吐きやすい人は胃が弱っている!?二日酔いによる辛い吐き気の治し方と予防方法
友人と楽しく飲むお酒や、接待で緊張して飲むお酒。
つい飲み過ぎてしまうことはありませんか?
二日酔いの症状には幾つかあります。
今回は、辛い吐き気を起こさない方法と吐き気の治し方をご紹介しましょう。
1.吐き気が起きる原因
吐き気が起きる原因で一番多いと言われているのが二日酔い。
脳にある嘔吐中枢が刺激されることにより起こります。
体の中に入ったアルコールが肝臓で酸化されるとアセトアルデヒドという物質になります。
このアセトアルデヒドが血液中で高濃度になると、嘔吐中枢を刺激して吐き気が起こります。
アルコールは刺激性が強いため、飲みすぎると胃が不調になります。
(関連記事→実はお酒は肝臓よりも別の臓器に負担をかけてしまうことを知っていますか?)
また暴飲暴食も胃酸が出過ぎて胃の粘膜がただれてしまい、吐き気を引き起こしやすくなります。
2.吐き気を起こしやすい4つのタイプ
通常、健康な人であれば飲んだり食べたりした後1時間くらい経つと、胃の中のものが消化されて十二指腸に送られ、胃がスッキリします。
しかし、飲食後一定の時間が過ぎても胃のあたりが重苦しく感じる不快感がある場合、胃がもたれているでしょう。
二日酔いの胃のムカムカなど、胃もたれの原因は食べ過ぎや飲み過ぎです。
この症状は30代以上になると多くなりますが、特になりやすい人の4つのタイプがあります。
2-1.一日中デスクワークなどの事務系ビジネスマン
パソコンや資料研究など一日中机に向かっていると運動量が低下して運動不足になってしまいます。
しかし、運動不足になっていると胃の働きも低下してしまい、消化がうまくいかずスッキリしない重苦しい感じになることがあるでしょう。
2-2.痩せ型で顔が青白く生気がない人
一般に、痩せ型の人は胃の消化機能が弱いと言われています。
そのため、胃の消化時間が長くなって、飲んだり食べたりしたものが胃に停滞してしまいます。
残留感が残って胃がスッキリしない胃もたれになってしまいます。
2-3.自然に胃が普通の人よりも下がっている胃下垂の人
一般に、胃下垂の人は胸が狭く薄い痩せ型で、無力生体質の人が多いでしょう。
腹部の筋肉が十分に発達していないために胃が下がってしまいますが、胃の収縮する運動が弱まるため、十二指腸へ移行するはずの物が胃に停留しがちです。
そのため、胃が重く、もたれている感じがしてしまいます。
2-4.神経質や内気な人
神経質や内気な人に多いのが、何かのきっかけで胃の不調を感じると、そのことばかり気になって、それが胃に悪い影響を与えてますます胃が重くなっていくというパターンです。
ひとつのことを思い込みやすかったり、小さなことをいつまでも悩んだり、些細なことにこだわったりしていると、胃がもたれてしまうでしょう。
3.当てはまった人は特に心がけて!二日酔い予防法
3-1.飲み過ぎない
当たり前のことですが、まずは飲みすぎないことです。
アルコールの量を調整しましょう。
一合で酔う人もいれば、五合飲んでも大丈夫という人がいます。
一人ひとり耐性が違いますので、自分の限界を見極めましょう。
上司との関係や家庭での悩みなどストレスがあると、飲み過ぎてしまいますので注意しましょう。
3-2.腹八分目でやめる
意外にも腹八分目を繰り返していると、お腹いっぱい食べた時よりも食後の気持ちが良くなります。
そのため、快適な満足感や適度な満腹感を感じるようになり、自然と腹八分目にしたいと思うようになるでしょう。
お酒を飲む前に食べる量も決めておき、おつまみを食べ過ぎないようにしましょう。
3-3.高カロリー食品は避ける
小皿などの取り皿があるなら、自分が何をどれくらい食べたのか把握しやすいですね。
おつまみに使われることが多いチーズやバター、ベーコンやソーセージ、ハムなどで調理された物は高カロリーですからなるべく少量にしましょう。
3-4.よく噛んで食べる
胃を悪くするのは早食いです。
食べ物を口の中でよく噛まないうちに胃に届くと、消化するための胃は余分に働かなければならず、疲れてしまうからです。
一緒に飲むアルコールも胃に負担になりますので、おつまみはよく噛んだ方が良いでしょう。
噛むことのメリットは食べ物を噛み砕くだけではありません。
よく噛むなら唾液が出てきて、よく混ぜ合わされているうちに消化酵素によってデンプンが分解されていきます。
その状態で胃に届くと、胃液が作用しやすく消化吸収が高くなるでしょう。
3-5.日頃から運動する
自分に合った運動を適度に行うことも大切です。
