テストステロンとは男性の心と身体に非常に重要な働きかけをする男性ホルモンの1つです。
10代後半~20代をピークに減少していきますが、筋トレなどでテストステロンは増やすこともできます。
ここではテストステロンの知るべき働きや、筋トレを中心とした日常生活で簡単に実践できる増やし方について紹介します。
1.テストステロンとは?
テストステロンとは体内で分泌される男性ホルモンの1つです。
テストステロンは睾丸で作られ、一般的には10代後半~20代で分泌量のピークをむかえ、そこから徐々に減少していくとされています。
不足すると慢性的な疲労感、やる気の減退、肥満、鬱など様々な症状を引き起こします。
2.テストステロンの働き
テストステロンは身体にとって様々な良い効果をもたらします。
男性の場合、このホルモン分泌量の維持が“健康の鍵”を握っていると言っても良いでしょう。
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2-1.性機能の維持
テストステロンによって性機能を維持することができます。
テストステロンは性欲を引き起こし、勃起させる作用があります。
セックスを行うには必要不可欠なホルモンとなります。
2-2.骨を強くする
テストステロンは骨を強くする作用があります。
骨は日々ホルモンの作用により骨吸収と骨形成を繰り返しています。
これに深く関与しているのがエストロゲンです。
エストロゲンは骨吸収を抑制し、骨形成を促進します。
女性であれば卵巣でこのホルモンが造られますが、男性の場合はテストステロンが元となって造られます。
そのためテストステロンが減少すればエストロゲンは減少し、骨吸収の抑制や骨形成の促進がなされず骨は弱くなります。
2-3.筋肉量を増やす
テストステロンは筋肉量を増やす作用があります。
テストステロンはタンパク質の合成を促進し、トレーニングによってスムーズに筋肉の成長を促すことができます。
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2-4.メタボ予防
テストステロンはメタボと深い関係があるとされています。
30~63歳の日本人男性1154人を対象とした研究ではメタボの要素である肥満、高血糖、高脂血症、高血圧、脂質異常に該当すればするほどテストステロンが低い値を示したという報告があり、テストステロンとメタボの関係性が示唆されています。
2-5.病気の予防
テストステロンは病気を予防するホルモンとしても注目されています。
血管系の病気(脳梗塞、心筋梗塞など)においては、アメリカで男性を対象として行われた研究にてその発症率はテストステロンの分泌量が最も高いグループは最も分泌量が低いグループに比べて発症率が5割も低いという結果がでました。
また男性が発症するガンのなかで最も割合の多い前立腺ガンにおいては、テストステロンはそのガンが転移するリスクを下げると言われています。
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2-6.認知機能低下を予防
テストステロンは認知機能低下を予防する効果があるとされています。
テストステロンが低値の認知症男性を対象とした研究で、対象者にテストステロンを投与したところ認知機能が改善したという報告があります。
またテストステロンにはアルツハイマーの要因とされる脳内物質、アミロイドの蓄積を抑制する作用があるとされています。
3.テストステロンが性格に与える効果
テストステロンは人の性格に影響を与えるホルモンの1つとされ、チャレンジ精神や行動力、やる気、集中力などに影響を与えると言われています。
テストステロンの効果の1つに、脳における「報酬系」への関与があります。
報酬系とは人が満足したときなどに活性化する神経系のことで、このときドーパミンという神経伝達物質が分泌されることで幸福を感じることができます。
このドーパミンの分泌を促すのがテストステロンです。
ドーパミンは人が行動する上で欠かすことができない物質で、上述のような性格に作用すると考えられています。
4.テストステロンが減少すると男性更年期障害になる!
テストステロンの減少は男性更年期障害になるリスクを高めます。
更年期障害というと閉経後の女性がなるものというイメージがありますが、男性にも更年期障害は存在します。
男性更年期障害になると下記のような様々な症状に悩まされます。
・男性機能の低下
・慢性的な疲労感
・やる気がでない
・肥満
・不眠
・多感
・筋肉痛
・鬱
・認知機能低下
・骨粗鬆症
症状の程度は個人によって差があり気にならない程度の人もいれば、日常生活がままならないという人もいます。
5.テストステロン不足をセルフチェック!
