多くのトップアスリートが取り入れているメンタルトレーニング。
特にストレスが多い現代社会では、メンタルヘルスのケアは非常に重要です。
今回はビジネスマンにおすすめのメンタルトレーニングをご紹介します。
1.ビジネスマンが抱えるメンタルヘルスのリスク
ビジネスマンにとって、ストレスとどう向き合うかは大きな課題です。
うまく対処できず、メンタルヘルスを損なう人は後を絶ちません。
特に職場で重要な役割を任せられる30代から40代は、メンタルヘルスを損ないやすい世代です。
1-1.30代から40代のビジネスマンが抱える悩み
働き盛りの30代のビジネスマンは様々な方面からのストレスに直面しています。
まず、最も大きいのが仕事におけるストレスです。
20代のうちは目の前のタスクを処理するのに必死でも、30代になれば仕事を俯瞰して見れるようになるだけでなく、この時期の仕事は将来のキャリア形成のためにも大切です。
また、今後のことを考えて転職してキャリアアップを目指すときにも、30代は最後のチャンス。
そのため会社に残るか、思い切って新天地に出ていくか、決断を迫られている人も少なくありません。
さらに、このままでよいのかという悩みも加わりやすいのがこの世代です。
これまで仕事に打ち込んできた人も、この先のことを考えてしまうはず。
また、30代以降のビジネスマンが抱えているストレスは仕事の面だけではありません。
30代はプライベートの面でも様々な変化が訪れるときです。
結婚して子どもがいるという場合には、子どもの教育や将来が大きな問題として表れます。
また、独身だという人でも今後独身を貫くか、結婚して家庭を持つか悩む人もいるでしょう。
そのほかにも、住宅ローンや老後の蓄え、自分の両親の介護なども現実的になってくる時期です。
これらの問題は、ひとまとめに解決できる問題ではありません。
しかも同時多発的に発生することも珍しくなく、こういったストレスが積み重なっていくと、結果的にメンタルヘルスを損ねてしまいます。
また、ストレスへの対処を誤ると仕事のパフォーマンスも低下し、思ったような結果を出すことができなくなってしまいます。
2.そもそもストレスとは?
現代社会につきもののストレス。
しかし、そもそもストレスとはどのようなものなのでしょうか。
ストレスとは、そもそもは物理学で使用される言葉です。
本来のストレスが示すのは「物に力が加わったときに生まれる歪み」のこと。
それが転じて、心理学でも心の状態に関わる出来事として使われるようになりました。
心理学ではストレスの要因はは四つに分類されています。
それが気温や騒音などの「物理的ストレス」、酵素や薬物、科学物質が原因と「化学的ストレス」、病気やウイルス、炎症などの「生物学的ストレス」、そして怒りや緊張、不安などの「心理的ストレス」です。
人間のメンタルはこれら四つのストレス要因が加わると心身の機能に変化が生じ、その際に生じる反応がストレス反応とよばれています。
しかし、一概にストレスが悪いものかというと、そうと限ったものではありません。
ストレスが強くなりすぎると、気分が委縮したり、やる気がなくなったりするものですが、反対に適度なプレッシャーはやる気を発揮したり、元気の源にもなるもの。
さらに、現代人の中に多い心理的ストレスは、怒りや悲しみだけでなく、喜びなどプラスの感情でも発生します。
そのため、ストレスをゼロにすることは不可能です。
重要なのは、ストレスとの付き合い方や、管理の仕方を身につけることです。
3.ストレスが起きるとどんな変化が生まれる?
