仕事をしているときや緊張したときなど、強い頭痛に襲われるといった経験はありませんか?
実はそれ、ストレスが原因で起きる頭痛かもしれません。
このストレスが原因となる頭痛に対してはどのような対処を行えばよいのでしょうか。
1.なぜ頭痛が起きる?
誰でも一度は「頭痛」に悩まされた経験はあるでしょう。
実はこの頭痛には、様々な種類や原因があります。
そのため、原因によって予防や対処の方法は大きくことなります。
つまり、頭痛の予防や対処を行うためには「なぜ痛むか」を知ることが重要です。
1-1.急性頭痛と慢性頭痛
頭痛には大きく分けて「急性頭痛」「慢性頭痛」のふたつのタイプがあります。
急性頭痛とは、簡単に言えば急激に発生する頭痛のこと。
たとえばインフルエンザなどにかかって熱が出た場合、頭が痛くなることがありますがこの場合の頭痛は急性頭痛です。
また、急性頭痛の中には、脳の血管のトラブルや脳腫瘍などが原因で起きるものもあります。
この場合、すぐに病院に行って検査や治療を受けることが必要です。
これらの急性頭痛は命にかかわることもあり、非常に危険な状態ですが、それと同じぐらいに悩ましいのが「慢性頭痛」です。
慢性頭痛には、体質的なものや心理的・社会的な要因が関係しています。
また慢性頭痛の場合、なかなか治療しにくいという特徴もあります。
急性頭痛の場合であれば、その原因となる病気を治療すれば頭痛自体も収まりますが、慢性頭痛の場合には、体質や仕事の環境といった部分を改善しなければ頭痛から解放されることはできません。
・慢性頭痛
慢性頭痛は、原因や頭痛の種類によって三つのタイプに分けられます。
・偏頭痛
まずひとつが片頭痛。
片頭痛は、頭の片方だけにずきずきする痛みがあることが特徴。
音や光が頭痛のきっかけになることもあり、嘔吐を伴う場合があります。
原因についてはまだはっきり分かっていない部分もありますが、脳の血管が拡張したり収縮したりする際に神経を刺激することと関係があるとされています。
片頭痛はうつ病などの精神疾患と合併して起きることもあり、脳内物質の代謝異常が原因とされています。
・群発頭痛
もし一日の決まった時間に頭痛が起きたり、数ヶ月か数年に一度といった周期で頭痛が起きる場合、群発頭痛である可能性があります。
群発頭痛の特徴は非常に強い痛みです。
非常に痛みが強いため、じっとしていることもできないのが特徴で、その痛みは「目をえぐられるような痛み」と表現されることもあります。
この群発頭痛は、男性に多いというのが特徴のひとつ。
片頭痛の場合、女性に発症することが多いのに対して、群発頭痛は二十代から四十代の働き盛りの男性におきると言われています。
・緊張型頭痛
片頭痛や群発頭痛に対して、ストレスが原因で起きるとされる頭痛が「緊張型頭痛」です。
緊張型頭痛の特徴は、強い圧迫感を伴う痛み。
片頭痛や群発頭痛のように強烈な痛みはないものの、頭を何かで締め付けられるような重苦しい痛みが起こります。
また、緊張性頭痛の場合、三十分程度で収まることもありますが、長い場合では一週間近く頭痛が収まらないこともあります。
また、緊張型頭痛では、動いて痛みがひどくなることはないものの、頭痛と同時に肩や首の凝りを感じたり、ふらつきやだるさで動けなくなったりすることもあります。
(おすすめ記事→慢性化した頭痛、そのままにしていませんか?原因別の頭痛対処法)
2.頭痛の原因はふたつのストレス
もし一週間も痛みが治まらず、ふらつきやめまいを感じ続けていたら、会社に出勤することも難しくなります。
先ほど、緊張型頭痛の原因はストレスだと述べましたが、実はこのストレスにはふたつの種類があります。
2-1.肉体的ストレス
まずひとつが、肉体的なストレスです。
現在、仕事の現場ではパソコンやタブレット、スマホなどを使うことがほとんどですが、これらの機器を無理な姿勢で使用していると、どうしても頭や首、肩にかけての筋肉が緊張します。
もちろん適度な時間なら構いませんが、これらの作業に集中してしまうと、長時間無理な姿勢を維持しなければいけなくなってしまいます。
そうなると、筋肉は長時間緊張した状態が続くことになりますが、そのとき筋肉の中で生まれているのが、乳酸やピルビン酸といった疲労物質。
