2000年前にすでにローマ人が食用していたという記録があるブロッコリー。
語源はラテン語で「芽」という意味があります。
キャベツと共通の先祖であるブロッコリーは栄養も豊富。
特に、生活習慣病を予防する効果が高く、働きざかりに必須の栄養が含まれています。
健康状態が気になり始める30〜40代。
ブロッコリーに含まれる注目の栄養成分をご紹介します。
1.ブロッコリーに含まれる主な栄養価とは?
緑花野菜(みどりはなやさい)とも呼ばれるブロッコリー。
イタリア中心の地中海沿岸生まれのキャベツの変種です。
日本に入ってきたのは明治時代、特に昭和50年代後半から消費が増え始めました。
一般に、つぼみの集まった花蕾と茎を食べることができます。
そんなブロッコリーの栄養価は22こもあります。
1-1.ブロッコリー100gあたりに含まれる栄養価
エネルギー ……… 33kcal
たんぱく質 ……… 4.3g
脂質 ……………… 0.5g
炭水化物 ………… 5.2g
ナトリウム ……… 20mg
カリウム ………… 360g
カルシウム ……… 38mg
マグネシウム …… 26mg
リン ……………… 89mg
鉄 ………………… 1.0mg
亜鉛 ……………… 0.7mg
銅 ………………… 0.08mg
ナイアシン ……… 0.8mg
ビタミンA ……… 130μg
ビタミンB1 ………0.14mg
ビタミンB2 ………0.20mg
ビタミンC ……… 120mg
ビタミンE ……… 2.5mg
ビタミンK ……… 160μg
葉酸 ……………… 210μg
パントテン酸 …… 1.12mg
食物繊維 ………… 4.4g
出典元:「アブラナ科・セリ科の野菜が効く レシピ90」/ 監修 大澤 俊彦 / 発行所 株式会社 グラフ社
2.ブロッコリーの注目の栄養成分7つとは?
2-1.カロテン
ブロッコリーに多く含まれている栄養の一つがカロテンです。
含有量はなんとキャベツの4倍もあります。
β-カロテンは体内で必要量だけビタミンAに変わって残りは蓄積されますが、Aに変換されないβ-カロテンががんを予防する独自の働きをします。
(おすすめ記事→意外と知らない!生活習慣病の患者数と年間死亡者数、年間医療費とは!?)
ブロッコリーには抗がん作用があるβ-カロテンに加えて、ルチンと呼ばれるカロテンも含まれているため、高い抗がん作用を期待できます。
特に、ルチンは加熱してもあまり性質が変わらないため、調理してもがんの抑制効果にほとんど影響を及ぼしません。
また、β-カロテンは抗酸化物質であるビタミンCやEと協力して働きます。
活性酸素を除去して、悪玉コレステロールを減らしてくれるでしょう。
疲れ目や視力低下などにも効くため、パソコンやタブレット、スマホなどで酷使している目の疲れを緩和してくれます。
2-2.ビタミンC
ブロッコリーにはビタミンCもたくさん含まれています。
100gあたりの含有量は120mg。
これはレモンの約2倍、みかんの約4倍、青菜の約2.5倍もあります。
一般に、野菜の平均は33mgですから、約3.5倍のビタミンCが含まれているでしょう。
1日に必要なビタミンCはブロッコリー30g(約2房文)で満たすといわれています。
水溶性のビタミンはゆで汁に流れてしまいますが、ブロッコリーの場合は生の状態のビタミンC含有量が多いため、ゆでた後も多くのビタミンCが残ります。
実際、ゆでた後のブロッコリー100gあたりのビタミンCは54mg。
ストレスや疲労を感じるときは、ビタミンCたっぷりのブロッコリーで補いましょう。
2-3.クロム
ブロッコリーに含まれている注目の栄養成分クロムはミネラルのひとつ。
体内に取り込んだ糖分をエネルギーに変えるために必須のホルモンであるインスリンによく作用するため、糖尿病を予防することができます。
また、脂質の代謝を良くして、血液中の中性脂肪やコレステロールの値を正常範囲に下げる働きもあります。
動脈硬化や高血圧を予防してくれるでしょう。
野菜や穀物、肉や魚などに広く含まれていますが、偏りのある食事をしていると不足してしまいます。
特に、栄養バランスが悪く食習慣が乱れている人は積極的に摂りましょう。
2-4.カリウム
ブロッコリーの注目成分カリウムは、生命活動をするうえで重要な役割があるため不足に気をつけたい栄養素です。
ナトリウムと協力して細胞内外液の浸透圧を維持し、水分やいろいろな成分の調整をしてくれます。
血圧を下げる働きがあるため、高血圧を予防してくれるでしょう。
また、大量の汗をかく夏場はカリウムも一緒に失われてしまうため、夏バテの原因になります。
カリウム不足で無気力になったり、力が出なくなったりすることも。
調理で失われやすく、煮た場合は約30%も損失してしまうカリウム。
ストレスや慢性的な下痢を抱えていたり、コーヒーや酒、甘いものを多く摂っている人は特に減ってしまいます。
夏の暑さに負けない体をつくるために摂りたい栄養素の一つといえるでしょう。
2-5.鉄
ブロッコリーに含まれている鉄も注目の栄養成分です。
貧血の90%は鉄欠乏症によるものですから、充分な摂取を心がけたいもの。
鉄は再利用されるため、排泄で失われる1日1gを補充すると良いでしょう。
