アロマオイルだけですぐできる!基本的な5つの使い方

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自然の良い香りを表すアロマ(AROMA)。
治療法を表すテラピー(Therapy)。

芳香療法ともいわれるアロマテラピーはさまざまな楽しみ方があります。

精油のもつ薬理効果と芳しい香り。
正しい使い方をしてアロマオイルの有効成分を十分に楽しみましょう。

1.エッセンシャルオイルとアロマオイル

1-1.エッセンシャルオイルとは?

アロマテラピーを楽しむために必要な精油。
植物から摘出した芳香物質が含まれています。

芳香物質とは植物が放つ独自の香りのことです。
草や花、樹木や果実など、さまざまな植物が放つ香り。

気持ちを楽しませたり、疲れをふっとやわらげてくれたり、爽やかにしてくれたり、元気にしてくれるでしょう。

植物の芳香物質を取り出した精油はエッセンシャルオイルとも呼ばれています。

1-2.アロマオイルとは?

製品名に「アロマオイル」とついているものがあります。
このオイルもアロマテラピーで使う精油のことです。

初心者の方やアロマテラピーになじみがない方は、「アロマオイル」という呼び方の方が聞き慣れているかもしれません。

一般的に、アロマオイルと表示されている製品は精油とは異なる類似品もあります。
ある成分を取り除いたり、薄めたり、混ぜたりして品質が低下しているものです。

人工的に他の成分を加えたものは純度が100%ではないため、「エッセンシャルオイル」とは呼びません。
また通常、エッセンシャルオイルは大量の植物から作られるためコストがかかります。

例えば、ローズのエッセンシャルオイルは1本10ml作るために、バラの花びら約40kg必要です。

極端に安価なものは合成品であったり、類似植物を使っている可能性があります。

植物に含まれる芳香物質の量は0.01〜10%とごく少量です。
天然香料ではない安価なものは注意しましょう。

2.精油の5つの特徴とは?

効果的また安全に使うために、知っておきたい精油の特徴が5つあります。

2-1.よい香りを放つ芳香性

精油ごとの独特な香りは精油に含まれているさまざまな成分です。
ビンの蓋を開けるだけで強い香りが放たれます。

2-2.よい香りが漂う揮発性

ビンから取り出した精油は空気中で徐々に気体になります。
ビンの蓋を開けておくだけでよい香りが漂うでしょう。

2-3.油脂によく溶ける親油性

水より軽く、水に溶けにくい精油。
水やお湯に入れると表面に浮いて膜が広がるでしょう。

2-4.燃え出しやすい引火性

空気中に放置しておくと気体に変化する精油。
空気が混ざり合うと火や熱が移って燃え出します。

2-5.油脂とは全く違う物質

植物油と誤解されやすい精油。
スウィートアーモンドオイルやオリーブオイルなどがあるためでしょう。

植物油の多くは脂肪酸とグリセリンが結合した油脂でできているため、精油とは全く違います。

3.精油の摘出方法とは?

3-1.水蒸気蒸留法

花や根、樹脂などから低温で時間をかけて摘出します。
ほとんどの精油に使われている最も一般的な方法です。

3-2.圧搾法

機械を使って果皮を押しつぶし、エッセンスを絞り出します。
熱を加えないため自然の香りを楽しむことができるでしょう。

柑橘類のレモンやベルガモット、オレンジなどは果皮の外側に芳香成分が多く含まれているため、圧搾法で摘出します。

不純物が混ざりやすく品質の劣化が早いため取り扱いに注意してください。

他にも溶剤摘出法や油脂吸着方法摘出法などがあり、その植物の香りや成分を損なわない方法で精油は作られています。

4.精油の効果を高める摘出過程とは?

植物にある芳香物質が摘出過程で起こす化学変化。
化学変化を起こした数十から数百種類もの有効成分がそれぞれの効能を発揮します。

例えば、もともと抗アレルギー作用のない植物のカモミールジャーマン。

水蒸気蒸留法で摘出される段階でカマズレンと呼ばれる成分が発生するため、抗アレルギー作用のある精油になります。

約300種類ある精油の中から、いくつかの精油を使って行うアロマテラピー。
精油を使用する目的に応じて、精油の芳香成分や含有量を考慮しながら選びます。

5.注意した方が良い精油の種類とは?

