低糖質ダイエットやグルテンフリーダイエットなど、食べ物だけで痩せるダイエット方法は数多くありますが、「食べ物だけ変えて痩せるわけがない」と思っている人も多いはず。
確かに適度な運動を組み合わせなければ美しいボディラインを作ることはできません。
しかし、数に何度か運動強度の高いトレーニングを取り入れるだけで効果的に痩せられるというダイエットが今注目されています。
それがパレオ式ダイエットです。
忙しい現代の男性にぴったりのパレオ式ダイエットについてご紹介します。
1.パレオ式ダイエットとは?
パレオ式ダイエットの「パレオ」とは、「パレオシック」、「旧石器時代」を表す言葉の略語です。
つまりパレオ式ダイエットとは、旧石器時代のような食生活を行うことで、人間が本来持っている機能や健康、体の美しさを取り戻そうというダイエットです。
このダイエットは別名「狩猟採集式ダイエット」とか「原始人食ダイエット」とも呼ばれることもあります。
確かに、旧石器時代の人が太っているというイメージはほとんどありません。
また、内臓脂肪や生活習慣病といった現代病とも無縁のはず。
そういった自然志向の暮らしを送りつつ、きれいな身体を手に入れるというのが「パレオ式ダイエット」です。
2.パレオ式ダイエットの歴史
現在、アメリカのセレブリティが実践し、大幅な減量に成功したことで注目されるパレオ式ダイエット。
パレオ式ダイエットが最初に提唱されたのは1970年代の中頃。
アメリカの消化器病の専門家出会ったウォルター・L・ヴォーグトリンによって世の中に広がりました。
その後多くの研究者や作家によって大流行したパレオ式ダイエットは、人間の身体は旧石器時代にほぼ完成されていたという理論に基づいています。
そのため、旧石器時代の先祖から遺伝子を受け継いでいる現代の人間の食生活も、旧石器時代のもので十分栄養補給できると考えています。
現代は非常に豊かで、食生活もバラエティーに富んだ時代です。
その結果、多くの現代病、特に肥満に悩む人が多くなりました。
この豊かな食生活を見直すことがパレオ式ダイエットの第一歩となります。
3.パレオ式ダイエットのやり方
パレオ式ダイエットは、運動ではなく食事の見直しを中心に行うダイエットです。
ポイントは「旧石器時代人のような食生活を送ること」です。
といっても、旧石器時代人がどのような食事をしていたのか、すぐに頭に浮かぶ人はほとんどいないでしょう。
そのため、パレオ式ダイエットでは旧石器時代人の食事を現代に置き換え、普段の食材を食べていいものと食べてはいけないものの二つに分けています。
3-1.パレオ式ダイエットで食べていいもの
・動物性たんぱく質
旧石器時代は狩猟や採集が食材調達の中心でした。
つまり、狩りによって集められる肉や魚、貝などはパレオ式ダイエットが推奨している食材です。
これが男性にとっては非常にうれしいところ。
多くの男性は肉が好きですが、通常のダイエットでは肉は入カロリーなので避けろと言われるところですが、パレオ式ダイエットでは肉は当然OKです。
しかもどの部位でも食べていいのが非常に取り組みやすいところです。
たとえば低糖質ダイエットなどでも「肉はOK、でも脂身はできるだけカットして」「鶏肉はササミかムネ肉、モモ肉はNG」などと言われることがあり、肉を食べてもいいと言いながら結果的に食べられないものが多くなり、なんだか詐欺にあったような気分になることがあります。
(おすすめ記事→食事の量を減らさないダイエット!?肉や魚は食べて、糖質を制限。)
しかし、パレオ式ダイエットではどんな肉のどんな部位でもOK。
牛肉のカルビやホルモン、豚のスペアリブ、鶏肉なら好きな部位を食べることができます。
肉好き男性にとって、食事中心のダイエットを送る上でこれほど楽なことはないかもしれません。
また、これは肉に限ったことではありません。
魚もまた動物性たんぱく質なので、パレオ式ダイエットではおすすめの食材ですが、これは火を通しても生、つまり刺身でも変わりません。
たとえばマグロの大トロや、脂のたっぷりとのったブリの刺身などもパレオ式ダイエットではOKの食材となります。
そのほか、卵や貝類などもパレオ式ダイエットでは食べてもいい食材ということになるため、食材選びではほとんど苦労することはないでしょう。
ただし、動物性たんぱく質ならなんでもOKでも、注意するべき点もあります。
それは、パレオ式ダイエットではできるだけ自然な状態の肉を選ばなくてはならないということ。
厳密に言うと、牛肉では牧草だけを食べて育った牛ならばOKですが、トウモロコシや配合飼料など、本来牛が食べていないエサを与えられたものはNGになります。
現代ではどのようなエサを食べて育った牛なのかということを知るのは非常に難しいため、牛のエサまで徹底的に調べる必要はないでしょう。
