痛風を引き起こすのは長い間の高脂肪・高タンパク・高カロリーの食事。
仕事が忙しく、エネルギーが必要な30代40代の男性は食生活が乱れがちかもしれません。
痛風の症状を悪化させないために、食事の際に気をつける7つのポイントをご紹介します。
健康な方も、ぜひこの機会に食生活を見直してみましょう。
1.摂取エネルギーを適正に保つ
食事の基本は、体に必要な栄養素を適正量摂取することです。
良好な質や量の食生活が痛風の症状を改善します。
痛風患者に多い合併症の肥満。
肥満と高尿酸血症の関係ははっきりしていませんが、肥満になると尿酸の排泄量が低下してしまいます。
肥満を解消して尿酸値を下げましょう。
1-1.痛風の症状を改善するBMI目標値と摂取カロリーとは?
肥満の原因はエネルギーの摂り過ぎです。
肥満かどうかを判定するには、一般的な計算式BMI(Body Mass Index)を活用しましょう。
BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(÷)
WHO(世界保健機構)は、6段階の分類による判定を行なっています。
BMI指数18.5未満…低体重
BMI指数18.5〜25未満…普通体重
BMI指数25〜30未満…肥満1度
BMI指数30〜35未満…肥満2度
BMI指数35〜40未満…肥満3度
BMI指数40〜 …肥満4度
日本人で一番余命が長いと言われているBMI指数22を目標にすることができるでしょう。
肥満症を合併している痛風患者…1600キロカロリー/1日
適正体重内の痛風患者…1800キロカロリー/1日
1-2.急激な減量を避ける理由とは?
急激な減量は痛風発作を引き起こします。
血中の尿酸が増えてしまうからです。
肥満を解消するため、食事量を極端に減らすのは避けましょう。
1ヶ月に2Kg減ほどのゆっくりペースで。
リバウンドを避けて、健康的に痩せることができるでしょう。
2.栄養バランスの良い食事を摂る
2-1.理想の適正エネルギー比率とは?
適正カロリーの摂取とともに、1日3食栄養バランスの良い食事を摂ることも大切です。
1日の適正エネルギー1600〜1800キロカロリーのうち理想的と言われる比率です。
(人気記事→自分の適正なカロリー摂取量は?適量が丸わかり!手ばかりダイエット)
炭水化物…50〜60%
タンパク質…15〜20%
脂質…20〜30%
加えて、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの微量栄養素。
摂取カロリーを減らそうと、炭水化物を極端に減らす方法もありますが、結局は高脂肪・高タンパクの食事になって、痛風の症状を悪化させてしまうことに。
仕事で忙しい毎日では、食事ごとに栄養バランスのとれた献立は難しいかもしれません。
1日3度の食事で調整しましょう。
昼食を麺類など炭水化物多めの食事で済ませた時は、夕食をタンパク質と野菜が多めの食事にするといった感じです。
また、昼食に肉を食べたら夕食は魚や野菜にして、動物性脂肪の摂り過ぎを防ぐのも良いでしょう。
3.プリン体が含まれている食品の摂取を控える
尿酸の原料となるプリン体。
体の細胞の核を構成しています。
また、食品の中にプリン体を多く含んでいるものもあります。
3-1.プリン体を多く含む食品を厳しく制限する必要はない理由とは?
以前は、プリン体を多く含んだ食品の制限が厳しかったのですが、研究が進むにつれてプリン体の制限が緩和されています。
食品から摂るプリン体よりも、体内で合成されるプリン体の方が非常に多いからです。
実際、食品に含まれているプリン体のほとんどは腸管内で分解されてしまいます。
また、食品からのプリン体摂取を制限しても、血中尿酸値が1.0mg/dlくらいしか低下しません。
さらに、尿酸代謝を促進するため、尿酸をコントロールする薬剤が開発されています。
3-2.食品から摂るプリン体摂取量の目安とは?
それでも、プリン体が含まれている食品は摂り過ぎないようにしましょう。
高プリン体食品は高カロリー・高コレステロール食品でもあります。
食品からのプリン体摂取は1日400mg以下に。
3-3.食品に含まれているプリン体が極めて多いものとは?
鶏レバー・アンコウの肝・白子・イサキ・真イワシ・カツオ節・煮干し・干し椎茸・干物類など。
3-4.食品に含まれているプリン体が多いものとは?
牛レバー・豚レバー・真アジ・カツオ・メバル・オキアミ・サンマの干物・大正海老など。
4.アルカリ性食品を十分に摂る
4-1.酸性に偏りがちな尿の目標pHとは?