実際にストレスとの付き合い方や対処法を見ていく前に、ストレスが発生したときに生まれる人間の心と身体の変化について確認しておきましょう。
ストレスが発生したときに生まれる人間の身体の反応は、ストレス反応と呼ばれ「心理的反応」「身体的反応」「行動的反応」の三つに分けて考えることができます。
心理的反応は、精神的な部分で起きる反応で、不安になる、気分が落ち込む、集中力がなくなるといった形で表れます。
身体的反応は疲れや頭痛、肩こり、めまいなどとしてストレスが現れる状態。
行動的反応は、人付き合いを避ける、身だしなみが乱れる、タバコやアルコールの量が増えるといった反応です。
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これらの反応は本人の自覚できない部分で発生することがあるため、自覚していないストレスを測定する指針として利用されることがあります。
しかし、ストレスを排除すればパフォーマンスが向上するかというと、そうでもありません。
すでに述べたように、適度なストレスやプレッシャーは本来持ち合わせている以上の実力を引き出すことがあります。
また、ストレスのかかる状況は仕事上の成長のチャンスにもなります。
たとえば、ビジネスマンの場合、新規事業の立ち上げなどは、大きなストレスを感じる仕事ですが、同時に大きなやりがいがある仕事です。
そのため、このとき感じるストレスは、今後の仕事を進めるエネルギーとしても役立ちます。
ただし、このときに注意したいのがストレスのバランスです。
もし経験も実績も不足しているにも関わらず、自分の実力以上の仕事を与えられた場合、そのストレスはパフォーマンスを向上させることはなく、反対に仕事の能力低下を招いてしまいます。
逆に、実力がある人が能力以下の業務しか与えられないといった場合にも、ストレスは仕事のやる気を奪ってしまいます。
そのため、ストレスの大きさはもちろんのこと、ストレスの種類や状況を管理することが重要と言えます。
4.ストレスを管理するためのメンタルトレーニング
それでは、どのようにすればストレスを適切に管理できるのでしょうか。
そのためにはまず自分がどのような状況に置かれているのかを把握する必要があります。
どのような種類のストレスがあり、それが大きいのか小さいのか、まずそれを詳しく自覚する必要があります。
これはストレスチェックと呼ばれているもので、現在どのようなストレスをどれほど感じているのかを書き出していく方法です。
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このとき注意したいことは、「自分にはストレスではない」ということもストレスの要因になっている可能性があるということ。
また、ストレスの要因としては心理的なものにばかり注目が集まりがちですが、物理的ストレスや化学的ストレス、生物学的ストレスもストレス要因として考える必要があります。
これらのストレスは「我慢できなくもない」という程度のものもありますが、そういった細かいストレスが積み重なることで仕事のパフォーマンスの低下を招くことがあります。
5.まず休むことからスタート
ストレスの種類や内容が分かったら、まず現在感じているストレスを一度リセットすることが必要です。
これは「ストレスコーピング」と呼ばれるストレスへの対処法で、崩れてしまった心のバランスを回復させる方法のひとつ。
そのストレスコーピングの中で特に重要なのが「休むこと」。
といっても、単にじっとしているということではありません。
正しくストレスコーピングを行うには、いくつかのコツがあります。
5-1.休むと決めたらしっかり休む
休むときにありがちなのが、「休む」ことに罪悪感を感じてしまうこと。
休んでいる間にできることがある、周りは働いているのに休むなんてなどと考えて、休んでいるのに仕事のことを考えてしまうことがありますが、これはストレスコーピングとしてはもっともいけないことです。
過剰にストレスが溜まった状態では、ベストなパフォーマンスを発揮することはできません。
そのため、休むと決めたらしっかりと休むことが必要です。
どうしても丸一日休めないというときは、一日一時間だけでもしっかりと休むことが効果的です。
5-2.短時間でもしっかり休める方法を見つける
短時間でもストレスを軽減するためには、しっかり休む方法を見つける必要があります。
休む方法には横になる、短時間の仮眠をとるといった方法だけでなく、ストレッチをする、深呼吸をするなども効果的な方法です。