ただし動物性たんぱく質でもつなぎに様々なものが加えられたソーセージや、燻製するときに多くの加工が行われているハムといった加工肉は避けたほうがよいでしょう。
・脂肪分
多くのダイエットでは脂肪分は避けるべき食品の代表ですが、パレオ式ダイエットではこの脂肪分もいくらでも食べていいものとされています。
ただし、この脂肪分にも「できるだけ自然な状態の脂」という制約が付きます。
たとえば、牛肉や豚肉、鶏肉に元々付いている脂や、牛のミルクに由来しているバターなどはどれだけ口に入れても構いません。
しかし、精油のときに加工が加わっている大豆油やキャノーラ油、サラダ油などはNGとなります。
また、オリーブオイルやアボカドオイルなどは加熱を行わないのであれば口にしてもOKということになります。
ピーナッツオイルやアーモンドオイル、グレープシードオイル、ココナッツオイルなども使用することができます。
この点が少し面倒に思えるかもしれませんが、しかし慣れてしまえば非常に簡単。
たとえば肉を焼くときには、テフロン加工のフライパンなどを使用すれば食材がもともと持っている脂だけできれいに焼き上げることも可能です。
また、日本の一般的なスーパーなどで購入できる食用油の中で、パレオ式ダイエットに使えるのはオリーブオイルぐらいのものです。
さらに実際にパレオ式ダイエットを行うときには、肉以外に火を通す必要のある食材はそれほど使用しないため、「肉の脂と、後から加える加熱しない状態のオリーブオイルはOK」というふうに覚えておくと、とても気軽にパレオ式ダイエットを実践できるでしょう。
・野菜とフルーツ、ナッツ
野菜はパレオ式ダイエットでは摂取の勧められている食材です。
後ほど述べることになりますが、パレオ式ダイエットでは穀類を食べることはNG。
しかしそのままではどうしても身体を動かすために必要な炭水化物が不足してしまいます。
そこでパレオ式ダイエットでは野菜から炭水化物を摂取しようという発想になっています。
パレオ式ダイエットは低糖質ダイエットとは異なるため、野菜の中でも炭水化物が多く含まれている食材を食べてもOK。
たとえばかぼちゃやニンジン、さつまいも、レンコンなどには炭水化物が豊富。
ちょっとお腹が空いたというときにもしっかりと満足感があるため、非常におすすめの食材です。
(人気記事→リバウンドなし!男性でもできるスムージーダイエット)
ただし、野菜の中で注意が必要なのがじゃがいもです。
じゃがいもは炭水化物も豊富なのですが、パレオ式ダイエットでは避けるべきと言われているグルテンも多く含んでいます。
グルテンは体調に悪い影響をもたらすと言われているのがその理由ですが、実はパレオ式ダイエットの専門家の間でも、イモ類は食べてもいいのか悪いのか、意見が大きく分かれています。
そのため、徹底的に挑戦したいという人はジャガイモだけでなくイモ類を避ける、肉類と同じように牛のエサまで気を使いたくないという人はジャガイモ以外のイモ類はOKというように、自分の中で線引きをしておくとよいでしょう。
また、フルーツやナッツもパレオ式ダイエットでは食べてもいい食品とされています。
フルーツもナッツも非常に栄養豊富な食品で旧石器時代人の食生活でも頻繁に登場したと思われる食材です。
特にフルーツ類の中では、糖分が控え目で栄養豊富なクランベリーやブルーベリーといったベリー類、不飽和脂肪酸の少ないマカダミアナッツがおすすめです。
ただし、フルーツやナッツはカロリーが多いため、食べ過ぎると当然のことながら体重の減少が緩やかになります。
そのため、早く結果を出したいというときには、フルーツとナッツは控え目にしたほうがよいでしょう。
なお、このほかにもドライフルーツやはちみつ、メイプルシロップなども食べてもOKの食品となっているため、甘いものが好きという人もストレスをため込むことが少ないダイエット法と言えるでしょう。
3-2.パレオ式ダイエットで食べてはいけないもの
・穀類と豆類
パレオ式ダイエットで食べてはいけないものは、穀類と豆類です。
例えば、他のダイエット方法で進められている玄米や、低糖質ダイエットでは食べるべきとされている大豆類などもNGとなります。
これは穀類と豆類の中に、グルテンが含まれていることが理由です。
グルテンは植物性のたんぱく質で、アレルギーをはじめとする身体の不調を引き起こす可能性があります。
これは体質によるものとされますが、実際にグルテンをカットする「グルテンフリーダイエット」なども存在し、一定の成果を上げていることから、大小の差があってもグルテンはある程度身体に影響を与えるものだと考えられます。
(おすすめ記事→食欲を抑える効果も!グルテンフリーダイエットとは?)