体力の低下や過度のストレスは胃の不調につながって二日酔いの吐き気になりやすいでしょう。
悩みを抱え続けたり、大きな悩みがある時などに影響を受けやすい胃。
ストレスを解消したり、体力維持のために適度な運動を行いましょう。
3-6.気分転換する方法を持つ
神経質な人や内気な人は規則正しい生活を心がけましょう。
また、趣味など興味や関心のあることを見つけて熱中すると良いですね。
自分に合った気分転換できる方法を持ちましょう。
4.吐き気予防におすすめの成分と食品
胃に入った食べた物を攪拌するために分泌するたくさんの胃液。
主な成分は3つです。
非常に強い酸性で食物を殺菌したり腐敗や発酵を防ぐ塩酸。
たんぱく質を分解するペプシン。
胃の内壁を強い塩酸から保護する粘液。
胃の負担が大きくなるとこのバランスが崩れてしまいます。
吐き気が起きないように、胃腸の機能を正常に保ちましょう。
お酒を飲む時に食べるおつまみは、できるだけ胃腸に良いものを選びましょう。
胃腸が強くなると、飲み過ぎてもひどい吐き気を防ぐことができます。
4-1.胃液の分泌を抑える物質であるビタミンU
アルコールの飲み過ぎによって受ける刺激から、胃壁を守ってくれます。
ビタミンUが豊富に含まれているキャベツ。
トマトやレタス、セロリやアスパラガス、青のりにも含まれています。
水溶性で熱に弱い性質があるため、一番良いのは生で食べることです。
効率よく取るために、ジュースにするのも良いでしょう。
4-2.弱った胃を助けるモルデシン
胃を刺激して活性化し、消化を促してくれます。
モルデシンが含まれているのは、にがうりです。
古くから沖縄の郷土料理の材料として使用されるゴーヤ。
本州では独特の苦味から「苦瓜」と書きます。
暑い夏の栄養補給としても大活躍。
切ったゴーヤは水に長時間さらすと栄養成分が逃げてしまいます。
効率良く摂るために油炒めしたり、漬物にして食べると良いでしょう。
4-3.胃液の分泌を促すぺリルアルデヒド
消化不良の改善や健胃作用があります。
ミネラルやビタミンを豊富に含む、緑黄色野菜の春菊やしその香り成分に多く含まれています。
食あたりにも効果があるため、食中毒を予防し胃腸の働きを活性化します。
鮮度が早く落ちたり、水に長時間さらすと成分が損なわれる春菊。
胡麻油炒めなどがオススメです。
パスタやチャーハン、サラダなどに、細かく刻んだしそを入れても良いでしょう。
4-4.胃腸の働きを活発にするジアスターゼ
消化を促進したり胃酸をコントロールします。
デンプンの分解を促す消化酵素のことで、別名アミラーゼとも呼ばれています。
ジアスターゼを豊富に含んでいる食べ物を食べるなら、胃腸の調子が良くなり吐き気も治まってきます。
多く含まれているのは大根の根や山芋などです。
カブやエノキダケにも含まれています。
加熱に弱く酸化しやすい性質があります。
空気に触れる時間を少なくするため、食べる直前にすりおろしましょう。
大根おろしや山かけなど生で食べると効果があります。
大根のピクルスや浅漬けなどもオススメです。
4-5.胃腸の働きを整えるアンゲリカ酸
胃腸の働きを活発にし、強壮作用や疲労回復にも効果があります。
多く含まれているのはあしたばやふきです。
本州南部に分布し、伊豆七島に多く自生しているあしたば。
中国明朝時代に編集された「本草綱目」に登場し、古くから健康食材としても有名です。
アンゲリカ酸は特殊な香りや苦味の成分です。
あしたばの胡麻和えやおひたしがオススメです。
4-6.胃腸の働きをけるフィシン
タンパク質の分解酵素の一つで消化を促します。
いちじくやパパイヤのパインなど果物に含まれています。
お酒と一緒に飲む肉や魚の後のデザートに選びましょう。
お酒を飲んだ後に食べるなら二日酔いの吐き気予防になります。
そのまま生のまま食べることができます。
いちじく酒やいちじく茶も効果があります。
さらに日頃、摂り続けるなら胃腸の働きを強化し、二日酔いを防ぐ助けになります。
4-7.消化促進効果が非常に高いシオネール
胃腸の働きが活発になります。
民間療法で幅広く使用される薬草ユーカリや、爽やかな香りのするローズマリーなどからとれる精油。
お茶にたらして飲むことができます。
他にも、セージやウコン、生姜やよもぎ、オレンジなどにも多く含んでいます。
料理の薬味に使用していることが多いでしょう。
生のまま食べるオレンジやオレンジジュースも効果があります。
精油は胸や首、肩や耳の下などに一滴たらすと効き目があります。
5.吐き気がする時の対処法
胃がムカムカしたり吐き気が治らないと辛いですよね。
