倍、3〜4つ当てはまる人は約30倍にもなったのです。
最も危険が高いのは肥満・高血糖・高脂血症・糖尿病の4つすべてが当てはまる人です。
「死の四十奏」とも呼ばれています。
また、メタボリックシンドロームの人が標準的な体格の人よりも心臓の病気を発症しやすいのは「アディポネクチン」と呼ばれる物質が関係しています。
アディポネクチンは脂肪細胞が分泌するタンパク質で、血管の傷を修復する働きがあります。
通常は血液中にたくさん存在しており、血圧や血糖値の上昇、悪玉コレステロールやタバコなどによって血管が傷つけられるのを防いでくれます。
しかし、内臓脂肪が蓄積されると、分泌されなくなって減少するため、メタボリックシンドロームの人はアディポネクチンの働きがなくなってしまいます。
血管は傷ついたままになり、動脈硬化が原因の心臓病が起こりやすくなるでしょう。
幸い、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて簡単に減量できます。
食生活の見直しや定期的な運動などで生活習慣を改善するなら、メタボリックシンドロームから脱出でき、心臓の病気も防ぐことができます。
(おすすめ記事→筋トレで体脂肪ガンガン燃焼!!「スロー・トレーニング」の4つのメリットとは!?)
1-2.喫煙
心臓に大きな負担をかけると言われている喫煙。
ニコチンが血管を収縮させるため、血圧が上がり、動脈硬化の元となる血液中の脂肪酸を増やしてしまいます。
また、タバコの煙に含まれている一酸化炭素は赤血球のヘモグロビンと結合するため、心臓や全身に十分な酸素が送られなくなります。
心臓の代表的な病気である狭心症や心筋梗塞のリスクが高くなるでしょう。
実際、厚生労働省が大規模に行った調査でも、喫煙者が心臓病になる確率は喫煙しない人より3倍高いことが明らかになっています。
「自分で禁煙はできない」と思う人でも、病院によっては禁煙外来があるところも増えており、保険が適用される禁煙治療を受けられるようになっています。
禁煙の効果は意外と短期間で表れますので、まずは医師に相談してみましょう。
1-3.性格
欧米を中心に行われた「病気と性格の分析」で、心臓病になりやすい性格があることが解明されています。
心臓の病気になりやすいのはせっかちでイライラしやすく、野心的で競争心が旺盛な人です。
「目標を達成したい!」と強い欲求を持っていたり、「いつも時間に追われている」など猛烈なサラリーマン型のタイプが少なくありません。
血圧が上がりやすく、血液の流れを乱す原因となるアドレナリンというホルモンがいつも分泌されて、血圧や心拍数が高くなるからです。
実際、そうでない人よりも発症率が2倍以上高いことが報告されています。
すぐに心臓病になるというわけではありませんが、心臓病になりやすいので日頃から気をつけることは大切です。
特に、休日などは仕事や用事、家族サービスなど予定を入れたくなるかもしれませんが、なるべくのんびり過ごしましょう。
1-4.仕事
心臓の病気になりやすいのは長時間労働が多く、働く時間が長いため、睡眠不足になりやすい仕事です。
例えば、急性心筋梗塞の発症率を調べたある研究では、一日11時間働いている人は7〜8時間働く人に比べて2.4倍、週に61時間以上働いている人は40時間以下の人に比べて2.1倍に高まるという結果が出ています。
また、睡眠時間が週2回以上一日5時間未満の日がある人は睡眠不足がまったくない人に比べて2.3倍高くなることも報告されています。
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といっても、ハードな毎日で忙しいと、働く時間を短くして、十分な睡眠時間を確保するのは「簡単ではない」「努力がいる」と思う人は少なくありません。
しかし、せっかく仕事がうまくいっても倒れてしまっては悲しみが残るだけですね。
年齢を重ねても健康で元気に過ごすために働き方を見直すのは大切です。
さらに、長時間座ったままの仕事など運動習慣がない人も心臓病になる危険性が2倍高まります。
一日中デスクワークなどの人は定期的に運動しましょう。
早起きして一駅分歩いたり、昼休みにウォーキングするなど工夫してみてください。
2.代表的な心臓病とは?
2-1.狭心症
狭心症は心臓を取り巻く血管である冠動脈に流れる血液が一時的に不足して、急に胸が締めつけられたように苦しくなる病気です。
2-2.心筋梗塞
心筋梗塞は冠動脈の硬化が破れて血管が詰まってしまい、心臓の筋肉に栄養や血液、酸素などが送られなくなって一部が壊死を起こす病気です。
狭心症は一時的なものですが、心筋梗塞は壊死した心臓の筋肉の細胞は元に戻りません。
そのまま放置するなら、心臓の機能が完全に停止して死に至るという心不全になる危険もあります。
2-3.不整脈
毎日リズミカルに収縮を繰り返している心臓。
通常、心臓の脈は1日約10万と言われ、基本的に成人の脈拍は安静時に1分間60〜100回です。
このような心臓の拍動のリズムが乱れたり、脈拍数が正常よりも大きく増えたり減ったりする状態を不整脈と言います。
2-4.心臓弁膜症
心臓には血液が効率良く一方通行に流れるように調整する働きのある弁が4つあります。
僧帽弁や大動脈弁、三尖弁や肺動脈弁ですが、これらが感染やリウマチ、心筋症状や心筋梗塞、加齢や他の原因でうまく働かない時に起こるのが心臓弁膜症です。
2-5.感染性心内膜炎
感染性心内膜炎は心臓の内側を覆っている心内膜に細菌などが感染して起こる病気です。
2-6.心筋症
特定疾患として難病に指定されている心筋症。
心臓の筋肉に病的な変化が起こって、心臓のポンプ機能が低下する病気です。
2-7.心筋炎
名前のとおり、心臓の筋肉に炎症が起こる病気です。
風邪やインフルエンザのウイルスから感染して心機能が低下してしまいます。
2-8.心膜炎
心膜炎は心臓を包んでいる薄い膜の外側に炎症が起こる病気です。
感染は風邪やインフルエンザのウイルスの他、膠原病やがんの移転、腎不全の合併症やこれといった原因が見当たらないケースもあります。
2-9.心不全
心不全は心臓の働きが低下して血液の循環が悪くなった状態です。
どの心臓病でも最終的に起こる可能性があります。
2-10.先天性心疾患
先天性心疾は生まれつき心臓や周囲の大血管に異常がある病気です。
まとめ
心臓の筋肉は24時間拍動を続けており、全身に血液を送っていますが、そのためには心臓に酸素と栄養を送り続けることが必要です。
生死に関係する心臓の病気。
「なんだか体調がおかしい…」と感じたら、「若いから無理をしても大丈夫」と思い込まず、早めに診てもらうことをおすすめします。
HANA
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