穀類がNGということは当然のことながらお米、パン、パスタなどもNGです。
日本人にとっては辛いところですが、大豆自体がNGとなることから、豆腐や納豆、味噌汁などもNG。
パレオ式ダイエットは非常に取り組みやすいダイエットですが、もしご飯と味噌汁、納豆が大好きという人にとって、ここが少し辛いところかもしれません。
また、先ほどナッツ類はOKだと述べましたが、注意したいのが「ピーナッツ」です。
パレオ式ダイエットの場合、ピーナッツは豆類に分類されるためNG食材となります。
・砂糖
パレオ式ダイエットでNGとなるのは砂糖です。
砂糖は生成された食品であるため、自然の状態に近いものだけを口にする砂糖はNGとなります。
といってもパレオ式ダイエットではハチミツやフルーツはOKなので、それほど苦労することは少ないはず。
ただし、ジュースなどには砂糖が添加されていることもあるので注意が必要です。
・ビタミンDを取る
パレオ式ダイエットではビタミンDのサプリを摂取することが求められます。
ビタミンDは本来は日光に当たることで体内で合成されるものですが、日光に当たる機会の少ない現代人にとっては不足しがちです。
また、太陽光に含まれる紫外線は肌や髪にダメージを与えるということもあります。
そのため、ビタミンDはサプリにて補給することが推奨されています。
4.パレオ式ダイエットの注意点
パレオ式ダイエットでは食べ物以外にも注意するべきことがあります。
まずは「食べ方」です。
パレオ式ダイエットでは「食べたいときに食べる」ということが重要だと考えられています。
これまでいろいろなダイエットを経験した人の中には「食べたいときに食べられるなんて楽勝!」と思う人もいるかもしれません。
しかしちょっと待って!たとえば昼食を食べるとき「12時になったから」「いつも食べているから」という理由で食べていませんか?本当に空腹を感じていますか?
パレオ式ダイエットの目的の一つは、「身体を自然の状態に戻すこと」です。
本当に食べたいわけではないのに習慣だから、時間だからと食べ物を口に入れるその行動が、実は肥満の原因になっている可能性があります。
パレオ式ダイエットでは、もし食べたくなければ一食や二食は飛ばしても問題ありません。
大切なのは、食べたいときに食べるということです。
これは食事だけではなく、運動にも当てはまります。
パレオ式ダイエットでは、毎日決まったトレーニングを行うことは逆にNGとされています。
でも、身体を動かしたくなったら動かすことが大切です。
その際、長時間トレーニングを行うよりも、運動強度の高いトレーニングを集中して短い時間行うことが効果的です。
本来、狩りや採集などでは、人間は短時間に集中して食べ物を得ようとしてきたもの。
その本能を取り返すことがパレオ式ダイエットの目的になります。
まとめ
食べ物やトレーニングなど、かなり自由度の高いパレオ式ダイエット。
それよりも魅力的なのは、男性にとって必要な野生的な本能に訴えかけてくれるということ。
もし今までのダイエットになんだか満足できなかったと言う人は、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
T.Ttally
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