毎日、忙しく働く30代、40代。
自分の健康を意識する暇さえないかもしれません。
そんな中、健康診断の結果を見て「あれ?」と思うことが多くなってきていませんか?
今回は、健康診断の項目にあるクレアチニンについてご紹介したいと思います。
あなたのクレアチニンの数値大丈夫ですか?
1.クレアチニンって何?
会社勤めの方は毎年健康診断を受診します。
年齢に応じて受診する項目が変わってくるケースが多いですが、診断結果で「クレアチニンの数値が高い」と出た、という方もいるかもしれません。
しかし、ここで問題になるのが「クレアチニンって何?」という素朴な疑問。
クレアチニンなんて聞いた事もないという方が多いのではないでしょうか。
クレアチニンとは、端的に説明すると、体内でできる老廃物のひとつを指します。
尿酸や尿素窒素の仲間です。
腎臓の糸球体でろ過されて、尿中に排泄されるもので、腎臓が正常に働いていれば尿として体外に排出される仕組みになっています。
つまり、血中のクレアチニンの数値が高いという事は、腎機能がきちんと働いておらず、本来尿として排出されるべきクレアチニンが血中から検出されてしまっていますよ、という事なのです。
(オススメ記事→脂肪肝の診断に用いられる数値とは?ALT(GPT)、 AST(GOT)、γ-GTPを分かり易く解説!)
2.クレアチニンの基準値と危険値は?
血清クレアチニンの正常値は男性で1.2mg/dl以下、女性で1.0mg/dl以下と言われています。
昔はもう少し低めの設定だったようですが、2012年に改変されたそうです。
危険値は患者の状態にもよりますが、8.0mg/dl以上で透析が必要になってきます。
ちなみに、クレアチニンは腎機能が50%以下に低下するまでは上昇しないため、この数値のみで腎機能の低下を判断する事は非常に危険です。
最近は、クレアチニン値と年齢と性別をもとに、推算糸球ろ過量というものを割り出し、それが腎機能の判定に使われているそうです。
クレアチニン値は筋肉量に比例します。
そのため、一般的に男性の方が筋肉量が多いため、女性よりも10~20%ほど高くなります。
3.クレアチニン値が高い場合に疑われる疾病
では、クレアチニン値が高い場合に疑われる疾病は何でしょう。
3-1.急性腎炎、慢性腎炎
急性腎炎は最近やウイルスに感染した後、後遺症的に発症するケースが多く、安静にしていれば自然回復します。
厄介なのは慢性腎炎の方で、こちらは長期間にわたり糸球体に炎症が起き続けて腎機能が低下していく疾病です。
治癒しにくいのも特徴で、放置しておいて、クレアチニン値が10mg/dl以上の数値まで上昇してしまった場合、人工透析が必要となる病気です。
3-2.腎臓結石
尿道結石ならぬ、腎臓結石。
結石が小さい場合に、尿の流れとともに少しずつ尿管を下りてきて、下腹部に痛みを感じるようになります。
結石は放っておけば自然に体外に排出される場合もありますが、大きくなってしまうと腎盂や尿管の途中で止まってしまいます。
そうなると尿の流れが堰き止められてしまい、腎臓がはたらかなくなってしまい、クレアチニン値が高くなるという仕組みです。
3-3.急性腎不全、慢性腎不全
腎不全とは、糸球体の網の目が詰まって腎臓の機能が低下して、老廃物を十分に排出できなくなってしまう事を指します。
こちらも急性より慢性の方が厄介で、一度かかると治りにくいと言われています。
3-4.尿毒症
腎不全の末期症状とも言える症状です。
腎臓のすべての機能が阻害されている状態で、老廃物の排出のみならず、水分調整やホルモン分泌まで十分におこなえなくなってしまっています。
4.低すぎてもダメ?クレアチニンの濃度が低い場合に疑われる疾病
クレアチニンの値が高いと腎機能不全が疑われますが、低ければ良いというものでもないようです。
クレアチニンは筋肉運動の代謝により生まれる老廃物なので、クレアチニン数値が低いと、筋肉の方で正常な代謝がおこなわれていないことが疑われます。
世界的に見ても珍しい、筋肉が減ってしまう難病などが疑われるそうですが、滅多にないケースのため、クレアチニン値が低すぎる場合は、筋ジストロフィー症などの有無だけ確認され、問題なければ、ただ「代謝が悪いだけ」という診断になってしまうそうです。
5.自覚症状が無いのが怖ろしい、腎臓からのSOSを見逃すな!
