スクワットといえば筋トレの定番メニュー。
実はスクワットはダイエットにも非常に効果的な運動です。
今回はスクワットの効果と、おすすめのスクワットをご紹介します。
1.スクワットがダイエットに役立つメカニズム
ダイエットといえば、食事制限や有酸素運動をする人も多いでしょう。
実際、ハードな筋力トレーニングはダイエットには不向きと言われることがあります。
では、下半身を鍛えるためのメニューであるスクワットは、なぜダイエットに効果があるのでしょうか。
スクワットがダイエットにもたらす効果を見ていく前に、まずダイエットの基本的な仕組みをおさらいしましょう。
1-1.太りにくく痩せやすい身体を作るには?
人間の身体は、食べたもののカロリーをエネルギー源にしています。
食べたものは体内でブドウ糖になり、それが血液の流れに乗って全身にいきわたります。
そのときに使われなかったブドウ糖は筋肉や肝臓、血液の中に蓄積されていきますが、このとき貯めておける量には限度があるため、食べ物がなくなった場合に備えて別の方法で貯蓄が行われます。
その貯蓄先が脂肪細胞です。
ブドウ糖は肝臓から分泌される脂肪酸と合わさり中性脂肪に形を変えて、脂肪細胞に流れ込みます。
脂肪細胞は中性脂肪を蓄えますが、脂肪細胞の細胞壁は非常に柔軟で、最大で最初のサイズの約三倍程度まで大きくなり、脂肪を貯めこんでいきます。
(おすすめ記事→脂肪肝の主な原因は食事!食事が肝臓に与える影響とは?)
この脂肪細胞が大きくなるのが、つまり太るということです。
そのため、ダイエットを行うためには、一日の摂取カロリーよりも、消費するカロリーが大きくならなければなりません。
摂取カロリーが消費カロリーを上回った場合、貯めこんだ脂肪細胞中の中性脂肪がエネルギーに変換し、大きくなった脂肪細胞は小さくなります。
そして消費カロリーが摂取カロリーを上回るとき、カギとなるのが基礎代謝です。
基礎代謝とは、簡単にいうとじっとしているだけでも消費するカロリー量のことです。
人間の身体は運動してカロリーを消費するだけでなく、じっとしている間でも心臓や内蔵を動かしたり、血液を循環させたり、体温を適当な温度に保ったりと、多くのカロリーを必要としています。
この基礎代謝は一日のエネルギー消費量のうち約七割にも達すると言われ、基礎代謝をアップさせることがダイエット成功の近道になるだけでなく、太りにくく痩せやすい身体を作ることにつながります。
1-2.大きな筋肉を鍛える
ではどのようにすれば基礎代謝をアップすることができるのでしょうか。
じっとしているときにカロリーを消費する器官は脳や肝臓など様々なものがありますが、中でも大量のカロリーを必要としているのが筋肉です。
つまり、筋肉を鍛えると基礎代謝をアップにつながり、その結果脂肪が燃焼するということになります。
さらに、筋肉を鍛えるとき、ダイエットに対して効果的なのは大きな筋肉を鍛えること。
面積や体積の多い筋肉は、その分、多くのカロリーを必要としています。
そのため、大きな筋肉をしっかり鍛えれば、基礎代謝の効率的な向上が期待できます。
そして人間の身体の中で、大きな筋肉と言えば、大腿四頭筋です。
大腿四頭筋は太ももの前面にある筋肉で、足を延ばす、上げるといった役割を果たしています。
また、次に大きな筋肉はふくらはぎの下腿三頭筋。
下腿三頭筋は、腓腹筋とヒラメ筋の二つによって構成される筋肉で、人間の歩行を支えるなど大きな役割を持った筋肉です。
また、大臀筋も非常に大きな筋肉です。
大臀筋はお尻の部分の筋肉ですが、単体の筋肉としては人体で最大です。
人体の中で大きな筋肉と言えば、胸の大胸筋というイメージを持っているかもしれませんが、大腿四頭筋、下腿三頭筋、大臀筋を合わせた大きさと比べると、大胸筋の大きさはその五分の一以下です。
スクワットは、大腿四頭筋、下腿三頭筋、大臀筋をバランスよく鍛えられるトレーニングです。
また大胸筋を鍛える場合、ベンチやバーベル、ダンベルといった器具が必要になりますが、スクワットは自宅でも簡単にできる運動。
スクワットは好きなときにできて、基礎代謝アップが効率的にできる運動なのです。
2.正しいスクワットの方法
スクワットはダイエットにとって非常にうれしいトレーニングですが、実際にスクワットを行うときには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。
