鍛えるべきは肝臓!30代から始める肝機能アップ術

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なんだか最近疲れやすくなった…、
そう感じている30代の男性は多いはず。

そんなとき仕事が忙しい、飲みすぎ食べ過ぎ、睡眠不足など思い当たる原因はたくさんありますが、もしかすると最大の原因は肝臓にあるかもしれません。

今回は、肝臓の役割や30代から始める肝機能アップの方法をご紹介します。

1.肝臓とは?

肝臓というと、アルコールを分解する臓器ということで有名です。

しかし、実は肝臓にはそれ以外にもたくさんの仕事があります。

肝臓は人体の中でも最大の大きさを持った臓器ですが、その大きさにふさわしく、その仕事は分かっているだけでも500種類以上と言われています。

また、強い復元能力があり、一部が傷ついたとしても回復が早く、さらに他の部分が仕事をカバーしてくれるため、なかなか自覚症状として表れることがありません。

それこそ肝臓が「沈黙の臓器」と言われる理由。
そのため、肝臓はできるだけ大切にしてあげなければ、気づいたときには手遅れということにもなりかねません。

では、どのようにすれば肝臓をいたわり、肝機能をアップできるのでしょうか。
その前に、まず肝臓が行っている主な働きについておさらいしておきましょう。

2.肝臓の役割とは?

2-1.解毒を行う

肝臓の中でも知られているのが、身体の中に入った有害な物質を解毒するという仕事です。

中でも有名なのがアルコールに対する解毒作用。
アルコールは、腸から吸収されて肝臓に運ばれ、肝臓の中でアセトアルデヒトから酢酸に分解、そこから二酸化炭素や水になり、身体の外へと排出されます。

また、肝臓が解毒しているのはアルコールだけではありません。
肝臓の解毒作用がもっとも発揮されるのが「食べ物」に含まれている有毒物質です。

人間の身体は食べ物を摂取すると、胃で消化されて腸に運ばれ、そこで栄養分を吸収します。
吸収された栄養は血液に乗って運ばれていきますが、この段階ではそこに人体にとって有毒な物質が含まれている可能性があります。

それを避けるため、小腸で栄養を吸収した血液がまず向かうのが肝臓。
そこで肝臓が血液の中に有毒な物質がないかをチェック、安全だと判断すれば、それらの血液を全身に送り届けます。

身体にとって有毒な物質は、身体の外から入って来ることばかりではありません。
たとえば、アンモニアは人体にとって非常に有害な物質ですが、このアンモニアが体内で発生することもあります。

アンモニアの発生源となるのが、腸内です。

たんぱく質を摂取した場合、腸内細菌の環境によってアンモニアが発生することがあります。
このアンモニアの解毒も肝臓の大きな仕事です。

その他にも薬などに含まれる有毒な成分を解毒するのも肝臓の役割です。
(おすすめ記事→γ-GTP値が高い!?自覚症状なく忍び寄る病気とは・・・

2-2.エネルギーを代謝する

肝臓の仕事の中でも、解毒に次いで大きなものがエネルギーの代謝です。

人間の身体は、食物からカロリーを摂取することで活動のためのエネルギー源としていますが、このカロリーは、食物から摂取してそのまま使うことはできません。

たとえば、デンプンはグリコーゲンに、たんぱく質はアミノ酸にといった形で食物からのエネルギーをより使いやすい形に分解して再合成することが必要です。

その役割を果たすのが肝臓です。
これは肝臓の代謝機能と呼ばれるものですが、ただ単に代謝するというだけではありません。

例えば、糖を代謝した場合には、グリコーゲンとして分解する前には一度グルコースという形に変換されます。
このグルコースは血液に乗ってエネルギー源として運ばれますが、このグルコース濃度を保つのも肝臓の仕事です。

肝臓は、現在身体の中にどの程度のエネルギーがあるかを判断します。
不足している場合、貯蔵しているエネルギーを放出、逆に多すぎると判断するとエネルギーの供給をストップします。
(人気記事→脂肪肝の主な原因は食事!食事が肝臓に与える影響とは?

