筋トレによるトレーニング効果を上げるため、筋トレを行ってすぐにプロテインを飲んでいる人は多いでしょう。
しかし、きちんとプロテインを飲んでいるのに今ひとつ体型が変わらない…。
そんな場合にはプロテインは足りていてもそのほかの栄養素が不足しているのかもしれません。
1.なぜ筋トレにはプロテインが必要なのか?
ダイエットや筋トレのときに欠かせないプロテインですが、そもそもプロテインとはどのようなものなのでしょう?
また、なぜプロテインを摂取すると筋肉が大きくなるのでしょうか。
1-1プロテインのメリットとは
プロテインは筋トレのための特殊なサプリメントだと思われがちですが、もともとのプロテインの意味は「たんぱく質」です。
そのたんぱく質を摂取しやすく、吸収しやすい形に加工したのがプロテインパウダーです。
プロテインパウダーには様々な種類があり、代表的なものが牛乳から精製されたホエイプロテインやカゼインプロテイン、大豆を原料に使用したソイプロテインです。
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それぞれ、味や吸収の速度などには違いはありますが、共通するのはカロリーが低いということ。
たんぱく質は天然の食品にも含まれていますが、量を取ろうとするとどうしてもカロリーが過剰になってしまい、筋肉も大きくなるけれど、脂肪も増えてしまうということになります。
また、食事として摂取する場合には、どうしても量が増えてしまうこともあります。
しかし、プロテインパウダーの場合、最低限のカロリーで多くのたんぱく質を補給することができるため、筋肉トレーニングとダイエットにぴったりの存在なのです。
1-2.プロテインで筋肉が大きくなる仕組み
それでは、なぜたんぱく質を摂取すると筋肉が大きくなるのでしょうか。
それは筋肉が元々持っている「超回復」という性質と関係があります。
筋肉というのは、筋繊維という細かな繊維の集まりです。
この筋繊維は大きな力が加わると、切断したり、ヒビが入ったりすることがあります。
しかし、人間の身体には破損した部分を直そうという特徴があります。
一度破損した部分は修復されたときに以前より太く、大きくなり同じ破損を繰り返さないようになります。
これが「超回復」のメカニズムです。
一度壊れた筋繊維が修復を繰り返すことで大きくなり、その結果筋肉全体が太くなり、たくましい身体に変化していきます。
しかし、壊れた筋肉を補修するためには、その材料が必要です。
このとき補修のための材料として使われるのがたんぱく質。
つまり、たんぱく質がなければ壊れた筋肉を補修することができず、結果として筋トレをしてもまったく筋肉が成長しないという事態になってしまいます。
1-3.プロテインを摂取するタイミング
このように、筋トレをするときにはたんぱく質の補給が必須条件となりますが、一般的にはたんぱく質の補給は「トレーニング後30分以内」と言われています。
これは筋トレによって壊れた筋肉が超回復を行おうと栄養を取りこみやすい状態になっているからです。
つまり、筋肉を補修するための材料を身体が求めている状態です。
このゴールデンタイムにプロテインを補給すると、効率よく身体を作ることが可能です。
ちなみに、牛乳から作られたホエイプロテインは体内への吸収が早いことが特徴なので、筋トレ後30分以内に補給を行うのに最適だと言われています。
また、筋肉が超回復を行う上で大切になるのが睡眠です。
眠っている間は、成長ホルモンが分泌されることで筋肉の補修が進み、さらに大きくなるためのチャンスとなります。
そのため、夕食や就寝前にプロテインを補給しておくと、効果的に超回復を進めることができます。
牛乳を加工したカゼインプロテインや、大豆を原料としたソイプロテインは吸収が穏やかなので睡眠中のたんぱく質補給に向いています。
このほかにも、エネルギーが不足した場合、身体は筋肉を分解してエネルギー源に変えてしまうことがあるため、食事と食事の間にもプロテインの補給を行うとよいでしょう。
2.プロテインを取っても筋肉が大きくならない!
