「ちょっとお腹の具合が悪い」と感じるのは誰にでもある症状。
しばらくする治るケースが大半です。
ただ、中には重大な病気が起きていたり、病変が現れていたりするため腹痛が起きることも。
腹痛は、お腹の中にあるいろいろな臓器の各器官が障害を起こしている状態です。
働きざかりの30〜40代は我慢強い傾向があるため要注意です。
腹痛を感じたとき、痛みのタイプと痛む部位で原因を知ることができます。
1.お腹の痛みのタイプ3つから分かる原因とは?
痛みの違いでだいたいの原因をつきとめることができます。
大きく分けて3つのタイプがあります。
○自発痛 ………… 自然に起こる痛み
○圧痛 …………… 腹部を押したときに初めて感じる痛み
○神経性腹痛 …… 自律神経が過敏になって起きる痛み
1-1.自発痛の特徴・原因とは?
自発痛には伸展痛(しんてんつう)と疝痛(せんつう)があります。
伸展痛は胃や腸、膀胱や胆道、輸尿管など、空洞性また管状の臓器の壁が無理やり引き伸ばされるような痛みです。
伸展痛の特徴は、比較的鈍い痛みが腹部の広い範囲に断続的に起こります。
場合によっては、痛みよりも誇張感や圧重感を感じることがあるでしょう。
伸展痛の原因は、食べ過ぎや消化不良によって、食べ物が胃や腸に停留したり、ガスがたまったりしていることです。
つまり、胃や腸が無理に押し広げられることによって痛みが起こります。
腸内の異常発酵や消化不良、胃炎の人の食べ過ぎや腸炎の人の下腹の張りなど。
他にも、胆石や胃腸狭窄、胃がんなどの可能性が考えられます。
伸展痛が1週間以上も続く場合は専門医のいる病院で診てもらいましょう。
一方、疝痛は胃や腸、膀胱や胆道、輸尿管など、空洞性または管状の臓器の壁が伸縮することによって感じる痛みです。
疝痛の特徴は、発作的また周期的に激しい痛みが起こります。
痛みは数秒または数分の間隔で周期的に増減するでしょう。
グッと差し込むような痛みの後、スッと軽くなり、しばらくしてまたグッと痛みがあり、その繰り返しが続くといった感じです。
疝痛の原因は、腸閉塞とも呼ばれる腸狭窄や胃けいれん、胆石や尿路結石などです。
異常を知らせるサインですから、すぐ病院へ行きましょう。
1-2.圧痛の特徴・原因とは?
自発的固定痛とも呼ばれる圧痛。
圧痛の特徴は、指で上から抑えるとはっきり痛むことです。
痛む場所が固定していて、ごく狭い範囲に限られます。
急に激しい痛みが起きて、その後ずっと患部が圧迫されるように痛み続けます。
圧痛はお腹の中にある各臓器に炎症が起きて、ある程度以上悪化している状態。
考えられる病気は、盲腸炎とも呼ばれる虫垂炎や急性腹膜炎、胆嚢炎です。
他にも、胃潰瘍が破れたり、腸に穴が開いたりした場合などにもみられます。
圧痛は重大な危険を及ぼすことが多いため、すぐに専門病院で受診しましょう。
1-3.神経性腹痛の特徴・原因とは?
急増している神経性腹痛。
神経性腹痛の特徴はお腹全体がひきつれるように痛むことや、疝痛のように断続的に痛むことです。
また、圧痛とは異なり、痛みを感じる患部を圧迫すると痛みは消滅してしまいます。
一般に、胃腸神経症などの人に多いでしょう。
2.お腹の部位7つから分かる痛みの原因とは?
お腹の痛みの原因ははさまざまです。
○胃や腸など消化器系の障害
○副腎や卵巣など内分泌系の障害
○腎臓や膀胱など泌尿器系の障害
○子宮など生殖器系の障害
○心臓病など神経系の障害
これらの障害は腹痛の部位によって、考えられる原因が分かります。
一般に、腹部と臓器が関係する原因を分かりやすくするため、便宜上へそを中心にして7つの部分に分けて考えることができます。
① みぞおち(へその上部)
② 右上腹部
③ 左上腹部
④ 右下腹部
⑤ 左下腹部
⑥ へその周り
⑦ 下腹部(へその下)
2-1.みぞおち(へその上部)が痛むときの原因とは?
通常、みぞおちが痛むときは胃や十二指腸に異常があります。
胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などです。
他にも、胃の周りにある肝臓や膵臓、胆嚢なども考えられます。
特に、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の痛みは、空腹のときや食後2、3時間してから、みぞおちが重苦しく痛み、食べると痛みが治ります。
夜間や早朝に強く痛むこともあるでしょう。
胃炎や膵臓、胆嚢の病気に多いのは、食後にみぞおちが痛むことです。
膵臓の病気は脂肪分が多い食事の後、すぐにみぞおちが痛み、背中まで痛みが走ります。
2-2.右上腹部の痛みの原因とは?
