美しい身体づくりに必要なのは、ただ体重や体脂肪を落とすだけではなく、いつも動けるパフォーマンスの高い筋肉を目指すこと。
とはいえ、いつもの筋トレだけではなかなか理想の身体にたどり着くのは難しいものです。
同じメニューを続けていると飽きも来るし、いかにも筋トレをして作ったという身体になってしまいがちです。
そんな人におすすめなのがクロスフィットトレーニングです。
1.クロスフィットトレーニングとは
クロスフィットトレーニングはアメリカで誕生したトレーニングです。
警察のトレーニングを担当していたグレッグ・グラスマンによって生み出されました。
当初は警察を始め、軍のサバイバルトレーニングなどに導入されていましたが、スポーツのパフォーマンス向上や健康維持などに高い効果があるため、あっという間に世界中に広がりました。
今では世界中で13,000を超える専用ジムがあり、日本でもブームを迎えつつあります。
クロスフィットトレーニングの特徴は、単に筋肉をつけたり、体重を落としたりすることが目的ではなく、動ける身体づくりをするということです。
クロスフィットトレーニングでは「ファンクショナルムーブメント」と呼ばれている「歩く、走る、起き上がる、拾う」などの日常動作を中心に、毎回異なったトレーニングをそれぞれ高い強度で短時間行います。
短い時間でメニューも変わることから、飽きることなく集中してトレーニングを行うことができます。
さらに自分を追い込む「高強度の運動を行う」ということもクロスフィットトレーニングのキモです。
しっかりスケジュールを立てて一年間にわたって行うダイエットも自分との戦いという点では同じことですが、期間が長くなるとどうしてもモチベーションを保つのが難しく、中だるみの時期が生まれがちですよね。
しかしクロスフィットトレーニングの場合、トレーニング時間が短いため、耐える時間も短く、その分集中力が高まり、馬力が出やすいという特徴があります。
さらに日常の動作を取り入れたトレーニングを行うため、動きがよくなったことを実感しやすいというのもメリットのひとつです。
通常、ジムで行う筋トレなどでは、鏡を見たときに自分の身体が変わったと実感する以外には、力がついた、筋力がアップしたという感覚はなかなか得られないものです。
しかしクロスフィットトレーニングの場合であれば、身体が軽い、動きやすいという感覚を得ることができるため、もっとトレーニングしたくなるという中毒性を持っているのです。
2.クロスフィットトレーニングの基本
クロスフィットトレーニングは、身体全体をトータルで鍛えるために、運動能力を以下の10個の項目に分類しています。
1.心肺機能の持続力
2.スタミナ
3.筋力
4.柔軟性
5.パワー
6.スピード
7.コーディネーション
8.俊敏性
9.バランス
10.正確性
これらの10の項目を総合的に鍛えるのがクロスフィットトレーニングの目標になります。
クロスフィットトレーニングでは10の能力を磨くため、以下の3種類のトレーニングを組み合わせてプログラムを作成します。
・ジムナスティック
・ウェイトリフティング
・カーディオ
ジムナスティックとは、簡単に言えば自分の体重を使ったトレーニング。
腕立伏せやスクワット、腹筋運動が代表的なものです。
ウェイトリフティングはバーベルやダンベルなど、ウェイトを使用して行うトレーニング。
ベンチプレスなどが代表的なものです。
カーディオは有酸素運動。
長い距離を走る、縄跳び、シャドーボクシングなどがこれに当たります。
つまり、クロスフィットトレーニングは10種類の能力×3種類のトレーニングによって構成されているトレーニング方法ということになります。
それでは実際のトレーニングについてみていきましょう。
3.クロスフィットトレーニングの方法
クロスフィットトレーニングの基本は60分です。
それを6つのパートに分けて行います。
3-1.「プレウォーミングアップ」(5分)
これは運動の前に怪我を防ぐストレッチなどです。
クロスフィットトレーニングの特徴は「ひとつのトレーニングを全力で行う」ということが挙げられます。
つまり、トレーニングが始まると身体にはかなりの負荷がかかった状態になります。
怪我を予防するためにも、しっかりとストレッチをすることが必要です。
(おすすめ記事→プレダイエット!「ストレッチ」で痩せる身体作り!)
