規則正しい生活をして、食事にも気を付けているのになんとなく身体が重いということはありませんか?
そんなときにおすすめなのが半日&週末断食。
今回は停滞期のダイエットにも効果的な半日&週末断食についてご紹介します。
1.断食とは?
断食というと、最近では健康法の一種ととらえられがちですが、断食は非常に歴史のあるものです。
断食の歴史については諸説ありますが、一説によると二千五百年前のインドではすでに断食が行われていたと言われています。
当時の断食は宗教的な修行の一種で、災いから逃れるためや悟りを開くために行われていたようです。
こういった断食はヒンズー教や仏教だけでなく、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教でも行われてきました。
日本でも千二百年ほど前から仏教の修業として断食が実践され、修行の一環として多くの僧侶が断食を行ってきました。
断食の健康的な側面に注目が集まるようになったのは、十九世紀の終わりごろ。
ヨーロッパで断食が健康に与える効果についての研究が始まり、やがてそれがアメリカにわたり、ファスティングとして注目されるようになりました。
現在、アメリカやヨーロッパでは断食は医療行為の一種としてとらえられています。
2.健康と断食の関係
宗教の修業の目的で行われる場合、食事はもちろん、水をはじめとする水分を一切取らないというものもあります。
しかし、水分は人間にとって絶対に必要なものであるため、断食では水分を摂取しないことは非常に危険な行為です。
そのため、健康目的で行われるファスティングの場合、水分はもちろん、食事の代わりに酵素ドリンクなどを始めとする消化器官に負担のかからない栄養を摂取する場合もあります。
人間にとって食事は非常に大切なものです。
食事を取らないということは健康とは正反対に思える行為ですが、なぜファスティングは身体の機能によい影響を与えれるのでしょうか。
まず、ファスティングが健康に良い影響を与える理由のひとつには人間の消化器官と関係があります。
普段意識することはほとんどありませんが、人間の身体が食事を消化し、吸収するにもエネルギーが必要になります。
一日三度の食事を行っている場合、実はそのエネルギーはかなりの量になります。
特に脂質やタンパク質などは消化吸収には多くのエネルギーが必要で、一日をトータルするためには消化吸収にはフルマラソン一回分と同等のエネルギーを消費するといわれています。
言い換えれば、ファスティングを行えばこのエネルギーが節約でき、それを身体の治癒に使用できるということ。
さらに一日三度の食事を続けていると、胃や腸は一日中フル稼働している状態になります。
どんなものでも、働き続けるとどうしても動きが悪くなってしまいます。
ファスティングによって胃腸の働きを最小限に抑えることは、胃腸に普段から蓄積した疲れやダメージの回復にも役立ちます。
また、ファスティングによるエネルギー制限は、人間本来の能力を活性化する効果も期待できます。
そもそも日本人が一日三度の食事を取れるようになったのはごく最近のことです。
それまでは一日二食の食生活が一般的でした。
さらに歴史をさかのぼれば、狩猟採集の時代には満足な食事を食べられるのが数日に一度ということも珍しくありませんでした。
そのため、もともと人類は空腹な状態でいることが当然だったのです。
(おすすめ記事→肉好き男性にぴったり!?話題のパレオ式ダイエットとは?)
