最近、薄毛が気になる…と思ったことはありませんか?
日本では男性3人に1人はAGAという進行性の脱毛症を発症していて、AGAはジヒドロテストステロンという男性ホルモンの影響が大きいとされています。
ここではAGAやジヒドロテストステロンの解説、またジヒドロテストステロンを抑制する方法などを紹介します。
1.AGA(男性型脱毛症)とは?
1-1.AGAは男性にみられる脱毛症
AGA(男性型脱毛症)とは主に男性にみられる脱毛症で、30~50代での発症がよくみられます。
男性ホルモン=Androgenの遺伝=Geneが関係する薄毛=AlopesiaであることからAGAと呼ばれ、日本では1000万人以上(男性は3人に1人)の人が発症しているといわれています。
進行性があり放っておくと髪の毛は減り続け、薄毛が徐々に目立っていきます。
部位は前頭部もしくは頭頂部、またはその両方にみられます。
ただしAGAは薄毛にはなるもののうぶ毛が残っており、毛包が存在している限り髪の毛は太く育てられる可能性があります。
(おすすめ記事→薄毛の予防に。健康的な髪を維持するための方法)
1-2.AGA簡単セルフチェック
AGAの症状は特徴的なため、現在抱えている髪の毛の症状などからAGAかどうかをセルフチェックすることができます。
以下、一般的に用いられているAGAセルフチェックリストを紹介します。
該当項目が多いほどAGAの可能性が高くなります。
□ 髪の生え際や頭頂部が薄くなってきた
□ シャンプーやブラッシングによる抜け毛が増えてきた気がする
□ 抜け毛には短くて細い髪の毛が3割程度ふくまれている
□ 髪の毛が弱々しくなり、うぶ毛や短く細い髪の毛の割合が増えてきた
□ 身内に薄毛の人がいる
1-3.AGAは無料で相談できる
AGAは専門のクリニックで髪の毛の状態や薄毛治療についてなどを無料相談することができます。
AGAは早期治療が効果的です。
毛髪サイクルが大きく乱れた状態になってしまうと治療に時間を大きく要したり、治療効果が下がってしまうこともあります。
AGAかもと思ったときは1人で悩まず、まずは専門家に相談しましょう。
また自分に合ったクリニックを探すためにも、2件以上はカウンセリングを受けることをおすすめします。
各クリニックにおける説明内容や治療方針の違い、治療者との相性などを確認しておくと安心して通院・治療にのぞむことができるでしょう。
何か不安を持っているのであれば、一人で悩むよりもまずは専門家によるカウンセリングを受けてみるのが適切です。
2.AGAとジヒドロテストステロン
2-1.AGAの原因はジヒドロテストステロン
AGA主な原因はジヒドロテストステロンという男性ホルモンの影響とされています。
ジヒドロテストステロンとは、同じく男性ホルモンであるテストステロンと5αリクターゼという酵素が結びつくことでつくられます。
生成されたジヒドロテストステロンは毛根の細胞に作用して、髪の毛の元となる細胞の働きを低下させて毛髪サイクルを乱し、薄毛・脱毛を引き起こしてしまいます。
なおジヒドロテストステロンの元となっているテストステロンにおいては脱毛の原因とはならず、むしろ髪の毛を強くする作用があり適度に増加させることが必要といわれています。
また最近ではテストステロンが減少すると、それを補おうとしてジヒドロテストステロンの合成が促進される傾向があるといわれています。
2-2.ジヒドロテストステロンと遺伝
ジヒドロテストステロンの影響の受けやすさ、ならびにジヒドロテストステロンをつくる元となる5αリダクターゼの活性度は遺伝します。
ジヒドロテストステロンの影響の受けやすさについては、毛根に存在するジヒドロテストステロンに対して反応する細胞の感度が遺伝します。
この遺伝子はX染色体(男性の場合は父親からY染色体、母親からX染色体を受け継ぎます)に含まれるため母方から遺伝し、もし母方の父母に脱毛症があれば遺伝する可能性があります。
5αリダクターゼの活性度は両方の親から遺伝します。
そのためAGAは母親に次いで父親の遺伝による影響も受けています。
なお遺伝による心配があり検査をしたい場合はクリニックで遺伝子検査を対応してくれます。
また価格は高いですが自宅で行える検査キットも一般向けに販売されています。
3.ジヒドロテストステロンの生成を抑制する方法
3-1.薬物療法
薬でジヒドロテストステロンの生成を抑えることができます。
服薬後すぐに症状が改善することはないですが、4~6カ月程度で改善効果が現れ始めるとされています。
薬はインターネットなどでも販売されていて、手軽に安価で入手できます。