有益な作用がたくさん含まれている精油。
危険な性質がある精油もありますので使用には注意しましょう。

5-1.皮膚刺激のある精油

皮膚や粘膜への刺激が強い精油です。

レモングラスやシナモン、ユーカリなど。
他にもフェノール類やアルデヒド類、ラクトン類を含むタイム種もあります。

敏感肌の人は特に注意してください。
必ず使用前のパッチテストを行って、希釈濃度を1%以下にしましょう。

5-2.日光感作性のある精油

皮膚につけたまま日光に当たると、色素沈着や炎症を引き起こすことがある精油です。

レモンやオレンジスウィート、グレープフルーツやベルガモットなど柑橘系のものです。

光毒性とも呼ばれており、日光などの強い紫外線に精油成分の一部が反応して招いてしまいます。

肌につけてから4〜5時間は直射日光を避けてください。
使用量を少なくしたり、日中はサンスクリーン剤などで紫外線ケアを十分行いましょう。

5-3.高齢者が安心して使用できる精油

代謝機能の低下や慢性病を抱えることが多い高齢者。
使用上注意が必要ですが、安心して使用できる精油もあります。

ラベンダーやゼラニウム、グレープフルーツやティートリー、サイプレスなどです。

精油を選ぶときは薬の内服状況や通院歴を考慮しましょう。
希釈濃度は1%以下で使用してください。

6.精油の正しい選び方4つとは?

自分のお気に入りの精油。
購入する際の注意点があります。

6-1.アロマテラピーの専門店で購入する

店舗や通信販売などさまざまな購入方法。
オススメはアロマテラピーの専門店です。

テイスティング用に並んだ精油があるため、自分の好みの香りを実際に嗅いで探すことができます。

精油ビンから直接香りを嗅ぐときは鼻から約15㎝離しましょう。
自然な香りを感じることができます。

選ぶときに迷ったり、分からないこともあるでしょう。
専門店にはアロマテラピーに関する知識の豊富な販売員がいます。

精油の特徴や種類、品質やブランド、使用方法などを気軽に相談することができます。

6-2.好きな香りを選ぶ

アロマテラピーのさまざまな楽しみ方。
気持ちが穏やかになって心身の健康に役立ちます。

最大の効用は好みの香りでゆったりすることです。
どんなにすばらしい作用のある精油でも、受け入れることができないなら効果は期待できないでしょう。

心地よいと感じない香りはリラックスしたり、リフレッシュしたりできません。
自分にとって心地よいものを選びましょう。

6-3.遮光ビンに入ったものを選ぶ

光や熱、空気の影響を受けやすく、変質しやすい精油。
製造したときから成分の変化が始まっているため、劣化を防ぐ必要があります。

茶色や青色をした遮光ビンに入っていることを確かめましょう。

6-4.精油に表示されている情報を確認する

精油に記載されている製品情報は使用上の注意などを記載しています。

体内に吸収される精油。
有害な添加物などが含まれているものは、トラブルを招く危険があります。

精油は植物を原料としていますが、強い皮膚刺激などの副作用が起きる場合もあるかもしれません。
安全かつ効果的に行うために、できるだけ品質のよい良質な精油を選びましょう。

7.精油のラベル表示をチェックするときの注意点とは?

生育環境で決まる植物の香りと成分。
ラベンダーやローズなど、同じ名前の精油でも植物の育った環境は大きな影響を与えます。

土壌や栽培方法、気候などで植物の香りや化学的成分が異なるでしょう。

品質の違いが分かるのがラベル表示。
産地や学名、摘出方法、含有成分などが記載されている出どころの確かな精油を選びましょう。

精油の製造年月日や使用期限、無農薬有機栽培のものであれば保証する公的機関マークが明記されているものが安心です。
日本アロマ環境協会が認定している精油は「AEAJ 表示基準適合認定精油」です。

表示の分かりやすさを審査して、基準に達していることが認められています。

8.精油の正しい保管方法とは?