クレアチニン値が高いからといって、すぐに身体の不調が生じるわけではないのが、腎臓という臓器の怖いところです。
腎臓のはたらきが正常時の、なんと3割未満にまで下がってはじめて「むくみ、血尿、タンパク尿」などの、いわゆる自覚症状が出てくると言われており、気付いた時には大分手遅れになってしまっているケースが多いようです。
尿毒症になると、上記以外にも疲れやすくなったり、食欲が無くなったり、貧血、動機、息切れなどの様々な自覚症状が出てくるそうですが、尿毒症は先に述べた通り、腎不全の末期状態ですので、この症状がでたら、腎臓はかなり厳しい状態でしょう。
身体からのSOSは、やはりクレアチニン値を定期的にチェックして見逃さないようにする他ないようです。
6.クレアチニンが高い原因は何?
クレアチニン値が高くなってしまう原因はどこにあるのでしょうか。
6-1.検査前の激しい運動
クレアチニンは、筋肉を動かした際に生じる老廃物です。
検査前に激しい運動をすると、血中のクレアチニン値が一時的に増加します。
これは直接健康に害をなすような症状ではないのですが、検査結果が正常に出ませんので、検査前の激しい運動は控えるのが良いでしょう。
6-2.筋肉量の増加
これは検査前の激しい運動とは少し異なりますが、クレアチニンの数値は筋肉量に比例しますので、筋肉量が増えれば当然クレアチニンの値も増えます。
これも病気や疾病には直接は関りませんが、老廃物の量が増えるという事に代わりはないので、腎臓に疾病を抱えている方にとってはあまり歓迎すべき事ではありません。
6-3.頻尿、もしくは脱水症状
尿が正常でないと、老廃物は血液中に残留します。
また、腎臓の働きが悪くなると血液の濃度や尿量を調節するホルモンに異常が生じ、尿量が大きく変化するため、クレアチニン値にもダイレクトに影響が起こるそうです。
6-4.腎機能の低下、疾病、加齢
腎臓の機能に何らかの問題がある時も、勿論クレアチニン値が高くなります。
この場合は要注意で、すぐに再検査、精密検査を受けられることをおすすめします。
7.クレアチニン値を下げるには…?
最後にクレアチニン値を下げるための方法をご紹介します。
クレアチニン値を下げる事そのものが目的ではなく、腎機能を活発化させ、正常にはたらいてくれるように促進してくれる効果のある方法、と言った方が良いかもしれませんね。
まずは、健康に関する最も基本的な方法である「日常生活の改善」です。
主に食生活です。
タンパク質の摂取はなるべく控えましょう。
クレアチニンは筋肉が運動する際のエネルギー源となるアミノ酸の一種が代謝されて発生するため、タンパク質を多く摂取すると腎臓のろ過機能が追いつかなくなる危険が出てきます。
全く摂取しない方が良いというわけではありませんが、摂りすぎには要注意!
また、喫煙や飲酒も腎臓の負担になります。
飲酒が腎臓に悪いというのは有名な話ですが、お酒に強い方も、腎臓を酷使している事に変わりないですので、適度なところでストップしておくのがベターでしょう。
8.サプリメントや漢方薬も
日々の生活改善だけでは不安という方には、サプリメントや漢方薬もおすすめです。
手軽に摂取できますし、効果も期待できそうです。
クレアチニン値を下げる成分として有名な植物が「ノコギリヤシ」で、そのものを摂取する事がかなり困難ですが、サプリメントなどならば簡単に摂ることができます。
ノコギリヤシのサプリはこちら。
1日1粒なので、1日約72円でノコギリヤシが手に入ります。
9.運動するなら軽めの有酸素運動を
何度も言うようですが、クレアチニンは筋肉量が増えると増加してしまうので、健康に良いとされている運動も、筋力トレーニングなどはおすすめできません。
有酸素運動で日ごろの健康をキープする事が大切です。
(人気記事→ウォーキングで仕事の効率UP!?ウォーキングダイエットの魅力とは?)
腎機能の衰えが著しく、運動する事が禁じられる症例もありますので必ず担当医に相談をするようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
聞きなれない項目だからといって、そのままにしておくと大変なことになります。
少しでも気になることがあったら、内科か泌尿器科に相談に行くことをおすすめします。
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