ダイエットにも精力アップにも!注目の栄養素「アルギニン」&「シトルリン」

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男性にとって、三十代を過ぎると「なんだか疲れた」「元気がなくなった」と感じることが増えるもの。

同時に、気になるのが体脂肪や体重増加。
実はこれらの悩みを一気に解決してくれる栄養素が存在します。

それが「アルギニン」と「シトルリン」。
今回は男性が注目すべき栄養素、「アルギニン」&「シトルリン」についてご紹介します。

1.アルギニンとは?

アルギニンとは、天然に存在しているアミノ酸のことで、正式には「2-アミノ-5-グアニジノペンタン酸」と呼ばれるものです。

このアルギニンには男性の身体の機能をアップさせたり性機能を高めたりといった様々な役割があります。

その働きを見ていく前に、まずはアミノ酸の基本についてご紹介しましょう。

2.アミノ酸とは?

ダイエットや筋トレに興味ある方の中には、「アミノ酸」という言葉を聞いたことがあるという人も多いかもしれません。

ではこのアミノ酸とは、実際にはどのようなものなのでしょうか。

アミノ酸とは、簡単に言うとたんぱく質の一種です。
たんぱく質は様々な物質から構成されていますが、その中でも重要な役割を果たしているのがアミノ酸です。

人間がたんぱく質を摂取したとき、たんぱく質は一度身体が吸収しやすいような形に分解されます。
それらは約20種類の成分に分解されますが、この分類された成分がいわゆるアミノ酸と呼ばれるものです。

このアミノ酸のうち11種類は体内で合成できるものですが、残りの9種類は体内で合成ができず、そのため食事などから必ず取り入れる必要があります。

なお、体内で合成できるものは非必須アミノ酸、合成できないものを必須アミノ酸と呼ばれています。
また、アミノ酸の中には、体内で身体に取り入れやすいたんぱく質として合成されたもののほかに、血液や細胞の内部に蓄えられているものも存在します。

これらは遊離アミノ酸と呼ばれるもので、この遊離アミノ酸も生命活動を維持するために非常に重要な存在となっています。

アミノ酸は筋肉だけでなく、内臓や皮膚、髪、血液など、人間の身体の材料となるもの。
また、免疫機能にも大きな影響を与えるため、これらのアミノ酸を正しく補給することが必要になります。

3.アミノ酸は生命の源

ひとくちにアミノ酸といっても、その種類は非常に豊富です。

人間の身体の中にあるたんぱく質を構成しているものだけでも20種類、自然界にはなんと500を超える種類のアミノ酸が存在していると言われています。

このアミノ酸のルーツには様々な説がありますが、隕石の中や化石からも発見されることもあり、現在では生命の源であると考えられるようになっています。

4.アルギニンの働きとは?

アミノ酸は人間の生命活動には非常に重要な存在です。
では、アミノ酸の一種であるアルギニンは、その中ではどのような役割を果たしているのでしょうか。

アミノ酸の一種であるアルギニンは、非必須アミノ酸。
つまり、人間の身体の中で合成が可能なアミノ酸ですが、実際には身体の中で作り出せる量はごく微量なため、どうしても不足しがちです。

そのため、条件付きアミノ酸、準必須アミノ酸と言われることもあります。
このアルギニンは非常に多くの役割を果たすことで知られています。

4-1.成長ホルモンを分泌

アルギニンの大きな役割のひとつに、成長ホルモンの分泌があります。

成長ホルモンは脳の一部である脳下垂体から分泌されるホルモンで、成長期には身長を伸ばす、身体を大きくするなど非常に重要な役割がありますが、成長ホルモンは成長期だけに必要というわけではありません。

成長ホルモンの重要な役割のひとつが、筋肉を作り出すことです。
筋肉はトレーニングなどによって繊維に傷が入り、それを修復する過程で以前より大きくなることで成長していきます。

このときに働くのが成長ホルモンです。

もし成長ホルモンが不足していると、たとえどれほど筋肉トレーニングを行い、たんぱく質を補給しても筋肉を大きくすることはできなくなってしまいます。

中年になり筋肉が衰えやすくなるのは運動不足が原因となることもありますが、実は成長ホルモンの分泌量が減ることも大きな原因です。

さらに、成長ホルモンは脂肪にも重要な働きを持っています。

脂肪は使いきれなかったカロリーが変換されて体内に蓄えられているもので、ダイエットなどを行う場合、運動や食事制限などによって溜まった脂肪を燃焼させることが必要になります。