購入した精油の保存期間の目安は開封後1年以内です。

柑橘系の精油などは他の精油と比べて成分変化しやすいため、半年くらいで使い切りましょう。
使用するたびに香りを確認してください。

開封後は遮光性のある茶褐色のボトルに入れて、キャップをしっかり締めて立てたまま保管します。

直射日光の当たらない冷暗所に置きましょう。
湿度に弱いためバスルームなども避けます。
特に高温多湿のになる夏季は冷蔵庫で保存した方が良いでしょう。

9.精油の好きな香りを見つける方法とは?

まずは精油の香りを試して楽しみましょう。
香りの好みは人ぞれぞれです。
最初に試す香りは自分が好きだと感じる香りを選びましょう。

良い香りをかぐと昔の出来事や、香りから想像するさまざまな思いをめぐらすことができます。

精油への理解を深めるために必要なのは、嗅いだときの感想や頭の中に広がるイメージです。
興味を抱いた精油から始めて、徐々に多くの精油を試して広げていきましょう。

10.精油の香りを試す方法とは?

10-1.精油をティッシュペーパーなどに落とす

ドロッパー(中栓)が付いている精油ビン。
ドロッパーには空気穴があります。

ビンを斜めに傾けて、自然に落ちてくる精油をティッシュペーパーなどに一滴落としてみましょう。

香りを確認するための専用の紙。
ムエットと呼ばれる試香紙を用いることもできます。

精油ごとの特徴や精油の異なる落下時間も楽しみましょう。

種類によって粘度が異なっている精油。
色のついた精油もあります。

一度に何滴も出たり、飛び散ることがあります。
精油を落とすときはビンを振らないようにしましょう。

10-2.落とした精油をゆっくり鼻に近づけて香りを確認する

精油を落としたティッシュや試香紙は、精油が鼻に直接つかないように近づけて軽く振りましょう。

空気中に拡散した香りをゆっくり嗅ぐことができます。
一度に全体的な香りを感じ取ることもできるでしょう。

刺激の強い香りもあります。
粘膜を刺激することがあるため注意しましょう。
時間は短めにして、体調に合わせて注意しながら楽しみましょう。

11.アロマテラピー基本の5つの方法とは?

それぞれの精油の特性や自分の症状に合わせて、上手に使い分けましょう。

不眠には沐浴法、肩こりには塗布やマッサージなど目的に合ったやり方が効果的です。
精油の有効成分を効率よく吸収することができるでしょう。

11-1.芳香浴法

空気中に香りの分子を拡散させる芳香浴。
精油の殺菌効果で空気も浄化されるでしょう。

呼吸から吸収されて脳や神経、臓器に作用し、気分をほぐしてくれます。

〔方法①〕
マグカップや洗面器に約40〜50℃のお湯を注いで、精油を2〜6滴加えて香りを拡散させます。

〔注意点〕
使用時間は朝・昼・晩、それぞれ約15分にしましょう。
好きな香りでも一日中拡散させていると、疲労感や頭痛を生じさせることがあります。

11-2.吸入法

最も手軽に行うことができる吸入法。
精油の芳香成分が嗅覚と呼吸器から直接体内に取り込まれて働きかけます。

〔方法①〕
精油のビンの蓋をとり、鼻に近づけて深く深呼吸します。

〔方法②〕
ティッシュペーパーやハンカチなどに精油を含ませて香りをゆっくり吸い込みます。

〔方法③〕
マグカップや洗面器に約40〜50℃のお湯を注いで、精油を1〜3滴加えます。
目を閉じて、上ってくる蒸気を鼻と口から吸い込みましょう。

〔注意点〕
精油のビンや蒸気に顔を近づけすぎないようにしましょう。
一気に吸い込んで、むせてしまいます。
吸入時間は最大10分です。

熱湯は使用しないでください。
高熱によって精油の成分が変質したり、火傷の危険があります。

11-3.塗布・湿布

精油を塗ったり、湿布を貼ったりして皮膚から吸収させる方法です。

炎症や腫れを抑える冷湿布、血行を促進して痛みをやわらげる温湿布など使い分けましょう。
(人気記事→肩こりは意識的にストレッチを!!リラックスできて仕事効率もアップ!