しかし偽物が出回っていたり、薬の効果や安全性に確実性がありません。
薬はAGA専門クリニックで、専門医の診断のもと処方してもらうことがおすすめです。
ジヒドロテストステロンの生成を抑える代表的な治療薬としてフィナステリドという薬があります。
フィナステリドは5αリダクターゼの活動を抑制する作用があり、これによりテストステロンと5αリダクターゼの結合を抑えジヒドロテストロンの生成を抑制します。
しかし薬物療法は中止したら症状は進行してしまいます。
フィナステリドのように5αリダクターゼの活動を抑制する薬は飲まなくなれば再び5αリダクターゼの活動は元の活発な状態へと戻ります。
そのため再びAGAの症状は現れ進行を始めます。
薬物療法は服用を続けなければ効果が継続しないというデメリットがあり、薬物療法を開始する際は経済的・精神的負担、副作用に対しても考えておく必要があります。
公式治療薬のフィナステリドの年間費用は約72000円、副作用には勃起不全・肝機能障害などがあります。
また未承認医薬品ですが、同様な作用がある薬としてフィナロという薬があります。
この薬は年間費用が9200円と安く、副作用は性欲減退などです。
薬物療法を試みるにあたって費用面が気になる場合は、医師に薬の選択肢について相談をしてみると良いでしょう。
3-2.食事
食事は亜鉛とイソフラボンの摂取するように心がけましょう。
これら栄養素にはジヒドロテストステロンの元である5αリダクターゼの活動を抑制する効果があります。
亜鉛
亜鉛の推奨摂取量は成人男性であれば11mgです。
牡蠣、豚レバー、牛ひき肉などに多く含まれます。
牡蠣は1個あたり2mg程度含まれるため6個で推奨摂取量に到達します。
また豚レバーは100gあたり6.9mg、牛ひき肉は100gあたり2.6mg程度含まれます。
なお亜鉛摂取上限は成人男性では40~45mgで、摂り過ぎは貧血症状(頭痛・倦怠感・嘔吐…)、腎臓障害などを引き起こすとされています。
普段の食事では過剰摂取にいたることはないといわれていますが、サプリメントを利用する場合は説明書きにある用法用量をしっかりと守るようにしてください。
イソフラボン
イソフラボンの推奨摂取量は16~22mgです。
豆腐1丁あたり60~80mg、おから100gあたり10.5mg、納豆1パックには35mg程度含まれています。
なお納豆には亜鉛も2mg含まれており、ジヒドロテストステロンに適した食材といえるでしょう。
3-3.適度な運動
適度な運動はテストステロンの増加を促します。
テストステロンを増加させることでテストステロン不足によるジヒドロテストステロンの過剰生成の予防効果が期待できます。
テストステロンの増加を促すには高負荷低頻度の運動強度で、全身の関節・筋肉に働きかけるような運動が良いとされています。
具体的には10回程度でキツいと感じる運動強度、スクワットのような全身的な運動に取り組むと効果的でしょう。
(おすすめ記事→引き締まったボディに若返り効果も!今すべきスクワットのすすめ!)
3-4.良質な睡眠
良質な睡眠はテストステロンの増加を促し、ジヒドロテストステロンの過剰生成の予防効果が期待できます。
テストステロンは主に夜間に生成されます。
良質な睡眠習慣がある男性は睡眠不足の男性に比べてテストステロン値が高かったという報告や、2日の徹夜はテストステロンの増加を止めるともいわれています。
良質な睡眠を確保するための方法を以下簡単にご紹介します。
・22時~2時の間に睡眠する
・寝る前のスマホ・PCの使用を避ける、もしくはブルーライトカット眼鏡を使用する
・自分に合った寝具(枕・マットレス・パジャマなど)を選ぶ
3-5.禁煙・減煙
タバコはジヒドロテストステロンの元である5αリダクターゼの活動を抑制する働きがある亜鉛を消費します。
禁煙・減煙を成功させるための方法を以下簡単にご紹介します。
・まず自分が喫煙したくなるタイミングを把握する
・喫煙したくなった時にできる何らかの気を紛らわす方法を見つけ出す
(飴・ガムを口に入れる、歯磨き、深呼吸、とりあえず15秒程度無心で数えるなど)
・タバコによる様々な害(死の危険性があるガン発症リスク、息苦しく動けなくなり酸素ボンベが外せなくなるかもしれないCOPDの発症リスクなど)を把握する
・タバコをやめた時のメリット(節約ができる、嫌煙者から煙たがれない、家族に対する副流煙のリスクを下げられるなど)を把握する
・タバコと灰皿を捨ててみる
・電子タバコ
・禁煙外来の受診
3-6.深酒をしない
深酒も5αリダクターゼの活動を抑制する働きがある亜鉛を消費します。