このとき、脂肪を分解するのが成長ホルモンの役割です。

特に内臓脂肪を分解させるときには成長ホルモンが大きな役割を果たすため、成長ホルモンが不足するとどうしても脂肪を燃焼させることが難しくなってしまいます。

同時に、成長ホルモンは食欲にも影響を与えます。

現在では成長ホルモンは食欲を抑える働きがあると考えられています。
実際に食欲をコントロールする薬で、過度の肥満治療に使用される食欲抑制剤にも成長ホルモンの分泌を促すアルギニンが加えられています。

つまり、アルギニンが不足すると成長ホルモンの分泌量も低下、筋肉が減少、脂肪も燃焼しやすいため太りやすく痩せにくい身体になってしまいます。

4-2.免疫力&疲労回復効果

三十代から四十代の男性の中には、最近風邪を引きやすい、疲れやすいという悩みを抱えている方も少なくありませんが、アルギニンはこれら免疫力のアップや疲労回復にも大きな影響を与えます。

アルギニンは体内に入ると免疫細胞に働きかけ、免疫細胞を強化します。
そのため、ウイルスや細菌などが侵入しても病気になりにくい身体を作ることができます。

また、アルギニンは血中のアンモニア濃度にも影響を与えます。

血中のアンモニア濃度は高くなると疲労を感じるため、アルギニンによって血中アンモニア濃度が抑えられるということは疲れにくく、そして疲れから回復しやすいと考えることができます。

4-3.男性の性機能アップ

アルギニンの効果の中でも注目されているのが、体内での一酸化窒素の増加です。

一酸化窒素は血管を拡張させ血流をアップさせる効果がありますが、この影響を受けやすいのが男性の性機能です。

男性の場合、性機能には血管の血流が大きな影響を与えています。
たとえば中年になって性機能に自信がなくなった、EDになってしまったという場合その原因が血管にあることが少なくありません。

特に男性器周辺の血管は、脳や心臓などの太い血管と比べると細いものが多く、加齢などによって柔軟性が失われやすい場所です。
そのため、血流が不足して男性の性機能が低下することもあります。

しかし、アルギニンを摂取することにより体内の一酸化窒素濃度が上昇すると、血管が拡張しやすくなり衰えた男性の性機能を回復する効果も期待できます。

当然、一酸化窒素の効果は男性の性機能だけではなく、脳や心臓といったそのほかの場所の血管にも作用とするため、結果として脳梗塞や心筋梗塞といった生活習慣病の予防にも役立ちます。

その他、アルギニンには皮膚の角質を保護する効果などもあります。

見た目年齢にも重要な影響を与えるため、身体の衰えや老化が気になるという男性にとって、積極的に摂取すべき栄養素ということができます。

5.アルギニンの摂取法

では、アルギニンはどのように摂取すべきなのでしょうか。

他の栄養素と同様、アルギニンもまずは普段の食事にプラスしていく必要があります。

普段の食事は、身体の基礎を作る上で非常に重要です。
サプリなどを利用することに加えて、食事を改善することでさらなる効果が期待できます。

5-1.ふりかけ

アルギニンは、乾燥させた保存食に多く含まれています。
たとえば、湯葉や鰹節、落花生、大豆、ゴマ煮干しなどがその代表的なもの。

これらの食品はどうしても外食などで食べる機会も少ないため、結果としてアルギニンも不足しがちになります。

その場合、家庭での食事が重要。
ただし、なかなか自分では料理をしないという男性の方も少なくないはず。

そんなときにおすすめなのが「ふりかけ」です。
鰹節やゴマ、煮干しなどをミルミキサーに掛けて粉砕すれば、それだけで立派なふりかけになります。

特にふりかけは常備しておけばすぐに使えるため、気軽にアルギニンを補給することができます。

5-2.ゼラチンやきな粉

また、アルギニン補給を行う上で、おすすめしたいのが「ゼラチン」です。
実はゼラチンはアルギニンの含有量が豊富な食品。

例えば大豆に比べると、三杯以上の量が含まれています。
といってもゼラチンを摂取するのはなかなか難しいもの。

そんなときには、粉ゼラチンが便利です。
粉ゼラチンをスープや味噌汁、飲み物などに少量混ぜるだけで、普段からアルギニンの摂取を行うことができます。

同様に便利なのがきな粉です。

きな粉は大豆を砕いた粉なので、こちらもアルギニンが豊富な食材。
粉末なので水に混ぜやすいため、こまめなアルギニンの補給を行うことができます。

6.アルギニンを補給するタイミングは?