逆に多すぎる食べ物が身体の負担になっていることがあります。
たとえば、一定期間食べ物が食べられない場合、副腎皮質から糖質ホルモンが分泌されますが、これは血中の最低限の血糖値を維持する働きがあります。
さらにアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されることで、自律神経が活性化、交感神経と副交感神経のバランスを取ろうとします。
人間は交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで健康な生活を維持していますが、これらのバランスはストレスなどが蓄積するとすぐに乱れてしまいます。
この自律神経が乱れると、身体に疲れやだるさを感じる、熱が出る、全身に不快感があるという肉体的な症状はもちろん、精神的に不安定になる、気分が落ち込むなど、様々な症状が現れます。
これが現代人に特有の「自律神経失調症」と言われるものです。
しかしファスティングによって自律神経のバランスがとられることで、これらの不調がなくなり、本来の健康な肉体を取り戻す効果が期待できます。
3.断食によるダイエット効果
それでは、断食はダイエットにはどのような効果があるのでしょうか。
断食とは、何も物を食べないことです。
そのため、摂取カロリーが減少することで痩せると考えられがちですが、断食で体重が減少するのは、それだけではありません。
まず、ファスティングによるダイエットへの大きな効果が脂肪燃焼効果。
通常、人間の身体は食べ物に含まれる糖分をブドウ糖に変換し、それをエネルギー源として活動しています。
しかし、物を食べないファスティングを行っていると、体内のエネルギー源であるブドウ糖が使い果たされてしまいます。
そこで登場するのが脂肪です。
脂肪はもともとは食べ物の中で使いきれなかったエネルギー源を貯めておくためのものです。
ファスティングによって体内のエネルギーがなくなると、体内の中性脂肪が肝臓に集まり、分解されて「ケトン体」という物質に変換されます。
このケトン体は非常にエネルギー効率が高い物質で、何も食べなくても人間の身体の活動を支えてくれます。
さらに、このケトン体にはもうひとつの効果があると言われています。
ケトン体の中には「βヒドロキシ酪酸」という物質が含まれていますが、このβヒドロキシ酪酸は効率よくエネルギーを消費するという命令を細胞の中にあるミトコンドリアに送ります。
この命令を受けたミトコンドリアは細胞の中で次々と脂肪をエネルギーとして消費、結果としてすでにある脂肪が消費されるのに加えて、太りにくい身体を作ることにつながります。
このβヒドロキシ酪酸による指令は断食を終えても一定期間続くため、それまで溜まった脂肪を効率よく消費することができるのです。
また、この断食中には血中の中性脂肪が使われるというのも、ダイエットに効果があるポイントです。
もし中性脂肪が多い場合、血液はどろどろの状態になり、なかなかスムーズに流れないだけでなく、末端の細い血管では詰まりなどを起こし健康上のトラブルの原因となることもあります。
しかし、血中の中性脂肪が減少すると血行が良くなり、新陳代謝が活発化します。
これまで使われていなかった細い血管も活動を再開するため、基礎代謝がアップ、さらに痩せやすく太りにくい身体に導いてくれます。
4.断食によるデトックス効果
さらに、ファスティングを行うことで、身体の中に溜まった悪いものや有毒なものをデトックスする効果も期待できます。
人間の身体の中にアルコールや食品添加物といった有害なものが入って来ると、肝臓が解毒を行ってくれます。
しかし、次々に有毒なものが取り込まれていくと、肝臓の処理能力をオーバー、それが血中に戻ってしまいます。
一度血中に戻ってしまった有毒な物質は、身体のあちこちに運ばれるため、少しずつしか処理することができず、結果として体中に有毒物質が蓄積されてしまいます。
しかし、ファスティングを行うと、一時的に口から取り込まれる有害物質がストップします。
その結果、肝臓の処理能力には余裕が生まれ、その余力をすでに体内に蓄積してしまった有害物質の処理に回すことができます。
(おすすめ記事→リバウンドなし!男性でもできるスムージーダイエット)
5.断食を実際に行う上でのポイント
このようにダイエットをはじめ、様々な効果があるファスティング。
それでは実際に断食を行うときにはどんな点に注意すればいいのでしょうか。
まず必要なのは、「準備期間」と「回復期間」を設けるということ。
断食というと、いきなり食事を抜いてしまうイメージがあるかもしれませんが、その場合、身体に大きな負担がかかります。
また、断食の直後にいきなり普段の食事に戻してしまうと、せっかく休んだ内臓がいきなりフル稼働しなければならないため、せっかく断食で取り戻した活力を使い果たしてしまいます。