適度な飲酒の量は1日あたり20g程度のアルコールとされ、ビールでいうと中ビン1本、日本酒では1合、ウイスキーではダブル1杯、ワインでは1/4本程度の量となります。
禁煙・減煙を成功させる方法と共通する部分がありますが、減酒を成功させるための方法を以下簡単にご紹介します。
・深酒をする日のタイミングを把握する
・深酒をしたくなった時にできる何らかの気を紛らわす方法を見つけ出す
・深酒による様々な害(悪酔い、二日酔い、肝機能障害など)を把握する
・深酒をやめた時のメリット(節約ができる、2日酔いから解放され1日を有効に使える、健康的な生活など)を把握する
3-7.ストレスを上手く対処する
ストレスも5αリダクターゼの活動を抑制する働きがある亜鉛を消費します。
ストレスを上手く対処し、亜鉛の消費を抑えましょう。
ストレスに対する対処を簡単にご紹介します。
・寝る前など1日1回15分間、目を閉じて何もせず何も考えない時間を設ける(自分の呼吸に意識を向けると効果的にストレスを解消できるといわれています)
・ストレスを発散できる方法を考えてメモに書き出し、1つ1つ実践してみる
・「これならできる」、「意外と大丈夫」というような体験を通じて自己効力感(自信のようなもの)を高める
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4.AGAその他治療法
4-1.薬物療法(ミノキシジル)
AGAの代表的治療薬フィナステリドにならぶ治療薬にミノキシジルという塗り薬があります。
ミノキシジルは血管を拡張させ血流を良くすることで髪の毛の元となる細胞の働きを活発にさせ、毛髪サイクルを整えます。
ミノキシジルの年間費用は6万円程度です。
ミノキシジルもインターネット上で簡単に個人購入をすることができます。
しかしミノキシジルの効果を十分に発揮するにはその濃度がとても重要で、濃度が濃すぎると頭皮を荒れさせてしまったり、逆に薄いと効果があらわれません。
安全に、そして効果的な治療を行うためにも専門医と相談して薬を処方してもらう方が良いです。
またミノキシジルの血流改善効果は有酸素運動をすることによっても同様に得ることができます。
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有酸素運動を効果的に行うには「ややキツイ」と感じる程度の運動強度で、15分~40分程度持続して行うことがポイントです。
薬と違い手間はかかりますが、最も健康的な改善方法といえるでしょう。
なおミノキシジルはタブレットタイプの内服薬もあり、その効果は成分を直接体内に取り入れることができるため塗り薬より強いとされます。
しかし副作用も塗り薬よりリスクが高いとされ、内服により低血圧や多毛症、頭痛、めまい、動悸などを引き起こす可能性があります。
4-2.自毛植毛
自毛植毛とは自分の後頭部などにある髪の毛を薄くなった部分に植毛する方法です。
自分の髪の毛を使用するため拒絶反応もなく、髪の毛の元となる細胞も移植するため植毛後は毛髪サイクルに伴って自然と生え変わりを繰り返します。
そのため1度自毛植毛をすれば特別なメンテナンスも必要ありません。
また植毛をしても徐々に薄毛になのではと心配される方もいますが、後頭部の髪の毛にある毛根はジヒドロテストステロンの影響を受けにくくそのリスクは低いとされています。
自毛植毛の方法はメスを用いて植毛をするFUTという方法と、メスを用いずパンチという器具で毛をくり抜いて植毛するFUEという方法があります。
FUTはメスを用いるため傷跡が残るリスクがありますが毛根を傷つけるリスクが低いとされています。
FUEはメスを用いないため傷口の治りが早いですが毛根を傷つける可能性が高いとされています。
しかし各クリニックの技術や細かな手法の違いによりこれらリスクは増減します。
自毛植毛を行っているクリニックでは無料カウンセリングやモニターを行っているところも多くあるため、これらサービスを利用して慎重にクリニックを選ぶと良いでしょう。
なお自毛植毛の費用は200,000円程~必要なところが多いです。
まとめ
AGAにはジヒドロテストステロンが大きく関与しており、ジヒドロテストステロンは薬物療法や食事、運動、睡眠、タバコ、酒、ストレス対処といった生活習慣の改善で抑制することができます。
もし薄毛が気になるようになってきたならば、専門医に診てもらうと良いでしょう。
もしAGAと診断されたならば適切な治療を受けることで薄毛の悩みが解消するかもしれません。
寄稿者
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