様々な効果があるアルギニンですが、サプリなどで補給する場合、最適なタイミングはあるのでしょうか。

すでに説明した通り、アルギニンは成長ホルモンの分泌と大きな関わりがあります。
そのため、成長ホルモンが分泌される前にアルギニンを補給しておくと、より効果的に成長ホルモンの分泌を促すことができます。

成長ホルモンがもっとも分泌されるのは夜の就寝時です。
そのため、就寝前にアルギニンを摂取するのがおすすめです。

アルギニンには脂肪を燃焼する効果もあるため、ダイエットの観点からも効果が期待できるでしょう。
また、アルギニンには疲労回復効果も期待できるため、運動の前後に摂取するというのもよい方法です。

7.シトルリンとは

アルギニンと同様に、現在大きな注目を集めているのがシトルリンです。
では、シトルリンとはどのようなものなのでしょうか。

シトルリンは遊離アミノ酸の一種。
すでに説明したように、遊離アミノ酸とはたんぱく質を合成するのではなく、血管などに存在しているアミノ酸で体内を循環、様々な効果をもたらしています。

特にシトルリンが働くのが、アンモニアから尿素を生成する尿素回路と言われる部分です。

8.シトルリンの効果

シトルリンもアルギニンと同じく、様々な効果をもたらしてくれます。
特にシトルリンの効果の中で重要なのが、冷えやむくみの解消です。

というのも、シトルリンは尿素回路で重要な役割を果たしますが、この回路の大きな役割に老廃物や水分の排出があります。

冷えやむくみは、血液の循環が悪化することで不要な水分や老廃物が身体に溜まって起こるもの。
そのため、シトルリンを摂取すると不要な水分と老廃物の排出を促し、結果として冷えやむくみの解消の効果があります。

そのほかにも、シトルリンは筋力アップや疲労回復、男性機能の改善などの効果が期待できます。

9.シトルリンとアルギニンの関係

シトルリンの効果を見た方の中には、アルギニンとあまり効果が変わらないと思った方も少なくないかもしれません。

それもそのはず、実はシトルリンとアルギニンには密接な関係があります。

というのも、体内のシトルリン量が増加すると同時にアルギニンの量もアップ、その結果アルギニンがもたらす効果をさらに高めてくれるのです。

それなら、シトルリンではなくアルギニンを摂取すればいいのでは?そう考える方もいらっしゃるでしょう。
では、シトルリンとアルギニンにはどのような違いがあるのでしょうか。

シトルリンとアルギニンの大きな違いが、体内への吸収力の違いです。

アルギニンの場合、多くは肝臓で作用して残りもほとんどが腸で代謝してしまうため、なかなか身体に吸収することができません。

しかし、シトルリンは肝臓や腸で代謝されることがなく、体内に吸収されやすいため、結果としてアルギニンをより多く活用することができます。
その際、シトルリンとアルギニンを同時に摂取すると、相乗効果によって単体で摂取したときより効果的に作用するとも言われています。

シトルリンは、スイカやメロン、キュウリなどウリ科の植物に多く含まれています。
ただし、季節によってなかなか手に入らないという場合もあるため、サプリメントなどの活用がおすすめです。

アルギニンとシトルリン

まとめ

アルギニンとシトルリンは、いつまでも若々しくいたいという男性にとってはうれしい効果が多いアミノ酸。

毎日意識して摂取したいものですが、食事ではなかなか十分な量を補給することができません。

できるだけ食事で補給しつつ、サプリメントなどを活用するのがおすすめの方法と言えるでしょう。

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T.Ttally

T.Ttally

食べたい欲望や体の衰えと戦うアラフォーライター。日夜新しいトレーニングやダイエットレシピなどを自ら実践、紹介しています。
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