まず、スクワットを行うときには正しいフォームに気を付けましょう。
基本のスクワットのフォームは、足は肩幅、足先は少し外側を向け、お尻をまっすぐ下に落としていきます。
このとき、顔は正面を向き、背筋を伸ばすことが重要です。
また、スクワットをしているときには呼吸を止めないように注意しましょう。
さらにスクワットを行うときには、ひざの角度も重要になります。
一般的に、スクワットは膝の角度によって五種類に分類できます。
それが浅めに膝を落とすクォータースクワット、ひざの角度が九十度程度のハーフスクワット、ふとももが床と平行になるパラレルスクワット、さらに腰を落とすフルスクワット、限界まで腰を落とすフルボトムスクワットの五種類で、腰を落とせば落とすほど、筋肉に対する負荷は大きくなります。
運動の経験がある、筋力に自信があるという場合はフルボトムスクワットがおすすめですが、バランスやフォームが崩れやすいため、最初は無理をせず、フォームを確かめながら浅い角度からスタートするとよいでしょう。
スクワットのフォームが決まったら、次は回数です。
スクワットの回数は個人差が大きいものですが、まずは15回3セットをひとつの目安として実際にスクワットを行ってみましょう。
セットごとには三十秒程度のインターバルを挟み、それがきついようなら回数を減らす、まだ余裕があるようなら少しずつ回数を増やしてみましょう。
(人気記事→腹筋の100倍の効果!?朝のスクワットで簡単ダイエット)
3.ピンポイントで身体に効かせるスクワット
スクワットは大腿四頭筋、下腿三頭筋、大臀筋だけでなく、インナーマッスルにも効くトレーニング。
さらに足のポジションは腰の落とし方を変えるだけで、効かせたい部分をさらに効果的に鍛えることができます。
3-1.下半身の筋肉を強化したい!ワイドスタンススクワット
もし下半身のシルエットを美しく、たくましく見せたい場合、内転筋に効く「ワイドスタンススクワット」がおすすめです。
内転筋は足を閉じる、骨盤を安定させるといった役割がある筋肉で、内転筋を鍛えておくと、スポーツの際も下半身を安定させることができます。
ワイドスタンススクワットでは足の幅はノーマルのスクワットよりも広く取るのが特徴です。
肩幅より少し広い程度のポジションをキープし、つま先は外側に向けてそのままゆっくり腰を落としていきます。
ワイドスタンススクワットは通常のスクワットよりも身体が安定しにくいため、インナーマッスルを鍛える効果もあります。
3-2.身体をたくましく見せる!ナロースタンススクワット
逆に足の幅を小さくしたスクワットが「ナロースタンススクワット」です。
ナロースタンススクワットは足の裏側への負荷が少ない反面、大腿四頭筋に負荷がかかるトレーニング。
大腿四頭筋は身体を正面から見たときの印象に関わるため、自分をたくましく見せたいという場合には、ぜひ鍛えておきたい筋肉です。
3-3.お尻を引き締める!シングルレングススクワット
一方、お尻をしっかりと鍛えたい場合、シングルレッグスクワットがおすすめです。
シングルレッグスクワットのやり方は、まず自分の後ろに膝の高さのベンチやイスなどを用意します。
自分は正面に向かって立ち、片足を上げて足の甲をベンチに乗せます。
身体が安定したら、ベンチに乗っていないほうの足をゆっくりと曲げていき、そのまま元に戻ります。
このとき、大臀筋に意識を集中することが必要。
普段、あまり運動する習慣がない人の場合、なかなか大臀筋を意識する機会がないため、最初は安定するのが難しいかもしれません。
その場合は膝を曲げる角度を浅いところで止めて、少しずつ深くしていくようにしましょう。
シングルレッグスクワットを行うとき、ベンチに乗せた足に力が入ってしまうこともありますが、そうなると効率よく大臀筋に負荷をかけることができません。
その場合は、ベンチに乗せた足から力を抜いてトレーニングを行うと、正しく筋肉に負荷を与えることができます。
3-4.手軽にできる!ベンチスクワット
もし、これまでスポーツやトレーニングの経験がない場合や筋力が低下している場合などは、ベンチスクワットが適しています。
ベンチスクワットはベンチを利用したスクワットのやり方です。
ベンチスクワットのやり方はベンチに座り、肩幅程度に足を開き、そのまま立ち上がります。
その後、腰をゆっくり落とし、再びベンチに座ります。
ベンチスクワットは基本的には通常のスクワットと変わりませんが、ベンチがあるという安心感があるだけでなく、フォームも崩れにくいというメリットがあります。