右上腹部とは、みぞおちから右側の助骨の下側に沿った部分です。
右上腹部の痛みの原因は胆嚢や胆道、肝臓や腎臓の病気が考えられます。
(おすすめ記事→クレアチニンが高いと腎臓の病気が潜んでいる!?運動と食事で対策を!)
胆嚢に関係のある病気の場合、息を吐きながら右上腹部から助骨の下に向かって指で軽く押し、その後、静かに息を吸うと急に痛みが強くなります。
胃潰瘍の場合は、胃から十二指腸に移るところにあるくびれの部位に潰瘍ができるため、右上腹部が痛むでしょう。
また、十二指腸潰瘍の場合は、胃と腸の境目のくびれて細くなった部位に潰瘍ができるため、右上腹部が痛みます。
他にも、病気ではありませんが、長く続く便秘で腸管内にガスがたまり、大腸が押し上げられるため右上腹部が痛むでしょう。
2-3.左上腹部が痛むときの原因とは?
大抵、左上腹部の痛みは大腸が原因で起こります。
大腸が長すぎる過長結腸症や内臓下垂症の人は、ガスがたまったり便秘しやすいため、左上腹部が痛むでしょう。
一般に、特殊なケースを除けば、心配する病気ではありません。
ただ、痛みを治すためには規則正しい生活が重要です。
消化の良い食事を摂ることや生活リズムを崩さないこと、排泄をスムーズに行うための腹筋運動することなどを心がけましょう。
2-4.右下腹部が痛むときの原因とは?
右下腹部の痛みの代表的な原因は急性虫垂炎です。
大腸炎や小腸炎、慢性虫垂炎や右尿管結石、婦人科の病気の場合もあります。
(人気記事→慢性化しやすい大腸炎!ストレスや乱れた食生活でできる腸の潰瘍とは!?)
急性虫垂炎はある日突然起こることが多く、最初の痛みはみぞおちからへその部分に沿って感じる疼痛です。
その後1、2時間すると右下腹部へ痛みが移行し、次第にみぞおちの痛みは消えて、右下腹部の限定されたところに痛みを感じます。
早い発見と手術で比較的治りが早くなりますので、早めに受診しましょう。
右尿管結石の場合は虫垂炎の痛みの場所と同じですが、痛みが陰部に向かって走るという違いがあります。
2-5.左下腹部が痛むときの原因とは?
左下腹部の痛みは、大腸の下行結腸やS状結腸が原因で起こります。
他にも、左尿管結石や婦人科の病気の場合もあります。
左下腹部の痛みに激しい下痢が伴う場合は、食中毒や細菌感染による急性大腸炎や赤痢が考えられるでしょう。
同じような症状で神経質な人に多いのが潰瘍性大腸炎です。
いずれも早めに受診することをおすすめします。
慢性的な便秘のために浣腸と下剤を常用している場合は、便秘に下痢が伴う便秘下痢交代症で左下腹部が痛みます。
なるべく浣腸や下剤の使用を止めて、左下腹部のマッサージや腹筋運動で、規則的な排便を心がけましょう。
2-6.へその周りが痛むときの原因とは?
へその周りの痛みは小腸の異常で起きることが多いでしょう。
特に、急性腸炎はサルモネラ菌など有害な細菌が含まれている食べ物や、毒きのこなど毒がある食べ物を食べたときに起こります。
へその周りの痛みだけでなく、下痢をしたり吐き気や嘔吐を伴うことがあるため、すぐに専門病院で受診しましょう。
腹部の手術や腹膜炎をしたことがある場合、腸の癒着やねじれによってへその周りが痛くなることがあります。
腸閉塞の場合も腸の一部が完全につまって、腹部の張りや痛み、嘔吐を繰り返すことがあるため、すぐに病院へ行きましょう。
2-7.下腹部(へその下)が痛むときの原因と症状とは?
へその下の下腹部が痛むときの原因は膀胱が多く、また直腸の病気のときもあります。
女性であれば、子宮外妊娠や子宮内膜症、子宮筋腫など婦人科の病気が多いでしょう。
まとめ
病院で受診するときに正しい診断を受けるため、起きた腹痛の部位と痛み方を感じ取ることは重要です。
原因によっては痛みが移動しますので、痛みの動き方も覚えておくと良いですね。
下痢や吐き気、胸焼けや発熱など腹痛に伴って起きた症状があれば、正しく伝えてください。
毎日仕事などで忙しいと、自己診断で済ませることが多いかもしれません。
病名を自分で決めることは避けて、専門医の診断を受けることをおすすめします。
HANA
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