前回、脂肪肝についてご紹介しましたが、脂肪肝の原因の1つに、お酒の飲みすぎがあげられています。
暑い時期のビールは最高ですが、身体に負担をかけてしまう飲み方はよろしくありません。
最悪、禁酒しなくてはいけない場合もあるのです。
ついつい飲みすぎてしまう方は、脂肪肝の怖さを知り、適量を心がけるようにしましょう。
1.過度な飲酒は脂肪肝の原因になる!
肝脂肪の原因の1つに過度な飲酒があげられます。
(前回の記事→脂肪肝は怖かった!知っておくべき症状と治療方法)
過度な飲酒によるアルコール摂取は、体内にある脂肪酸を中性脂肪へと変換させる作用を促進されます。
造り出された中性脂肪は飲酒後なので運動などで使用されることはなく、肝臓へと蓄積されます。
それが徐々に溜まっていくと脂肪肝となるのです。
脂肪肝になるリスクが高まるとされる飲酒量は2~3年にわたっての毎日ビール大瓶3本もしくは日本酒3合程度といわれています。
この飲酒量に該当するようであれば、もしかしたら既に脂肪肝になっているかもしれません。
2.脂肪肝と診断されても飲酒を続けているとどうなるか?
脂肪肝と診断されながらもお酒を飲み続けると肝硬変となります。
肝硬変は肝機能が低下して全身の倦怠感、易疲労性、脱力感、吐き気などの諸症状が伴い、進行が進み重度になれば腹水が溜まり、昏睡状態にもなりかねません。
脂肪肝の時点で治療をすれば肝機能は元へと戻るのですが、肝硬変になれば肝機能の回復はのぞめません。
脂肪肝の段階で手を打つ必要があるのです。
また飲酒による脂肪肝の場合、肝硬変に進行した後は肝臓癌に移行しやすいということがわかっています。
3.脂肪肝の治療に禁酒は必須!!
過度な飲酒が原因となって生じた脂肪肝であれば、治療に禁酒は必須です。個人差はありますが大よそ1ヶ月の禁酒で脂肪肝は改善するとされています。
しかし禁酒は簡単なものではないからこそ脂肪肝になってしまった、という方も少なくないでしょう。
以下に、禁酒を成功させる方法を1つ紹介します。
禁酒の何らかの手がかりとして活動してみてください。
4.禁酒を成功させる方法
禁酒を成功させるために“HALTの法則”という、人がお酒を飲みたくなるタイミングを表した法則が利用されます。
HALTとはHungry(空腹)、Anger(怒り)、Loneliness(寂しさ)、Tiredness(疲れ)の頭文字を指します。
この法則は、人はHALT(空腹、怒り、寂しさ、疲れ)を感じたときにお酒を飲みたくなるということを示しています。
禁酒を成功させるポイントは、HALTを遠ざけることにあります。
以下、各HALTに対する対処法を紹介します。
今、ご自身がお酒を飲むタイミングはどのようなタイミングでしょうか。
まずは飲酒状況を記録して、客観的にご自身の飲酒のタイミングを知ることから始めてください。
HALTに対する対処法
1.H(空腹)
H(空腹)でお酒を飲んでいるなら、十分な食事を摂るように心がけましょう。
食後に口さみしいと感じるのであれば、ケーキやアイスクリームなど甘いものが良いです。
甘いものを食べるとお酒に対する欲求が薄まるとされています。
甘いものの食べ過ぎも脂肪肝には良くはないのですが、まずは禁酒のために自分の好きな甘いものを少々口にしてみましょう。
2.A(怒り)
A(怒り)でお酒を飲んでいるなら、何らかのストレス発散方法を見つけましょう。
科学的に証明されているストレス発散方法として“マインドフルネス”という発散方法があります。
10分程度で良いのでただただ何も考えず、自分の呼吸を感じるという方法です。
人は過去のこと(怒った出来事)、未来のこと(同様に怒るかもしれない出来事)を考えることでストレスを感じます。
過去、未来のことを考えずに“今”に集中する時間をつくることで、ストレスを発散させることができます。
3.L(寂しさ)
L(寂しさ)でお酒を飲んでいるなら、自己受容について考えてみてみましょう。
心理学では寂しさを感じる人は自分に対する評価が低い(自分に価値がない、何かが欠けているなど)傾向があるとされています。
自己評価が低いため他者から認めてもらおうとし、そして何かが欠けている自分を補おうとして“ありのままの自分”を隠して他人に合わせてしまうのです。
ありのままの自分が認められないと思い込んでいると孤独感を感じてしまいます。
自分を評価するのではなく、ありのままの自分を受け入れましょう。
自分は十分足りている、満たされていると独り言でも良いので口に出してみてください。
また日常生活で「こんにちは」「ありがとう」「いただきます」などの言葉を他者や物に与えることで孤独感を解消することができます。
4.T(疲れ)
T(疲れ)でお酒を飲んでおられるのであれば、まずは横になって身体を休めましょう。
また疲れたということを他者に愚痴るだけでも気持ちが楽になります。
そして時間を見つけてスポーツをしてみてください。
ウォーキング、ランニング、筋トレ、ストレッチ…何でも良いです。
スポーツを通じで、疲れる出来事に対応できる身体づくりができます。
(人気記事→男性だってバレエストレッチ!柔軟な細マッチョダンサー体型を目指そう)
5.どうしても禁酒ができない…という場合は?
肝硬変、肝臓がんのリスクを十分に理解していて、飲酒をやめたくてもやめられないという場合はアルコール依存症の可能性が否定できません。
アルコール依存症の専門治療を行っている病院も存在します。
外来通院で治療することも可能です。
自分1人での禁酒はとても大変です。
医療機関を活用してアルコールを断ってみてはいかがでしょうか。
また禁酒がどうしても出来ないという間のせめてもの対応としてはアルコールの度数を下げたり、おつまみをできるだけ摂取しない、また定期的な運動で脂肪を燃焼させるなど、体内への脂肪の蓄積を避けるようにしましょう。
まとめ
自分がどんな時に飲酒しているのか、考えたことはありますか?
そのタイミングを知ることは、脂肪肝の予防にもつながります。
ストレス解消にお酒もよいですが、適量が守れない方は、他者の力を借りることも検討してみてくださいね。
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