3-2.「ウォーミングアップ」(5分)
これは本格的なトレーニングを前にして身体を温めていく段階です。
クロスフィットトレーニングのジムではローイングマシンなどが使用されます。
この段階でかなりの強度の運動を行いますが、それは筋肉だけに負荷がかかるローイングマシンを使用した場合です。
仮に自分で行う場合、いきなり全力でダッシュなどを行うと、怪我の原因になることもあるため、普段運動し慣れていない人の場合は注意が必要です。
このウォーミングアップでは、ローイングマシン以外にランニングや縄跳びなどのカーディオが行われます。
3-3.「スキル」(10分)
この「スキル」では、ジムナスティックやウェイトリフティングなどの動きを習得するための練習が行われます。
正しいフォームで行わなければトレーニングの成果は得られないもの。
トレーニングを効率的に行うために必要な時間ですが、ある程度の強度をキープして行うのがクロスフィットトレーニングの特徴です。
3-4.「ストレングス」(10分)
主にウェイトリフティングなどを行い、基礎的な筋力を高めるトレーニングです。
自分に不足している部位などを集中的に行う場合と、全身の筋肉をトータルで鍛える場合があります。
3-5.「WOD」(15~25分)
クロスフィットトレーニングの中心となるのがこのWODです。
これは「ワークアウト・オブ・ザ・デイ」の略で、その日その日で異なるメニューが組まれます。
ジムナスティック、ウェイトリフティング、カーディオを組み合わせ、ひとつのトレーニングにかける時間は5分程度。
その5分間は可能な限り最大の強度でのトレーニングを行います。
日本のジムの場合、時間で区切るのではく、決められた回数をこなすまでトレーニングが終わらないというシステムを採用しているところもあります。
3-6.「クールダウン」(5分)
溜まった乳酸を取り除くために、軽い運動やストレッチを行います。
以上がクロスフィットトレーニングを行うときの流れになります。
4.ジムでのクロスフィットトレーニングのメリット
クロスフィットは通常、ジムで行うトレーニングです。
クロスフィットトレーニングをジムで行うときには、以下のようなメリットがあります。
4-1.様々な運動を行う器具や場所が揃っている
クロスフィットは様々なメニューを組み合わせて行うトレーニングです。
たとえばウェイトリフティングでは、ベンチプレス、バーベルで負荷を加えたスクワット、デッドリフトなどそれぞれのウェイトを変えて行うと、トレーニングにメリハリがついて効率的に全身を鍛えることができます。
また、カーディオでも、ジムの場合には全力疾走やジャンプ、踏み台昇降などのメニューが可能なため、飽きずにトレーニングを続けることができます。
4-2.友人ができる
クロスフィットトレーニングはもともと「グループフィットネス」と呼ばれるもので、性別や年齢、身体能力にかかわらず、さまざまな人が一緒になってワークアウトを行います。
そのため一緒にトレーニングを行っている人とは強い仲間意識が生まれます。
さらに、トレーニングに疲れてサボりたくなった場合でも、周囲の目があるため、簡単に手を抜くことはできません。
特に男性の場合では、自分より年上の人間に負けたくないとか、女性の前で恥ずかしい姿は見せられないなどといった動機も生まれるため、さらに自分を追い込んだトレーニングを行うことができます。
このようにクロスフィットトレーニングはジムで行うとさらに高い効果が期待できますが、周囲にクロスフィットトレーニングのジムがない、時間がないといった理由でジム通いが難しいこともあります。
その場合、自宅でクロスフィットトレーニングをアレンジしたメニューを行うこともできます。
5.自宅で行うクロスフィットトレーニング
自宅でクロスフィットトレーニングを行う場合、場所や器具の制約があるため、ジムナティックと一部のウェイトリフティング、カーディオを組み合わせる方法になります。
自宅で行いやすいトレーニングは以下の通りです。
5-1.ジムナティック
自分の体重を利用して行うジムナティックは自宅でクロスフィットトレーニングを行うときには中心的なメニューになります。
まずは以下の4種類をマスターしましょう。
・スクワット
・クランチ(腹筋)
・バックエクステンション(背筋)
・プッシュアップ(腕立て伏せ)
まず基本的な動作をマスタ―したら、それぞれのバリエーションを加えていきましょう。
・スクワット
スクワットの場合、腰を下まで落とすフルスクワット、途中で止めるハーフスクワットがあります。
(おすすめ記事→筋トレで体脂肪ガンガン燃焼!!「スロー・トレーニング」の4つのメリットとは!?)