2-3.胆汁の生成

胆汁を生成するというのも、肝臓の大きな仕事のひとつです。

胆汁というと、胆のうで作られていると思っている方も少なくありませんが、実は胆汁が作られるのは肝臓なのです。
胆のうは、肝臓が作った胆汁をストックしておくための場所です。

胆汁の大きな役割は、脂肪を消化することです。
人間の身体は食事で脂肪を摂取すると、胆のうから胆汁が送られ、脂肪の分解をサポートします。

もし肝臓が弱って胆汁が少なくなると、摂取した食事を消化・吸収することが難しくなり、コレステロールが溜まって胆のう結石や肝内結石といった病気になることもあります。

このほかにも、肝臓は体内のコレステロール値を調整や、血液凝固因子の生成、ビタミンやミネラルなどの蓄積など、数多くの仕事を担っています。

3.肝臓と疲労との関係は?

なんとなく身体が疲れているなと思うことは多いもの。
では、その場合身体の中ではどのようなことが起きているのでしょうか。

3-1.老廃物の蓄積

肝臓の大きな仕事が有害な物質を解毒すること。

しかし、もし肝臓に処理しきれないほどの有毒物質が入って来た場合や、肝臓の処理能力が低下している場合、有毒な物質を処理する速度が遅くなったり、処理しきれなかった有毒物質が体内に残ったりということになります。

しかし、そうしている間にも食事などから次々に有毒な物質が送り込まれ、結果的に体内の老廃物が増加、代謝の低下やむくみなどが起きてしまいます。

3-2.代謝能力の低下

前述のように、人間は食物に含まれている栄養やカロリーをそのままの形で使うことはできません。

そのため、一度肝臓によって、人間の身体が使えるような形に変換する必要があります。
しかし、肝臓が疲労している場合、このエネルギー変換の速度も遅くなってしまいます。

肝臓はエネルギー変換だけでなく、エネルギー供給などの体内コントロールも同時に行っているため、体内のエネルギーが不足、そのため、普段の生活でも大きな疲労感を感じるといった症状につながります。

また、エネルギーとして代謝できなかったカロリーは中性脂肪に変換、体内に蓄積されていきます。

このように、肝臓が疲れてしまうと、有毒物質が体内に蓄積、さらに必要なエネルギーが不足する二重の危険に襲われてしまうのです。

4.肝臓を疲れさせる生活習慣とは?

では、どのような生活習慣を続けると、肝臓が疲労してしまうのでしょうか。

肝臓に影響を及ぼす生活習慣の中で、もっともリスクが高いと言われるのがアルコールです。

アルコールは適度なら健康にいいとも言われていますが、毎日飲酒を続けていると、どうしても肝臓の労働量が高くなってしまいます。

また飲酒量が多い、飲酒歴が長い場合、その分の疲労が蓄積、肝臓を傷めつけた結果、肝臓病になってしまうこともあります。

アルコール以外で肝臓に与える影響が大きいのは、高血圧だと言われています。

血圧が高いといっても、それほど自覚症状がないことも多いため、放置している人も少なくありません。
しかし、高血圧の人の多くは、血中に糖分や塩分、脂肪分があふれた状態。

肝臓は体内の毒素や栄養分をコントロールする役割を担っていますが、あまりに毒素が多い場合、処理に時間と労力が必要になります。

しかも肝臓が有毒な物質を処理する場合には大量の水分が必要になります。
そのため、血管内の毒物を解毒するためには水分が必要になり、その結果体内の水分量が減少、血液がさらにドロドロになって血圧が高くなるという悪循環に陥ってしまいます。

そうなるとさらに肝臓には負担がかかり、結果として肝臓がダメージを負ってしまいます。

5.ストレスも肝臓に悪影響

あまり知られていませんが、ストレスも肝臓に負担をかけます。
ストレスがかかると、人間の身体はコルチゾールというホルモンを分泌させます。

コルチゾールが分泌されると、脳が危機的状況だと判断、身体が活動しやすいように交感神経優位の状態に導き、血糖値をアップさせるなど様々な反応を引き起こします。

通常はストレスが軽減されると、コルチゾールも低下、交感神経優位から副交感神経優位の状態に移行しますが、ストレスが慢性化するとこの移行がうまくいかなくなり、常に身体が緊張した状態になってしまいます。

そうなると肝臓も休めなくなり、結果としてさらに多くの労働を強いられて疲労してしまいます。

6.30代から始める肝機能アップ術

それでは、どのようにすれば疲れた肝臓を休ませて、肝機能をアップすることができるのでしょうか。

6-1.食べ過ぎや飲みすぎを控える

肝臓の大きな役割がエネルギー代謝と解毒作用です。

つまり、肝臓は何かを食べたり、アルコールを飲んだりするたびに働かなければならないということになります。
そのため、肝臓をいたわるためには食事の量を減らすことが最大の近道です。