しかし、しっかりとプロテインを補給しているはずなのに筋肉が大きくならないということも少なくありません。
その場合には、プロテイン以外の栄養素が不足している可能性があります。
その栄養素とは、炭水化物です。
2-1.筋トレとダイエットに炭水化物が必要な理由
低糖質ダイエットが人気ということもあり、炭水化物といえばダイエットや筋トレには不要なものだと思われています。
しかし、実は炭水化物こそダイエットや筋トレの成功のカギを握る存在なのです。
・炭水化物は栄養の運び屋
トレーニングによって筋肉の成長を促すためには、超回復のプロセスが必要なのはすでに説明した通りです。
その材料にたんぱく質が使われることも述べておきました。
しかし、実はたんぱく質が足りていても、筋肉が成長しないことがあります。
というのは、超回復を行うためには筋肉が壊れた現場まで、材料となるたんぱく質を運ぶ存在が必要だからです。
それを行うのが「インシュリン」です。
インシュリンは膵臓から分泌される物質で、体内に取り入れた栄養素を必要となる場所まで運搬する仕事を行っています。
またインシュリンはたんぱく質の合成を促進、トレーニングによって起きる超回復をサポートしてくれます。
そしてこのインシュリンが分泌されるスイッチになるのが炭水化物。
つまり炭水化物が不足すると、どれだけ十分なタンパク質を摂取していたとしても、それが筋肉にまで届かず正常な超回復が行われません。
さらにそれだけでなく、余ったたんぱく質は脂肪に変換されて、身体の中にとどまってしまいます。
そのため、炭水化物は筋トレとダイエットには絶対に必要な存在ということができます。
・炭水化物が不足すると筋肉が分解?
筋トレを行う目的は、筋肉の量を増やすこと。
筋肉の量が増えれば基礎代謝が増加し、じっとしていても消費するカロリーも増えることになり、ダイエットにも効果的です。
そのために筋トレを行いますが、トレーニングを行うときには身体を動かすエネルギー源となるものが必要です。
もちろん、身体にため込んだ脂肪などもエネルギー源として使用されますが、それよりも効率がいいのが食べ物から摂取した炭水化物です。
炭水化物はエネルギーの効率がいいため、すぐに身体を動かすための原料となり役割を果たします。
一方、脂肪はなかなか燃料に変わりにくく、身体を動かし始めてからある程度の時間が経たないと、エネルギーに変わってくれません。
もし食べ物に含まれる炭水化物が少ない場合、身体は脂肪がエネルギーに変わるまでの間、別のものをエネルギー源にしなければいけません。
そして身体がエネルギー源としてターゲットとなるのが、すでにある筋肉。
筋肉はたんぱく質で出来ているためエネルギーの効率がよく、すぐに燃料となってくれるため、身体は筋肉を分解してエネルギー源にしようとします。
つまり、筋肉を減らしながら筋肉をつけるトレーニングを行っていることになります。
それではどれだけ一生懸命に筋トレをしても筋肉は発達しません。
2-2.筋肉が増えないのはテストステロン不足かも?
プロテインは低カロリーで飲みやすく、たんぱく質の補給には最適ですが筋肉はたんぱく質だけでは大きくなりません。
筋肉を大きくするためには「テストステロン」というホルモンも重要な役割を果たしています。
・テストステロンとは?