また、足を前に出して行うフロントスクワットや、つま先立ちで行うスクワット、ジャンプする動作を加えたジャンプスクワットなどバリエーションを増やすことが容易です。
・クランチ
腹筋運動もバリエーションをつけやすいトレーニングです。
上半身を起こす一般的な腹筋運動だけでなく、ひねりを加えたものや、寝転んで足を持ち上げる腹筋などもバリエーションに加えてみましょう。
・バックエクステンション
背筋のバリエーションを増やすためには、イスや水を入れたペットボトルなどを利用するとよいでしょう。
ペットボトルを両手に持ち、上体を前傾させて持ち上げるベントオーバーラテラルレイズや、イスにひざをついてペットボトルを持ち上げるワンハンドロウイングを加えるとトレーニングに幅が生まれます。
・プッシュアップ
腕立伏せは両手の位置や足の開き方、上体の起こし方を変えるだけでバリエーションが設けられる便利なトレーニングです。
台などを使って手をつく高さを上げて、上体を深く沈めるトレーニングも加えるといいでしょう。
5-2.ウェイトリフティング
家庭では器具がないためなかなかウェイトトレーニングは難しいものです。
そのため、自宅でクロスフィットトレーニングを行うときには他のメニューに置き換えるといいでしょう。
可能ならダンベルやチューブを購入するのもおすすめです。
(人気記事→ダンベルで筋トレ!!8つの部分別トレーニング法とは?)
5-3.カーディオ
自宅でクロスフィットトレーニングを行うときには、場所の関係でランニング系のメニューは行うことができません。
そのため、反復横跳びやもも上げなどが中心になります。
もしどうしてもトレーニングに飽きが出てしまうと言う人には、バービーがおすすめです。
バービーはプッシュアップとジャンプスクワットを繰り返すトレーニングで、運動強度も高いためクロスフィットトレーニングには最適です。
6.メニューを組み合わせるときの注意点
クロスフィットトレーニングでもっとも重要なポイントは、決めた時間の中で全力で運動を行うということです。
そのため、最初は20秒程度を基準にトレーニング内容を変えていくといいでしょう。
最初から3分、5分といった時間設定を行うと、時間が長すぎてスタミナが続かないということが考えられます。
クロスフィットトレーニングは後半になればなるほど乳酸や疲れがたまって来るため、最初は軽めの時間を設定しておくのがおすすめです。
また時間ではなく回数を決めるという方法もあります。
たとえばスクワット15回、もも上げ15回、クランチ15回、バービー15回といったように回数を決めて、それをできるだけ短い時間でクリアしているという方法です。
この場合、時間は関係なくなるため、ストップウォッチなどの必要がなくなることや、回数を数えやすいというメリットがありますが、どうしてもひとつひとつの動作が雑になってしまうというデメリットもあります。
どちらの方法でも、重要なのは毎日違う運動を組み合わせるということ。
毎日同じメニューでは飽きが来るだけでなく、身体の限られた部分しか鍛えられないため、全身をくまなく動かすというクロスフィットトレーニングならではのメリットを得ることができません。
おすすめなのは、毎日ひとつ新しいトレーニングを取り入れるということです。
初めて挑戦するトレーニングの場合はなかなか正しいフォームを身につけるのに時間がかかるもの。
そのため、毎日新しいものを複数取り入れてしまうと、なかなか正しいフォームでトレーニングを行うことが難しくなります。
しかし一日ひとつだけならフォームを覚えるのも簡単。
さらに新しいことをすると、身体も頭も新鮮な感覚でトレーニングを続けることができるでしょう。
まとめ
今までのトレーニングにちょっと飽きが来ている、新しいことに挑戦したいという人にはぴったりなクロスフィットトレーニング。
ただし、運動強度が強いものなので、くれぐれも怪我のないように注意しましょう。
T.Ttally
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