また、アルコールは肝臓に大きな負担を書けます。
少量であっても、その分だけ肝臓は確実に働かなければならないため、数日に一度は休肝日を設けれるという方法も効果的です。

6-2.身体を休める

肝臓を休めるためには、身体全体を休めるという方法も効果があります。

特にゆっくりお風呂に入る、リラックスするなどはストレスなどにも効果的。
疲れが溜まっているときだけでなく、日常的にストレスを解消して身体を休めるという習慣をつけるとよいでしょう。
(おすすめ記事→忙しい人ほどリラックス!音楽の癒し効果とは?

ただし、ストレス解消の方法として注意が必要となるのがスポーツ。
運動をすると、心拍数が増加、血流量もアップしますが、このとき、肝臓の周辺だけは血流量が低下します。

というのも、肝臓は食物の消化や吸収に関係がある臓器。
筋肉を動かす場合には必要性が少ないことから、どうしても血流が後回しになってしまいます。

その場合、肝臓には酸素や栄養が不足しがち。
運動強度の低い運動や、短い時間だけ身体を動かすという場合、運動の影響は少なくなりますが激しい運動や、高い負荷をかけた筋力トレーニングを行う場合には、少し注意が必要かもしれません。

6-3.食生活による肝機能改善

肝臓の機能をアップするためには、食べ物を改善することも重要です。

ではどのような食材を摂取すると、肝臓の機能を高めることができるのでしょうか。

・しじみ
昔からしじみは二日酔いに効果的だと言われている食材ですが、実はしじみは肝機能アップにも高い効果が期待できます。

しじみにはたんぱく質やビタミン、ミネラルといった栄養素が豊富に含まれていますが、中でも肝臓に有効なのがタウリンやオルニチン。

タウリンには、肝臓の細胞の再生を促す働きや、胆汁を分泌させる効果があります。
また、肝臓に溜まってしまったコレステロールや中性脂肪を排出するという効果もあるため、肝機能アップには非常に有効。

またオルニチンは遊離アミノ酸の一種で、肝臓がアルコールなどを解毒する際のサポートを果たしてくれます。
特にオルニチンは、アルコールが生成するアセトアルデヒドの分解に作用、二日酔いの防止だけでなく、肝臓からの速やかなアルコールの代謝に役立ちます。

しじみ以外でも、タウリンは牡蠣やサザエなどの貝類、アジやサバといった魚介類などに多く含まれていますが、水に溶けやすい性質があるため、お吸い物や煮魚にするとよいでしょう。

オルニチンはキハダマグロやヒラメといった魚介類に多く含まれていますが、それ以外ではチーズやキノコ類にも豊富です。

・大豆製品
大豆製品は消化吸収率の高いたんぱく質を豊富に含んでいるため、肝機能のアップには効果的です。

さらに枝豆の場合には、脂肪を分解するコリンやレシチンなど、肝臓の仕事をサポートしてくれる成分も豊富なので、肝臓をいたわる役割も果たしてくれます。

また、大豆を加工した食品である納豆にはビタミンB12が豊富。
ビタミンB群は体内のエネルギー代謝を助ける役割があり、こちらでも肝臓を助ける効果が期待できます。

特にビタミンB12は欠乏すると肝臓に大きな負担がかかってしまうため、過度な負担がかからないようにするという役割を担ってくれます。

7.食べてはいけない食品は?

食品の中には、肝臓のことを考えると控え目にしたほうが良いものがあります。

たとえばサラダ油は過酸化脂質が多く含まれていますが、この脂質は消化・吸収の過程で肝臓に大きな負担をかけます。

また、バターやクリームといった動物性の脂肪も中性脂肪として蓄積されやすいため、食べ過ぎると脂肪間のリスクが高まってしまいます。

肝機能

まとめ

人間の臓器の中でも、特に重要な役割を持っているのが肝臓です。

仕事の量も多く、ついつい疲労が溜まってしまいがちですが、高い回復力を持っているため、少し注意するだけでもすぐに機能を元に戻すことができます。

まずできる範囲で、肝臓をケアしてみることをおすすめします。

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食べたい欲望や体の衰えと戦うアラフォーライター。日夜新しいトレーニングやダイエットレシピなどを自ら実践、紹介しています。
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