食生活が乱れがちな30〜40代。
病気を予防したり、健康を増進したりするといわれているトクホは特定保健用食品と呼ばれ、医学的、栄養学的に健康効果が立証された食品です。
といっても「本当に効果があるの?」という声も。
トクホの効果と安全性、注意点などをご紹介しましょう。
1.トクホがつくられた理由とは?
コンビニやスーパーなどで見かけるトクホ許可マークの商品。
「お腹の調子を良くしたい」「血圧を下げたい」「コレステロール値を下げたい」など健康が気になる人などに人気です。
ほかの商品よりも少し値段は高いのですが「これで良くなるなら…」と購入する人もいるでしょう。
そもそも、食品には3つの機能があるといわれています。
① エネルギーや体をつくる栄養機能
② 味を楽しませる味覚機能
③ 健康を維持して老化を防止する体調調節機能
トクホはこのうち3つ目の体調調節機能に注目して加工された食品です。
一般に、病気予防や健康増進をうたった商品が多くあります。
しかしながら、中には実際に効果や安全性が保証されていないものも広く出回っているのも事実。
例えば以下のような名前の食品です。
・健康食品
・健康補助食品
・栄養補助食品
・栄養強化食品
・栄養調整食品
・健康飲料
・サプリメント
これらは、現時点で有効性や安全性、必要性について科学的根拠が明らかではないものです。
また、含まれている成分も不明なものが多いでしょう。
どれだけのものをどのように利用したら良いのかも分かっていません。
そのため、科学的に効果が立証された食品の必要性に応える形で生まれたのがトクホです。
「特定保健用食品」制度が創設されたのは1991年。
発足当初は厚生省(のちの厚生労働省)の管轄でした。
その後、2009年9月1日から新たに消費者庁が担当することになり、健康増進法が法的根拠となっています。
2.トクホの効果とは?
2-1.医学的・栄養学的・安全性が保証されている
トクホは一定の科学的な根拠(エビデンス)を持つことが認められた食品です。
実際に、動物や人による実験結果や臨床データに基づいています。
しかも、この臨床試験は二重盲検法と呼ばれる厳しいヒト臨床試験。
素材そのものに有効性があっても、製品形態が異なるなら吸収度も異なるため、一つ一つの製品に対して義務付けられているのです。
このように、医学的・栄養学的にも健康効果が立証されています。
また安全性についても、厳格な基準のもとに確認しています。
疾病リスク低減表示トクホ、規格基準型トクホ、条件付きトクホの3つがあり、厚生労働省や食品安全委員会の審査を経ることになっています。
ちなみに、一般の食品は健康効果などをラベルや広告などでうたうことは法律で禁止されています。
しかしながら、トクホはその効果をはっきり記しており、かつ許可マークが表示されていますのでその違いは明確です。
(おすすめ記事→脂肪肝に良い食事とは?知っておきたい5つのポイント)
2-2.副作用がなくほぼすべての人に効果がみられる
確かな健康効果があるといわれるトクホ。
通常、健康食品はその効果に個人差がみられるのが普通です。
しかしながら、トクホは摂取したほとんどすべての人に病気の予防や健康の増進などの効果が期待できます。
実際に、消費者庁の審査を受けたとき「表示したい機能性に関する好ましいデータが、統計的に有意な差をもって得られた」という事実をもとに合格しているからです。
ただし、オリゴ糖の働きなどは下痢を起こしやすいといったことがあります。
最も体調に合う成分については体質などによって異なることがあるからです。
3.トクホの効果についての不安とは?
3-1.過去に販売停止になった商品がある理由とは?