テストステロン不足が原因となって生じる男性更年期障害の診断では血中のテストステロン値の測定に加えて、AMSスコアというチェックシートが使用されます。
AMSスコアでは17個の質問に対し「なし=1点」、「軽度=2点」、「中等度=3点」、「重度=4点」、「非常に重度=5点」で回答をして、スコア合計で男性更年期障害の程度を測定します。
テストステロンの不足は血液検査が必須となりますが、スクリーニングとしての簡単セルフチェックに利用してみてください。
・身体の調子が良くない
・関節や筋肉の低下や痛みを感じる
・ひどく汗をかくようになった
・寝られない、頻繁に眠たくなるなどの睡眠の悩みがある
・すぐ眠くなる、疲れやすくなった
・イライラしやすくなった
・神経質になった
・不安感がある
・体力低下だけでなく、行動力も低下したような気がする
・筋肉量の低下
・意欲がわかない憂うつな気分だ
・燃え尽きたように感じる
・力が無い、どん底にいると感じる
・ひげの伸びが遅くなった
・性的機能の衰えを感じる
・早朝に勃起しなくなった
・性欲の低下を感じる
スコア合計が17~26点で更年期障害の程度はなし、27~36点で軽度、37~49点で中等度、50点以上で重度となります。
軽度以上の場合は病院受診をおすすめします。
6.テストステロンは筋トレで増やすことができる
テストステロンの分泌量は筋トレで増やすことができるとされています。
筋トレの刺激により身体は筋肉量を増やそうと反応をしてテストステロンを分泌させます。
厚生労働省の長寿科学研究でも筋トレは男性ホルモンの減少を抑えるという報告がなされています。
6-1.テストステロンを増やす筋トレ
筋トレでテストステロンを増やすには高負荷低頻度の運動が良いとされています。
10回程度の数をこなしたら「限界!」と感じる程度の運動負荷で、セット間の休憩は3分以下にする方がホルモンの反応を良好にさせるといわれています。
運動の種類は全身の筋肉を同時に使用するものが効果的です。
なお1時間以上のトレーニングはストレスを増加させてテストステロンの分泌量低下を招く恐れがあるとも言われており、短時間集中で行うことがポイントです。
6-2.おすすめトレーニング「スクワット」
①肩幅よりやや大きめに足を広げて立ちます。
②膝がつま先より前方に出ないこと、膝が外側や内側に偏ることなくつま先と同方向を向くようにしながら、膝関節90°程度まで約5秒をかけて膝を曲げます。
③再び5秒をかけて膝を伸ばして①の姿勢に戻ります。
スクワットは下半身全体のトレーニングとなります。
足を肩幅よりやや広げることで日常での使用頻度の低い太もも内側の筋肉(内転筋)への刺激を高めることができます。
負荷量を上げる場合はダンベルやペットボトルを両手に持って調整すると良いでしょう。
6-3.おすすめトレーニング「ランジ」
①肩幅程度に足を広げて立ちます。
②前方を向きながら片足を大きめに1歩前方へと踏み込み、膝関節90°程度まで腰を落とします。
③踏み込んだ足をゆっくりと戻し①の姿勢になります。
④反対側も同様に行います。
ランジもスクワット同様に下半身全体のトレーニングとなります。
足を踏み込むときは体幹が前方に倒さず背筋を床面に対して垂直位に保つことで体幹・股関節筋の刺激を高めることができます。
また踏み込んだ側の膝が外側や内側を向いてしまうと骨や靭帯による支持となってしまい筋肉への刺激が減るため、膝を中間位に保つことを意識してください。
負荷量を上げる場合はスクワットと同様にダンベルやペットボトルを両手に持って調整すると良いでしょう。
6-4.おすすめトレーニング「懸垂」
①手の幅を肩幅よりやや広めにした状態でバーを握ります。
②5秒程度かけて肘を曲げて身体を持ち上げ、胸をバーに近づけます。
肘を曲げるときは左右の肩甲骨も寄せるように動かします。
③5秒程度かけて肘を伸ばして①の姿勢に戻ります。
懸垂は上半身全体、特に背中側のトレーニングになります。
胸をバーに近づける際は肘を曲げるだけでなく左右の肩甲骨を寄せるようにして動かすことで腕だけでなく背中側の筋肉をしっかりと刺激することができます。
6-5.おすすめトレーニング「クランチ」
①仰向けに寝て、太ももと床面が垂直になるように下腿を台などに置きます。
②両手は胸の上に置き、頭部を持ち上げ上体を起こしていきます。
持ち上げる際は上部胸椎→下部胸椎→腰椎と上部の脊椎から下部の脊椎を1つ1つ順番に床面から離していくようにしてゆっくりと動作を行います。
③上体を起こしたら1呼吸キープをして、次は腰椎→下部胸椎→上部胸椎と下部の脊椎から上部の脊椎を1つ1つ順番に床面に置いていくようにしてゆっくりと上体と①の姿勢へと戻していきます。
クランチは体幹のトレーニングになります。
脊椎を1つ1つ動かすように意識をすることで脊椎周囲に存在する細かい筋肉への刺激を加えることができます。
7.テストステロンを増やすためにできる筋トレ以外の方法
7-1.ストレスをコントロールする
ストレスはテストステロンを減少させる大きな要因です。
ストレスによって放出されるホルモンは精巣内でテストステロンを造る酵素を抑制すると報告されています。
そのためストレスをコントロールすることはテストステロンを増やす上で非常に重要になってきます。
(おすすめ記事→働き盛りはストレスフル!!すぐできるストレス診断で自分と向き合おう!)