また、ベンチスクワットはベンチのサポートがあるため、足首が固くて腰を落とすことができないという人にも最適です。
もしベンチがない場合、ひざの高さ程度のやや低めのイスでも応用が可能。
ただし、単に座ってしまうだけでなく、しっかりと背筋を伸ばし、ベンチに座る前には少しお尻を宙に浮かせてキープすると、効率よく下半身を鍛えることができます。
3-5.応用編!スプリットスクワット
逆にトレーニング経験がある場合や、通常のスクワットでは物足りなくなってきたという場合には、スプリットスクワットがおすすめです。
スプリットスクワットは足を前後に開いて行うスクワットで、前に出した足を曲げて腰を落としていきます。
通常のスクワットに比べると、より腰を深く落とすことができるため、運動強度がアップ。
さらに大臀筋と大腿四頭筋に大きな負荷をかけることができます。
スプリットスクワットを行うときは、後ろに置いた足のかかとを浮かせることと、ひざをまっすぐ正面に向けることが必要です。
もし足が外側や内側に向いてしまうと、力が左右に逃げてしまうだけでなく、体重がかかることでひざを痛める可能性もあります。
また、バランスが崩れやすいため、ついつい背中が曲がってしまいがちですが、背中を曲げてスクワットを行うと腰に負荷が集中し、腰を痛める可能性もあるため注意が必要です。
(おすすめ記事→自宅で筋トレ!!話題沸騰のクロスフィットトレーニングとは?)
3-6.強い負荷で筋力アップ!シシースクワット・ジャンプスクワット
さらに強い負荷が欲しいという場合には「シシースクワット」が最適なトレーニングです。
シシースクワットを行うとき、まず足を肩幅に広げます。
その後、ひざを前に出すように身体を沈めていきますが、このとき、身体は後ろに傾けるように注意しましょう。
そのまま腰を落とし、ゆっくり膝を四十五度程度まで曲げたら、元のポジションに戻ります。
シシースクワットは身体が後傾となるため、バランスを取るのが非常に難しいトレーニングなので、最初は壁やテーブルなど、片手で身体を支えながら行うのがよいでしょう。
また、スプリットスクワット同様、背中が曲がらないように注意が必要です。
ほかにも、ハードな負荷が必要という場合にはジャンプスクワットも効果的です。
ジャンプスクワットは通常のスクワットにジャンプの要素が加わるため、大腿四頭筋だけでなく、下腿三頭筋や腹筋にも効果があります。
ジャンプスクワットは通常のスクワットと同じポジションで行い、ひざを曲げて腰を落としていきます。
ひざの角度が床と平行になったら、そこから伸びあがるようにジャンプします。
このとき、しっかりとジャンプするのが重要。
着地した後は、再び腰を落としてジャンプを繰り返します。
ジャンプスクワットを行うときには、落下するときの勢いで腰を落としてしまいがちですが、そのとき、できるだけゆっくりした動作で行うことが必要です。
また、ジャンプのときにはどうしても手が動いてしまいますが、手の反動を使わず、しっかり足を使ってジャンプしましょう。
4.スクワットをするときの注意点
スクワットは非常に効果の高いトレーニングメニューですが、ひざを痛める可能性があります。
そのため、スクワットをするときにはひざと足先の向きは同じ方向に揃えるように注意しましょう。
また、腰を落とすときにはつま先よりひざが前に出ないようなイメージで行うことが重要です。
さらに、トレーニング後はしっかりとストレッチを行い、筋肉と関節のケアを行うことも必要になります。
そのほか、トレーニングを続けているとどうしても疲労がたまってしまうため、ケガを避ける意味でも、しっかりと休息をとることもスクワットを行うときの秘訣です。
まとめ
自宅で簡単にできるスクワット。
自分にあった運動強度で、基礎代謝アップができます。
怪我をしないように、適度に運動しましょう。
T.Ttally
最新記事 by T.Ttally (全て見る)
- 放置すると命の危険も!ストレス性動悸とは - 2019年4月4日
- どうすればいい?ストレスで起きる頭痛の対処法 - 2019年3月29日
- 満足しながら痩せられる!豆類ダイエットの効果とは - 2019年3月21日
- 初心者でも安心!自宅で行う一週間筋トレ法! - 2019年3月14日
- 見た目の印象を変えたいなら!顔痩せダイエット徹底解剖 - 2018年11月22日