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また、マッサージなどを受けることもリラックスする方法としては効果があります。
短い時間でもしっかり休むことで、溜まったストレスをリセットすることができます。
5-3.自分に合った休み方を知る
単に休むといっても、どのような方法でリラックスできるかは人によって異なります。
たとえば好きなものを食べているときが一番リラックスできるという人もいれば、ちょっと身体を動かしているほうがいいという人、カラオケなどで発散させるのがベストという人もいるかもしれません。
どのような方法でも構いませんが、重要なのはそれらをひとりで行うということ。
他人と一緒の場合、会話によってリラックスできることもありますが、誰かと一緒にいると意外と気を使ってしまうものです。
ストレスコーピングのために休むときには、できるだけ自分ひとりで出来る休み方を選ぶとストレス軽減には効果があります。
6.ベストなパフォーマンスを発揮するための3つのメンタルトレーニング
しっかりと休息してストレスをリセットしたら、いよいよ本格的なメンタルトレーニングに取り組みましょう。
メンタルトレーニングには目的や立場によって、様々な方法があります。
6-1.自己肯定感をアップさせるためのメンタルトレーニング
ビジネスマンにとって、メンタルの中でも重要なのが自己肯定感。
自己肯定感とは、簡単に言いかえれば自信のこと。
30代から40代のビジネスマンはこれまで豊富に経験を重ねているため、一見自信にあふれているように見えるものですが、実際には「まだまだ努力が足りない」「理想には程遠い」などと自分を追い込んでしまいがち。
仕事だけでなく、家族やプライベートの問題もあり、なかなか自己肯定感を高めることができません。
さらに日本社会の場合、謙遜することが美徳とされているため、自分をほめるという機会もなかなか少ないもの。
しかし、ビジネスでもプライベートでも、自分に自信がある人は言葉に説得力が生まれます。
自己肯定感を高めるために必要なのは、これまで自分がどのような成果を上げて来たのか確認することです。
まず、自分のこれまでの成功体験を書き出してみましょう。
どのような小さなことでも、自分が達成してうれしかったことを書き出すことで、成功体験の一覧が生まれます。
その際、成功したときのパターンや、そのときに発揮した長所などを添えるのも効果的です。
このように自分の過去の成功体験を文字にすることで自分に対する否定的な感情がなくなり、自分の理想に近づくためにはこれからも頑張っていけばいいと再認識することにつながります。
6-2.プレッシャーを力に変えるためのメンタルトレーニング
重要な仕事を任されたときやプレゼン前など、強い緊張を感じる人は少なくありません。
そのときに必要なのは、プレッシャーをやる気に変えることです。
そのためのメンタルトレーニングとして求められるのは、目標を設定するということ。
最終的なゴールだけでなく、仕事やプレゼンの前までに、どのようなことを行えばいいのかという目標を細かく設定していきましょう。
注意したいのは、目標をできるだけ細かく、低く設定すること。
そうすることで、具体的に何をすればいいのかということが明確になるだけでなく、一つずつ目標をクリアしていくことで達成感とプラスの感情を手に入れることができます。
プレッシャーを力に変えるために必要なのは、成功体験の積み重ね。
小さな目標を達成しつづけることで、より大きな目標を達成するための自信とやる気を身につけることができます。
6-3.仕事に対するモチベーションアップするためのメンタルトレーニング
どんな人でも、仕事に行きたくない、やる気が出ないということはあるものです。
そういった場合に必要なのは、目標を再確認することです。
目標を見失った状態では、自分が何のために働くかがなかなか見えづらいもの。
また、実際に働いていると、理想と現実のギャップや、仕事に対するマンネリ感を感じることもあります。
その場合には、まず自分が今現在、何をしたいのかを確認してみましょう。
その上で、現在やりたいことと仕事への頑張りがどうつながるのか確認することで、仕事へのモチベーションを高めることができます。
まとめ
人間は誰でも調子のよいとき、悪いときがあります。
重要なのは、メンタルトレーニングによりその平均値を高めることです。
より高いパフォーマンスを発揮するため、一度メンタル面にも目を向けてみるのはいかがでしょうか。
T.Ttally
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