そんな症状を緩和するために役立つ方法が幾つかあります。
5-1.水分補給
アルコールの利尿作用による脱水症状を緩和しましょう。
できるだけ水をたくさん飲みます。
代謝が活発になって、高濃度になっているアセトアルデヒドを薄めることもできます。
5-2.避けた方が良い食品
胃酸の分泌が多い場合、悪化させないために胃に刺激となる食品を避けましょう。
イカやタコ、貝や塩魚など消化の悪い魚介類。
牛肉・豚肉の脂肪身やベーコンなどの脂肪の多い肉類。
さつま芋や筍など繊維の多い野菜類。
胡椒や唐辛子、カレー粉やレモンなどの刺激の強い香辛料や果物。
コーヒーやココア、緑茶やタバコ、アルコールなどの胃を刺激する嗜好品。
コーヒーなどの嗜好品に含まれているカフェインには胃液の酸度を高めるクロロゲンという成分がありますので、こちらも避けた方が良いでしょう。
5-3.摂った方が良い食品
食べる物は消化が良いものを少量ずつ摂ります。
生ものよりも煮たり焼いたりしたものを選ぶなら、熱によって細かく分解されたり、ふやけたりするため、消化が良くなります。
良質のタンパク質を含む食品も良いでしょう。
ちなみに、タンパク質は熱を加えすぎると固くなって、消化が悪くなります。
卵をゆがくときは半熟程度にしましょう。
栄養バランスを考えて薄味でいただきましょう。
お粥やトースト、煮込みうどんや半熟卵。
りんごやバナナ、みかんなどのビタミンを含む果物。
特に、完全食品としてもあげられる牛乳は栄養バランスが良く、胃液を中和する作用があります。
6.吐き気がひどい場合の対処法
嘔吐がひどい場合、まず水分補給を行います。
水や湯ざましを飲みましょう。
毒素の排出を促して、新陳代謝を高め、胃腸の流れをスムーズにしてくれます。
また、痛みを和らげるために、対症療法として市販の胃薬を服用することもできます。
ただし、習慣的な薬の服用はやめましょう。
胃薬の多用は強制的に胃酸を抑えてしまうため、腸内細菌が弱くなったり、消化酵素が活性化されなくなったりしてしまいます。
その結果、胃腸の異常を招いてしまう悪循環になってしまうでしょう。
7.嘔吐が続く場合の対処法
アルコールを飲みすぎると、胃の粘膜がただれて赤くなってしまいます。
実はこの状態がひどくなると胃の滞留物を吐くだけでなく、大量の血を吐くほどになってしまう場合があるのをご存知でしょうか?
これはアルコール性胃炎と呼ばれています。
実際に多いケースは、毎日二合以上のお酒を飲む人が、自覚症状がなくて慢性アルコール性胃炎にかかって、突然血を吐くといったケースです。
このように悪化しないためにも飲み過ぎないようにしましょう。
8.吐き気に服用できる市販薬2種類
生薬を中心とした胃腸薬を服用することができます。
センブリなどが含まれている苦味健胃薬。
みかんの皮などが含まれている芳香性健胃薬。
胃酸を中和する重曹。
即効性のある消化酵素。
加えられた生薬の力によって、ゆっくりと消化吸収の機能を整えて吐き気を緩和します。
市販の胃腸薬でも有名な「キャベジン」
その効きめは古くから研究結果でも知られています。
実際、1954年ビタミンUがキャベツから発見されて、胃腸病の予防や治療に効果があると証明されました。
胃腸を強くする働きがあるため、二日酔いの吐き気にも効果があります。
もう一つは吐き気止めの薬です。
嘔吐中枢に働きかけて吐き気を鎮める興和の「マイトラベル錠」
吐き気に早く効きます。
ヒスタミンの働きを抑制したり、感覚神経を麻痺させて吐き気を抑えるエスエス製薬の「アネロン ニスキャップ」
眠気防止も含まれています。
胃粘膜に直接作用して吐き気などの刺激を防止するエーザイの「サクロンQ6錠」
早く効果が出ます。
吐き気止めの市販薬には、二日酔いの吐き気には効果がない、乗り物酔いからくる吐き気止めの市販薬もあります。
二日酔いの吐き気に効果がある市販薬を、薬局で聞いてみることをオススメします。
まとめ
辛い二日酔い、まずなりたくないですよね。
胃のムカムカや胃もたれなどの吐き気は、治らないと嘔吐して胃の内容物が出てしまいます。
消化管全体がダメージを受けてしまうでしょう。
消化を促したり、胃腸の働きを強めたりする食べ物を食べましょう。
何よりも水分補給を忘れずに行いましょう。
二日酔いの吐き気を早く治す市販薬を選ぶこともできます。
お酒を飲んだ次の日も、辛い吐き気を早めに治して元気に過ごすことができます。
HANA
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