そのため、準備期間と回復期間は特に重要です。
まず準備期間は最低でも一日以上は設けるようにしましょう。
初めて断食を行う場合には、三日前から食事の量を少しずつ減らしていきます。
その際、アルコールや脂質、お菓子といったものを避けるのも重要です。
断食に入る前の夜は、スープやおかゆといった消化によく、身体を冷やさないものがおすすめです。
断食が終わったあとも、最低でも一日はスープやおかゆといった身体に優しい食事を続けましょう。
そうすることで胃腸への負担やリバウンドによる体重増加を防ぐことができます。
6.半日断食ダイエットプログラム
今まで断食をしたことはないけれど興味がある、一度やってみたいという方におすすめなのが、半日だけ断食を行う「半日断食」です。
半日であれば気軽にチャレンジできるため、身体に与える負担も少なく仕事が忙しいという人でも働きながら実践できます。
まず半日断食ダイエットを行う場合、夕食からの断食を行うのがチャレンジしやすいでしょう。
一日目の朝食と昼食は腹八分目に抑えながら、脂質や塩分、糖分などを減らしていきます。
なお、このときお菓子などもできる限り控えるとよいでしょう。
さらに夕食を軽めに済ませたら、その日は水分以外のものは食べずに就寝します。
翌日、目が覚めたら朝食と昼食は抜きましょう。
ただし、水分はしっかりと摂取しましょう。
また、どうしても空腹を感じて我慢できないという場合、100%のフルーツジュースや野菜ジュースを摂取しましょう。
その後、夕食は回復食としてスープやおかゆを摂取します。
このとき、前日の夕食から十八時間以上空けると断食効果がアップします。
また、当日の夕食も抜いて、翌日の朝食まで断食を継続するのも効果的です。
7.週末断食ダイエットプログラム
もし週末や、まとまった時間がある場合におすすめしたいのが週末断食ダイエットです。
週末断食はある程度の期間まとめて行うことができるため、デトックスや内臓の休養といった断食のメリットが現れやすく、効果を実感することができます。
週末断食を行う場合、断食する前日の夕食は軽めに済ませて、そのまま就寝、翌日の朝食から本格的な断食に入ります。
その際、水分はしっかり摂取しましょう。
ただし、水を飲んで気を紛らわせようとして一度に大量に水分を取ると胃腸に負担がかかります。
水分を摂取するときには、何度かに分けてこまめに飲むように気を付けましょう。
週末断食の場合、断食の最終日は一日回復期を設けることも必要です。
最初は重湯やおかゆから始めて、少しずつ普通の食事に戻していきます。
なお、ヨーグルトなども回復食には役立ちますが、冷たいものをいきなりお腹に入れると不調の原因になることもあるため、注意が必要です。
どうしても断食が辛いという場合には、酵素ドリンクや野菜ジュースなどを活用しても便利です。
(人気記事→ジュースを飲むだけ!体内クレンズで男臭さリセット!!)
8.断食を行う場合の注意点
断食には様々なメリットも多いものですが、食べないというのはやはり危険な行為。
そのため、断食を行うときには注意しなければならないポイントもあります。
まず注意が必要なのは「決して無理をしない」ということ。
断食をやっていると、ついついストイックな気持ちになり、「何も食べてはいけない」と考えてしまいますが、我慢できないぐらいの空腹感や、めまいやふらつきを感じるなど、身体の不調を覚えたら、断食を中止するのも重要です。
また、専門家と一緒に断食を行うのではなく、自分ひとりで実践しようという場合には、最大でも三日間程度にとどめておきましょう。
断食を行っている専門家の中には、一週間から十日など、長期間にわたって断食を続ける人もいますが、素人が真似をすると非常に危険です。
特に初めての場合、身体が断食に慣れていないこともあるため、いきなり無理をするのはやめましょう。
もし長期間の断食をやってみたいという場合には、専門家に相談することも必要です。
当然のことですが、持病がある人や成長期の人は、断食は避けたほうがよいでしょう。
まとめ
ついつい食べ過ぎの傾向にある現代人にとって、断食は非常に効果を感じられるもの。
断食には精神的なメリットもあるので、最近ちょっと不調だという方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
T.Ttally
最新記事 by T.Ttally (全て見る)
- 放置すると命の危険も!ストレス性動悸とは - 2019年4月4日
- どうすればいい?ストレスで起きる頭痛の対処法 - 2019年3月29日
- 満足しながら痩せられる!豆類ダイエットの効果とは - 2019年3月21日
- 初心者でも安心!自宅で行う一週間筋トレ法! - 2019年3月14日
- 見た目の印象を変えたいなら!顔痩せダイエット徹底解剖 - 2018年11月22日