男性に鉄の欠乏は多くありませんが、コーヒーや緑茶、紅茶を飲むことが多い人やアスピリンを服用している人は鉄欠乏症を招きやすくなります。
ブロッコリー100gあたりに含まれている鉄は1mg。
積極的に摂ることで、体全体の機能が高まり疲れにくい体にしてくれるでしょう。
2-6.カルシウム
ブロッコリー100gあたり38mg含まれているカルシウム。
注目したいのは、ブロッコリーのカルシウムは吸収率が非常に高いことです。
一般に、カルシウムが豊富といわれている牛乳は吸収率32.1%。
一方、ブロッコリーのカルシウム吸収率はなんと61.3%もあります。
さらに、クエン酸などを一緒に摂ると体内への吸収が促進されます。
ただ、食品の中に含まれているシュウ酸やフィチン酸などカルシウムの吸収率を阻害するものが多くあるため、カルシウムの吸収率も低くなってしまうことに。
生のままではなく、ゆでることによっても残存率は77%になってしまいます。
総摂取量を増やすことで、必要なカルシウムを摂りましょう。
ブロッコリーが旬の冬の時期は、カルシウム含有量も増えます。
特に、12月は約80mgと大幅にアップしますよ。
普段から肉類や加工品を多く摂りがちな人はカルシウムを補ってくださいね。
2-7.スルフォラファン
アブラナ科野菜のブロッコリー。
スルフォラファンとはアブラナ科の野菜に含まれる辛み成分の一つです。
全般的に抗がん作用が高いといわれているアブラナ科野菜ですが、中でも特に注目されているのがブロッコリーです。
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実際、アメリカの国立ガン研究所が作成した「ガン予防が期待できる食べ物」の上位にランクインしています。
抗酸化作用や解毒作用によって、がんを抑制してくれるでしょう。
また、胃潰瘍や胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を消滅させる働きもあります。
特に、発芽3日目のものはスルフォラファンの濃度が最も高くなります。
スルフォラファンはブロッコリーに含まれている特有成分です。
3.栄養が高くなるブロッコリーの食べ合わせとは?
ブロッコリーは食べ合わせる食材によって効果もさまざまです。
○ブロッコリー + にんにく・玉ねぎ・ピーマン・酢
血行促進・高血圧予防・動脈硬化予防・心筋梗塞予防
○ブロッコリー + トマト・なす・にんじん・さつま芋・赤ワイン
がん予防・若返り効果
○ブロッコリー + まぐろ・いわし・大豆・オリーブ油
老化予防・認知症予防・動脈硬化予防
○ブロッコリー + アサリ・ハマグリ・鶏肉・レバー・カリフラワー
貧血予防・冷え性予防・認知症予防・健脳効果・スタミナ強化
せっかくの栄養価、効率よく摂りましょう。
4.栄養を高めるブロッコリーの調理方法とは?
歯ごたえが良く美味しいのはつぼみの部分ですが、栄養が多いのは茎の部分です。
特に、茎や葉にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
調理するときは捨てずに、つぼみと一緒に食べましょう。
太い茎はかたい皮をひと向きしてゆで、和え物や炒め物に活用できます。
葉もさっとゆでて他の野菜と炒めたり、炒飯の具にして美味しくいただくことができます。
ただ、ゆですぎると水溶性のビタミンが失われたり、味や歯ざわりが悪くなるため、手早くゆでましょう。
コツは小房に切り分けて塩水で洗い、流水で塩を落として水気を切ってからゆでることです。
ゆでた後、長く水に浸けておくのも避けましょう。
また、短時間でやわらかく加熱できる電子レンジもおすすめです。
熱に弱いビタミンCの損失も少ないでしょう。
β-カロチンやルチン、スルフォラファンも脂溶性なので、油を使って調理すると吸収力が高まります。
炒め物やフリッターなどに活用しましょう。
5.栄養が高いブロッコリーの選び方とは?
一般的に、野菜は新鮮なものほど栄養も高くなります。
ブロッコリーはつぼみが密集していてかたく締まり、緑色が濃いものを選んでください。
茎はつやつやしていて傷や変色がなく、太くてしっかりしている方が良いでしょう。
葉がしおれていたり、切り口がしなびているものは古くなっています。
茎の切り口がみずみずしくて、変色がなく「す」が入っていないものがおすすめです。
6.栄養を保つブロッコリーの保存方法とは?
ブロッコリーは鮮度の低下が早いため、購入したらできるだけその日のうちに食べましょう。
使い切れないと思ったら、新鮮なうちにゆでたほうが栄養を摂ることができます。
冷蔵保存するときはビニール袋に入れてください。
冷凍保存するときは、かためにゆでてラップに包むことができます。
冷蔵保存は2〜3日、冷凍保存は1〜2ヶ月で使い切りましょう。
まとめ
健康と美容に必須の栄養素が詰まっているブロッコリー。
漢方では効能がキャベツとほぼ同じです。
腎機能を強化して虚弱体質を治し、胃腸を丈夫にする働きもあります。
仕事やイベントなどで疲労が続いているとき、食生活が乱れているときは特におすすめです。
体力がない人や胃が弱い人、病気後の回復期にも効果があるため、夏バテ予防にもぴったりですね。
HANA
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