ストレスをコントロールするにはストレス発散になりうる行動をメモ用紙に羅列して1つ1つ実際に試してみてその効果を評価する方法があります。
また心を無にして深呼吸をするだけでもストレスは低下するということが分かっています。
7-2.睡眠の質を高める
睡眠不足はテストステロンを減少させる要因とされ、睡眠の質が高い男性は睡眠不足の男性よりテストステロンの分泌が高値であったという報告があります。
睡眠の質を高める方法には以下のような方法があります。
22時~2時に寝る
ホルモン分泌のゴールデンタイムとされている時間帯は22時~2時とされています。この時間帯での睡眠を確保することを心がけると良いでしょう。
寝る前にスマホ・パソコンを触らない
スマホやパソコンから放出されるブルーライトは神経を興奮させ深い眠りを妨げます。
寝る前にスマホ・パソコンに触らないようにすると良いでしょう。
寝具を自分の身体に合わせる
寝具を自分の身体に合わせると睡眠の質は向上します。
布団やマットレスの固さ、枕の高さなど使用している寝具を見直してみましょう。
特に枕は寝返りをしたときに頭部が上下動しない程度の高さが良いとされ、バスタオルを重ね合わせることで簡単に自分に合った枕を作ることができます。
またパジャマの着用も睡眠の質の向上に役立つといわれています。
7-3.バランスの良い食事
バランスの良い食事を心がけることが基本となります。
一汁三菜のは自然とバランスがとれた食事となりやすいですし、カレーライスやカツ丼、ラーメンといった単品物においてはおかずを加えるように意識をすることで様々な栄養価をプラスすることができます。
そしてこれをベースとして、それにタンパク質、ビタミン、亜鉛を摂取すると良いとされています。
タンパク質
タンパク質の推奨摂取量は成人男性であれば60gです。
鶏ササミであれば100gあたり23gのタンパク質が含まれているため、1日で260g程度食べれば良いということになります。
他の食材で言えば100gあたりシラスが40g、マグロが26g、ナスライスチーズが25g、納豆が16.5g、豆腐が8g程度含まれます。
ビタミン
ビタミンの中でも特にビタミンDを意識して摂取すると良いとされています。ビタミンDの推奨摂取量は成人男性で5.5㎍です。
シラスであれば100gあたり46㎍他の食材で言えば100gあたりイワシは32㎍サンマが16㎍、まいたけ7.3㎍程度含まれます。
亜鉛
亜鉛の推奨摂取量は成人男性であれば11mgです。
牡蠣であれば1個2mg程度なので6個食べれば良いことになります。
他の食材で言えば煮干し10尾で1.4mg、するめ1枚で5.9mg、牛ひき肉100gで2.6mg程度含まれます。
まとめ
テストステロンは男性の健康を維持する上で非常に重要な働きをする男性ホルモンなのですが、年齢と共に低下をしてしまいます。
不足すると男性更年期障害を引き起こし日常生活に支障をきたす場合があります。
テストステロンは筋トレで増やすことが可能です。
ストレスコントロールや睡眠の質、食事を見直し、ホルモンバランスを崩さないように気をつけましょう。
寄稿者
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