テストステロンとは男性ホルモンの一種で、筋肉の成長を促進する筋トレやダイエットには非常に重要となる物質です。
男性の場合は精巣で作られるホルモンで、筋肉を大きくする以外にも、脂肪を燃焼しやすくしたり、血糖値や血圧を下げたりする効果もあると言われています。
(関連記事→テストステロンは男の必須ホルモン!知るべき働きと筋トレで増やす方法)
テストステロンは身体を動かすことでも分泌され筋トレによって増加することもありますが、一方ではストレスや生活習慣の影響を受けやすく加齢や睡眠不足、不規則な生活によって減少するとも言われています。
テストステロンを増加させるにはバランスの取れた食事に加えて、特定のビタミンやミネラル、栄養素の摂取が必要です。
・テストステロンを増加させる食事
まず、テストステロンの生産に大きな影響があるのは亜鉛です。
亜鉛は細胞の分裂や生殖機能の向上、免疫力のアップなどにも関わっていますが、不足すると味覚障害などのほか、テストステロンの分泌量も少なくなってしまいます。
亜鉛を含む食品の代表は牡蠣。
そのほか、牛肉や豚肉、チーズ レバーなどにも多く含まれています。
また、テストステロンを高めるにはケセルチンも大きな役割を果たしています。
これはテストステロンの排出を抑える効果があり、ネギ類やニンニクに多く含まれています。
特に即効性が期待できるため、積極的に摂取したい食品です。
さらに重要なのが「脂質」です。
脂質は太る原因になるものとしてつい避けてしまいですが、脂質が欠乏するとスムーズにテストステロンが生産できなくなります。
とくに飽和脂肪酸が少ない食事を取り続けると、テストステロンが低下しやすくなるため注意が必要です。
オイルではオリーブオイル、ココナッツオイル、食品ではアボカドやアーモンド、肉類などは積極的に摂取したほうがよいでしょう。
また、アルコールはテストステロンの生産を低下させることが知られているため、筋トレやダイエットの最中には避けたほうがいいでしょう。
それ以外にも、緑茶と大豆を同時に摂取すると、テストステロンの生成が阻害されてしまうため、食事以外にも大豆に由来するソイプロテインを愛用していると言う人は注意したほうがよいでしょう。
2-3.ビタミン類の摂取も欠かさずに
筋肉はたんぱく質によって作られますが、実はたんぱく質を構成しているのは約20種類のアミノ酸です。
これらアミノ酸は体内で作られる「非必須アミノ酸」と、身体の外から補給しなければいけない「必須アミノ酸」に分類されます。
特に筋肉を作るためには「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」というBCAAアミノ酸が重要な役割を果たしています。
これらの必須アミノ酸が不足すると、筋肉の分解が促進してしまうため、筋トレには欠かせないアミノ酸と言われています。
(おすすめ記事→BCAAは筋トレに絶対欠かせない!!無駄な筋トレをしないためにアミノ酸BCAAを摂ろう)
ただし、これらのBCAAアミノ酸はもともとプロテインパウダーに含まれていることも多いため、それほど大きな問題になることはありません。
それより大きな問題になるのがビタミンやミネラルの不足です。
・たんぱく質をアミノ酸に変えるビタミンB
筋肉が一度壊れて、超回復が起きるとき、たんぱく質が補修のための材料に用いられますが、実はたんぱく質はそのままの形では筋肉にはなりません。
摂取したたんぱく質は、一度アミノ酸の形に分解しなければ超回復の材料としては使用できないのです。
そしてたんぱく質をアミノ酸の形に分解するときに必要なのがビタミンB群。
特にビタミンB6はその中心的な役割を果たしています。
ビタミンB6はかつおやまぐろなどの魚類、レバー、肉類などに多く含まれています。
そのほか、バナナにも多く含まれているため、トレーニング中やトレーニング前に摂取しておくとたんぱく質を効果的に筋肉に変えてくれるでしょう。
反対にトレーニング前にビタミンB6が不足していると、どれだけプロテインを取っていてもそれが筋肉に変わらず、身体の中を素通りしてしまうということになってしまいます。
・筋トレにはミネラルも必要
カルシウムやカリウム、ナトリウムなどのミネラルも、効果的な筋トレには必要な栄養素です。
これらはたんぱく質やビタミンとは異なり、筋肉の動きにとって必要なものです。
たとえばカリウムやカルシウムなどは筋肉の収縮にとって必要なもの。
もしこれらが不足した場合には、筋肉が正しい動きができなかったり、場合によっては筋肉がけいれんして、事故や怪我の原因となってしまいます。
また、鉄分はヘモグロビンとして血液を通じて酸素を全身に供給する役割を果たしています。
そのため、鉄分が不足すると筋肉が酸欠の状態になってしまいます。
これらのミネラル分は汗からも出ていってしまうため、意識して摂取することが重要になります。
まとめ
プロテインだけしっかり飲んでいても、筋肉を動かし作るためには様々な栄養素が必要になります。
これらはサプリメントでも補給することができますが、やはり一番は食事です。
毎日の食事に気を配ることが筋トレとダイエット成功の近道です。
T.Ttally
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