重ねてお伝えしますが、トクホの効果については立証されています。
しかしながら、以前に販売停止になった商品等があるため不安を抱く人もいます。
例えば、「体に脂肪がつきにくい」というキャッチフレーズでヒットした食用油の「エコナ」。
花王が製造して販売したのですが、発がん性があるという理由で2009年9月、販売停止になりました。
エコナの主成分はジアシルグリセロールと呼ばれるDAGという物質。
一般の食用油には数%しか含まれていないのに対し、エコナは80%以上という高濃度です。
実は、エコナの製造時、脱臭効果のために行う加熱処理でDAGの何割かが変化して、体内で発がん性不安の原因となる物質になってしまうのです。
「なぜ、認可されていたものが禁止に?」と疑問が起こりますね。
確かに、トクホの食品は厚生労働省や食品安全委員会の判断のもとに認可審査されます。
ただし、このときなされる検査は委員会が独自で実施したものではなく、メーカー側が提出したデータに基づいたもの。
つまり、もしメーカーが自分の都合の良いデータだけを提出した場合、そのデータをもとに認可されてしまう可能性があるでしょう。
3-2.過去に誇大表示や広告が勧告された商品がある理由とは?
おさえておきたい点ですが、トクホの表示について「ウソを書いている」ということはありません。
しかしながら、以前に健康効果について著しく誤認させるような表示があったとして勧告を受けた商品があるため、疑問を抱く人もいます。
例えば、2016年3月1日に勧告を受けたのがトマト酢生活を販売する会社です。
「薬に頼らずに」「血圧低下作用」という記述が問題とされ、その後変更されました。
ある人は広告の効果を表すために使っている線グラフについて、「実質的な意味を冷静に考えないなら、視覚効果によって惑わされる」と感じることがあるかもしれません。
商品パッケージに記載が義務付けられている「摂取上の注意」について、インターネット上の広告には「見つけることができなかった」いう場合もあります。
しかしながら繰り返しになりますが、ヒトを対象とした実験によって「表示したい機能性に関する好ましいデータの有意差」が得られていることは事実です。
4.トクホの効果を上手に活用する方法とは?
4-1.効果がでるとり方とは?
トクホの食品は日常の食事に手軽に取り入れることができる便利なものです。
飲料や調味料、デザートなど毎日の食事に加えやすい食品が多くなっています。
また、血圧を下げたり、コレステロールを下げたりするなど、用途に合わせて各項目に分かれていますので、自分が管理したい体調に合わせて、日常の食品をトクホに変えてとることができるでしょう。
ポイントは薬のように食事とは別にとるというわけではないこと。
商品ラベルに記載されている適量を、継続的にとることで効果を期待できます。
(人気記事→まずは食生活の見直しを!LDL(悪玉)コレステロールを下げる9の食事方法)
4-2.注意点とは?
トクホは自分の症状に合ったものを選ぶことが重要です。
もし、間違って違う症状に合うものをとったとしても、すぐに健康を害するということはありませんが、きちんと表示を確認して活用しましょう。
また病気の治療に替わるものではありませんし、多くとればとるほど効果が倍増するというわけでもありません。
あくまでも食品ですので、薬のようにすぐに効果あらわれるといった即効性もないでしょう。
効果を自覚できるまでには人によって少なくとも1カ月以上、あるいは3カ月以上かかることもあります。
トクホの商品パッケージに必ず記載されている「摂取上の注意」に従ってとりましょう。
【参考文献】
「[最新版]家庭でできる食品添加物・農薬を落とす方法」/増尾清 著/株式会社 PHP研究所
「『健康食品』ウソ・ホント/高橋久仁子 著/株式会社 講談社
「100歳まで元気人生!『病気予防』百科」/渡邊昌・和田攻 総監修/株式会社 日本医療企画
「機能性食品ガイド」/吉川敏一・辻智子 編著/株式会社 講談社
「食べて治す・防ぐ医学事典」/日野原重明 総監修/株式会社 講談社
まとめ
厚生労働大臣の許可を得て、厚生労働省によって認定されているトクホの効果。
2005年から「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」という表示も義務づけられています。
食事や生活の良い習慣を保ちながら、トクホを上手に活用してくださいね。
HANA
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