〔方法①〕
塗布の場合、精油をキャリアオイルなどで最大2%に希釈して患部に塗ります。

〔方法②〕
湿布の場合、洗面器に冷たい水か熱いお湯を入れ、精油を加えてタオルを浸します。
よく絞った後、患部に約10分湿布します。

〔注意点〕
塗布するときは必ずキャリアオイルで希釈して使用します。

皮膚刺激の強い柑橘系の精油は注意してください。
使用を避けるか少量にしましょう。

11-4.沐浴法

精油を落としたお湯につかる沐浴法。
空気中に揮発した芳香成分を呼吸器や皮膚から吸収できます。

体が温まって全身の筋肉がほぐれます。
抹消血管の血流も良くなるため、ストレスや疲労感が解消されるでしょう。
(おすすめ記事→働きざかりの今。ストレスなんかに負けません!

〔方法①〕
全身浴の場合、約40℃のお湯に3〜6滴の精油を加えて、肩までつかり入浴します。

〔方法②〕
半身浴の場合、約38℃のぬるま湯に3〜6滴の精油を加えて、みぞおちから下だけお湯につかります。

入浴時間は約20分です。

〔方法③〕
フットバスの場合、大きめの洗面器やバケツなどに約40〜42℃の少し熱めのお湯を張って、2〜5滴の精油を加えかき混ぜます。

ふくらはぎの半分くらいまでひたして温めます。
時間は約10〜15分です。

〔注意点〕
フェンネルやバジルなどのスパイス系や柑橘系の精油は皮膚刺激を感じることがあります。
入浴前にキャリアオイルなどで希釈してお湯に加えましょう。

11-5.トリートメント法

皮膚から吸収した精油の有効成分と血行を促進するマッサージのトリートメント法。

疲労や緊張を取り去ってくれます。
(関連記事→肩こりや筋肉痛にも効果あり!手軽にできるアロマトリートメントの方法教えます。

12.アロマテラピーを行う前のパッチテストの方法とは?

種類がたくさんある精油は体質や体調などによって皮膚に合わないことがあります。

マッサージや塗布するときは、安全を確認するためにパッチテストを行いましょう。

希釈濃度に沿って薄めた精油を前腕部の内側に一滴落とします。
そのまま24〜48時間放置して、かゆみや炎症など皮膚の異常が起きないか確認しましょう。

反応がなければ問題ありません。
痒くなったり赤くなったりする不快感や異変があった場合は体質に合っていません。

直ちに中止し、大量の流水や無香料の石けんで洗い流してください。
タオルでやさしく拭いて空気にさらしましょう。
体内に入った成分を出すため水も飲みましょう。

13.アロマテラピーを行わない方が良い人とは?

刺激性が強いアロマテラピー。
使用する人の健康状態や体質、感受性などを考慮しましょう。

13-1.病気や既往歴のある人

てんかんや高血圧など持病があったり、以前かかって治った病気のある人です。

医師による治療を受けていたり、薬を処方されていることが多いでしょう。
必ず担当医に相談してください。

13-2.アレルギー体質や皮膚が弱い人

アレルギー症状のある人や敏感肌の人です。
パッチテストでも反応が出やすいでしょう。

初めて利用する人は精油の希釈濃度に注意してください。
他にも、妊娠中の女性や3歳未満の子どもは使用しない方が良いでしょう。

③アロマ 使い方

まとめ

有効成分が高濃度に含まれている発揮性の芳香物質。
精油はそれぞれの植物がもつ特有の香りと機能があります。

アロマテラピーの基本は自分の判断で希釈濃度を変えたり、塗ったりしないことです。

かえって体に負担をかけてダメージを与えてしまいます。
使う前にそれぞれの説明をよく読んで正しく使いましょう。

自分に合った精油を選んで利用してください。
楽しみながら気分転換できるでしょう。

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HANA

HANA

いろいろな本を読んで役立つ記事をご紹介しています。調べることによって、新しい情報 を取り入れることができて知識の幅が広がります。実際、幾つか試して不調を改善できま した。実感したことですが、健康に良いと思える情報でも、すべての人に効果が出るわけ ではないということ。人それぞれ持っている体質・症状の個人差や生活スタイルの違いな どがありますので、期待していた効果が現れないとしても当然かもしれません。抱える不 調を治したいという思い、諦めないで改善する努力を続けることが大切だと感じました。 健康であれば日々の生活も楽しくなります。「これは自分に合うかもしれない」と思う情 報をぜひ試してみてください。
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