ここで身体を動かせば、これらの疲労物質は血管やリンパに乗って運ばれていきますが、長時間におよぶデスクワークでは筋肉を動かす機会はほとんどないため、結果として疲労物質は筋肉に溜まり続けてしまいます。
やがて溜まった疲労物質は周囲の筋肉を刺激、それが頭に伝わって頭痛になると考えられています。
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2-2.精神的ストレス
さらにもうひとつの原因が精神的なストレスです。
もともと、脳の中身は痛みをコントロールしたり、痛みを和らげたりするシステムが備わっています。
それによって人間はある程度の痛みに耐えることができるのですが、精神的なストレスを受けたり、緊張した状態が長く続いたりすると、この脳内のシステムが誤作動、筋肉が緊張していない場合や、ちょっとした刺激によっても痛みを感じるようになってしまいます。
つまり、これらふたつのストレスによって、緊張性頭痛は発生してしまうのです。
3.頭痛を対処しないと悪化する可能性も
一般的に頭痛という場合、この緊張性頭痛を指しています。
そのため、多くの人はちょっと頭が痛い場合、軽く運動をしたり、市販されている頭痛薬を飲んだりしてごまかしてしまうもの。
しかし、そうやって根本的な対処を行わないと、さらにひどい頭痛に見舞われる可能性もあります。
それが緊張性頭痛と片頭痛の併発。
緊張性頭痛はストレスによって起きるものですが、実はこの緊張性頭痛による痛みが片頭痛を呼び起こしてしまうことがあります。
緊張性頭痛に対して、片頭痛はストレスから解放されて気が緩んだときに起きがち。
逆に緊張性頭痛は、身体や頭が緊張しているときに起こってしまうため、これらふたつの頭痛を併発してしまうと、常に頭が痛いといった状態が続くことになってしまいます。
4.緊張性頭痛に対処する方法とは?
片頭痛と併発して、ひどい頭痛に苦しまないためにも大切なのは緊張性頭痛の段階で根本的なケアを行うこと。
それでは、緊張性頭痛にはどのような対処を行えばよいのでしょうか。
4-1.職場環境の改善
まず重要なのは、職場や仕事の環境の改善です。
すでに説明したように、緊張性頭痛になる最初の原因は肩や首の筋肉の凝り。
なぜこの筋肉が凝るかといえば、不自然な姿勢での作業を続けているからです。
もしパソコン作業が多いという場合には、座面とパソコンの画面の高さを調整してみましょう。
パソコン作業中に視線が極端に下に向いたり、猫背になってしまったりという場合には、画面が低すぎる可能性があります。
理想は、軽く背中を伸ばしたときに視線の先にちょうど画面がある高さです。
もし可能であれば椅子の高さを変える、ノートパソコンを使っているなら、下に台を置くなどして高さを調整してみましょう。
4-2.できるだけ座りすぎない
もしパソコンの画面を調節できて、理想的な環境で作業を行っていたとしても注意したいことがあります。
それは「座りすぎない」ということ。
ここでなぜ緊張性頭痛が起きるかということをもう一度思い出してみましょう。
緊張型頭痛の原因となるのは、筋肉に負担がかかり、そこで生まれた疲労物質が神経を刺激するから。
しかし、もし疲労物質が生まれたときに、すぐに筋肉を動かしてリンパや血管によって流してしまうことができれば、緊張型頭痛の原因はなくなるということになります。
そのため、作業を行っている場合には、一定の間隔で身体を動かしましょう。
その際、大きな筋肉を動かすことで、乳酸などの老廃物を流す効果がアップします。
特に重要なのが、下半身の筋肉。
大腿四頭筋や大殿筋など大きな筋肉を動かすことで、上半身の血行も高めることができます。
仕事中に軽く身体を動かすというと、簡単に肩や首を回すといった運動が一般的ですが、できれば椅子から立ち上がって下半身の筋肉を動かす習慣を付けましょう。
4-3.スマホや読書にも注意
緊張型頭痛を起こさないためには、仕事をする場所以外での姿勢も重要です。
特に気を付けたいのがスマホ。
スマホを使っているときには、背中が曲がって前かがみになっている場合が多いです。