高尿酸血症の人に多い尿の酸性化。
尿酸の結晶を溶けやすくするため、尿をアルカリ性に傾けましょう。
ただし、アルカリ性に傾けすぎるとカリウム結石ができやすくなることに。
尿のpH6.2〜6.8くらいを目標にしましょう。
4-2.アルカリ性食品とは?
尿をアルカリ化するのは野菜や海藻、牛乳などです。
ただし、シュウ酸を多く含む、ほうれん草や青菜は結石ができやすくなるため量を控えましょう。
特に高い食品から順にあげていきます。
ひじき・わかめ
昆布・大豆・干し椎茸
ほうれん草
さつま芋・ごぼう
人参
里芋・バナナ
キャベツ・メロン
大根・かぶ・茄子
じゃが芋・グレープフルーツ
5.水分をたっぷり摂る
5-1.1日の水分摂取量とは?
痛風発作や結石を防ぐためには、たっぷりの水分が必要です。
尿だけでなく汗などでも消費される水分。
水分摂取が少ないと、血液中の尿酸値が高くなってしまいます。
(おすすめ記事→クレアチニンが高いと腎臓の病気が潜んでいる!?運動と食事で対策を!)
睡眠中も発汗作用があります。
就寝前はコップ1〜2杯の水を飲み、夜中にトイレで起きた時にも水分補給を忘れずに。
一年を通じて、確保したい尿量は2ℓ。
消費する水分からすると、1日3ℓくらいの水分を摂りましょう。
汗をかく夏や運動をした後はもっと大量の水分補給を。
ただし、腎障害や心臓などの不全がある人は医師の指示に従いましょう。
5-2.水分補給にオススメの飲み物とは?
水・焙じ茶・煎茶・番茶・ウーロン茶
糖分を含んでいないカロリーゼロのものを選びましょう。
5-3.水分補給にオススメの食品とは?
梨・すいかなど
利尿作用のある水分やカリウムが多い果物が良いでしょう。
味噌汁・すまし汁・スープ
具材にはアルカリ食品の野菜をたっぷりと。
塩分は控えにしましょう。
5-4.水分補給に避けた方が良い飲み物とは?
アルコール飲料・ジュース類・甘味のあるコーヒー・紅茶
清涼飲料水などのがぶ飲みは尿酸値が上昇します。
6.多量のアルコール飲料は控える
尿酸値を上げるアルコール飲料。
体内でアルコールを分解する時、尿酸が作られるからです。
また、アルコール代謝によってできる乳酸が、尿酸を蓄積させてしまいます。
特に、プリン体の多い大麦でつくられているビール。
高プリン体に加えて、他のアルコールよりも高エネルギーです。
痛風患者にはオススメできません。
原則、禁酒に。
それでも、どうしてもお酒がやめられない人は適量を守りましょう。
1日の総摂取エネルギーの1割以内に。
1習慣のうち、1〜2日の休肝日も設けましょう。
6-1.アルコール飲料に含まれているプリン体の多い順
ビール…4.35〜6.86mg
地ビール…6.66〜16.65mg
発泡酒…2.84〜3.83mg
ワイン…0.39mg
ブランデー…0.38mg
焼酎(25%)…0.03mg
7.外食時の注意点とは?
働き盛りの30代。
忙しい時間の中で手軽な食事として外食が多くなりがちに。
穀類中心で濃い味つけ、油をたっぷり使った料理が多い外食。
高カロリーで野菜やタンパク質不足、塩分の摂り過ぎになってしまいます。
7-1.注文するときのメニュー選びの4つのポイント
1.和風定食など栄養バランスの良い定食ものを選ぶ。
2.丼物や麺類などを食べるときは、野菜などの具が多い野菜料理を一品加える。
3.醤油やソースなどの調味料はかけ過ぎないようにして、できれば料理を小皿にとってつけて食べる。
4.食後の飲み物はコーヒーや紅茶より、野菜ジュースや牛乳を選ぶ。
7-2.カロリーオーバーになりがちな外食の4つの対策
1.野菜類から食べ始めて主食の量を減らす。
2.天ぷらの衣や肉の脂身などは少し残す。
3.汁物のつゆや漬け物は残して塩分を摂り過ぎない。
4. 腹8分目、できれば腹7分目を習慣にする。
まとめ
痛風患者に多い生活習慣病などの合併症。
肥満症の他に、血糖値が高い人や高コレステロール症の人、高血圧症の人などさまざまです。
まずは医師に相談しましょう。
一人ひとりの症状に合わせた適切な食品選びや食べる量など詳しく説明してくれるでしょう。
HANA
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