この姿勢は緊張型頭痛にとっては非常に悪い影響を与えます。
特にスマホを見ている間は、集中してついつい長い時間同じ姿勢になりがち。
そのため、できるだけスマホを見ないといった習慣作りが重要です。
また、読書も同じような姿勢になってしまうため、注意が必要です。
なお、眼鏡やコンタクトレンズを使用している場合、度があっていないとどうしても目を近づけようとして猫背になってしまいます。
その場合、眼精疲労などを感じていることも多いため、もしも最近目が疲れやすいと感じる場合、一度自分の眼鏡やコンタクトがあっているかどうかを確認したほうがよいかもしれません。
4-4.冷えないようにする
緊張型頭痛の原因は、老廃物が溜まってしまうことも原因のひとつです。
そのため身体が冷えている場合、どうしても血行が悪くなり、頭痛が起きやすいという傾向があります。
もしも頭痛が起きやすいという場合には、エアコンの冷たい風などが直撃しないように気を付けましょう。
もしもどうしようもないという場合には、首元だけでも保護しておくと、頭痛が起きるリスクを最小限に抑えることができます。
4-5.ストレス解消
心理的なプレッシャーも緊張型頭痛の大きな原因となります。
もし頭痛を感じることが多いという場合、積極的にストレス解消の機会を設けましょう。
その際重要なのは、一日に何度かストレスを解消するための時間を設けるということ。
趣味などを持っている人の場合、週末だけを使ってストレスを解消しようというケースもありますが、毎日少しずつストレスを解消することも重要です。
帰宅後の時間や、仕事の空き時間、ランチタイムなど、短い時間を見つけてストレス解消を行うようにしましょう。
また、ひどい落ち込みや不安を感じることが多いと、脳が痛みに敏感になることもあります。
そうなると、緊張型頭痛がひどくなるだけでなく、他のタイプの頭痛も併発してしまう可能性も考えられるため、不安がひどいという場合にはカウンセリングなどを受診するといった方法も効果が期待できます。
4-6.スポーツやお風呂も効果的
緊張性頭痛を感じているという場合、身体を動かして血行をアップさせるのも効果的です。
その場合、軽いウォーキングなどで構いません。
また、時間がないというときには、普段使っているエスカレーターをやめて階段に変えるといった程度でも効果があります。
特に下半身を動かすと、老廃物を除去できるため、日ごろの運動を心がけましょう。
さらに身体を温めて血行を促進するという意味ではお風呂にゆっくり浸かるというのも効果があります。
特にぬるめのお湯にゆっくり入ることで、身体のリラックス機能を司る副交感神経が活性化、水圧によって身体をマッサージする効果も得られるため、頭痛の改善に効果が期待できます。
その他、できるだけ無理な姿勢にならないように、枕などに気を配るというのもいい方法です。
(人気記事→シャワーだけでは回復できない。疲れを癒やす入浴の効果とは?)
5.もしかすると病のサインかも?
これまで見てきたように、緊張性頭痛の場合であれば、適切な対処を行うことで頭痛は収まるだけでなく、発生を未然に防ぐことができます。
しかし、こういった対処法でも改善しないという場合、さらに深刻な病が隠れているかもしれません。
たとえば、吐き気や嘔吐を伴う頭痛で、しかも強い痛みを感じる場合、くも膜下出血の可能性があります。
また、同じ吐き気がする場合でも、手足がしびれる、ろれつが回らない、意識がはっきりしないといった場合には脳腫瘍が疑われます。
その他、頭全体から後頭部にかけての部分が痛む、首筋が固く張っている、高熱があるといった場合には髄膜炎を発症している可能性もあるため、少しでもおかしいと感じる場合、一刻も早く病院での受診をおすすめします。
まとめ
頭痛が長引くと集中力もなくなり、どうしても仕事の効率が落ちてしまうもの。
ストレスによる頭痛の場合、ちょっとした工夫で改善することも多いため、もし頭痛に悩んでいるという方は、対処法を試してみてはいかがでしょうか。
T.Ttally
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