きれいに割れた腹筋である「シックスパック」。
筋トレをしている男性の目標でもあるでしょう。
しかし実際に腹筋を割ろうとしても、容易にはできません。
実は腹筋をきれいに割るためには、それに特化したトレーニングが必要なのです。
今回は、美しい腹筋を手に入れるためのトレーニング方法をご紹介します。
1.シックスパックとは?
引き締まった腹筋の象徴であるシックスパック。
しかしシックスパックの意味を誤解している人は少なくありません。
そもそもシックスパックとは何なのでしょうか。
正解は「腹直筋」のことです。
腹直筋は胸の下から下腹部までにつながる筋肉で、いわゆる「腹筋」と呼ばれることの多い筋肉です。
身体を曲げたり、まっすぐ支えたりする役割を果たしています。
しかしこの腹直筋は左右に一本ずつ走っている細長い筋肉。
つまり上腕二頭筋の筋肉と同じような形をしています。
そのため単純に考えると、どれだけ鍛えても筋肉は太くはなりますが、勝手に段差ができるわけではありません。
その腹筋に段差を付けて6つのきれいな区切りである「シックスパック」を作っているのは腱の働きによるものです。
まず腹筋の中央に走っているのが「白線」と呼ばれている腱。
腹筋に力を入れて指で押してみると、タテに走っているミゾがあるのが分かるはず。
これが白線です。
一方、腹筋の横に走っているのが「腱画(けんかく)」と呼ばれる腱です。
この腱画は腹筋を短く区分けすることで、腹筋を短い区間だけ働かせる役割を果たしています。
この腱画があるおかげでちょっと身体を傾けたり、わずかにひねったりするとき、腹筋全体を動かさずに済むようになり、より効率的な動きができるようになっています。
この腱画は腹直筋の表面にしか存在しません。
腹直筋の裏側は、腱がなく腹筋はまっすぐにつながっています。
2.シックスパックは6つではない!?
腹筋がきれいに6つに分かれているのは白線と腱画によるものですが、実はこの腱画は人によって数が異なっています。
上半身裸のボクサーや、サッカー選手がユニフォームを脱いだとき、ビルドアップしたボディビルダーなどを見れば分かるように、定規で引いたようにきれいに6つに腹筋が分かれている人はほとんどいません。
多くの人は左右まちまちであったり、腹筋が4つや8つに割れているように見えるのは、実は腱画の数が異なっているからなのです。
ほとんどの人は腱画が3つあり、その場合は腹筋は8つに分かれることになります。
しかし4つある人も多く、その場合は腹筋が10に分かれます。
また腱画が2つしかない人もいて、このとき腹筋は6つに分かれます。
ただ、ズボンをはいてウエストから上に見えるのは6つに割れた腹筋という場合が多く、そのためきれいに割れた腹筋のことをシックスパックと呼ばれているのです。
実際にはまれに腱画が1つしかないと言う人もいて、そのため腹筋は4つから10に分かれるということができます。
3.鍛えているのになぜ腹筋は割れない?
腹筋を割れて見せているのは白線と腱画という腱のおかげであることが分かりました。
つまり言い換えれば、どんな人でも元々腹筋は割れているということになります。
しかし多くの人が腹筋がきれいに割れて見えません。
これはなぜなのでしょうか。
3-1.脂肪が多すぎて腹筋のミゾを消している
腹筋がきれいなシックスパックになっていない人の多くがこのケースです。
筋肉だけであれば腹筋はきれいに分かれているのに、その上に皮下脂肪が乗っているため腹筋のミゾが見えなくなっている状態です。
また、問題になるのは皮下脂肪だけではありません。
人間の身体には皮下脂肪以外にも、内臓周りに溜まる「内臓脂肪」が存在します。
(人気記事→脂肪肝は怖かった!知っておくべき症状と治療方法)
これは主に腸などの周囲についている脂肪で、食べたものはまずこの内臓脂肪に変わるため、皮下脂肪が「定期預金」であるのに対して、内臓脂肪はエネルギーが必要なときにすぐに使える「普通預金」と言われることもあります。
つまり、溜まりやすい代わりに消費しやすい脂肪細胞なのですが、問題はその場所です。
先ほど述べたように腹筋の外側には腱があり、それが腹直筋を押さえつけてミゾを作っていますが、裏側はなにもなくただ胸の下から下腹部にかけて筋肉が走っている状態です。
そして内臓脂肪が溜まりすぎると、内側から腹直筋は脂肪によって押されることになります。
言い換えれば、内臓脂肪によって腹筋が延ばされた状態。
これでは通常見えるはずのミゾもさらに少なくなって、結果としてのっぺりとした凹凸のない腹筋になってしまうのです。
3-2.もともと腹筋のミゾが浅い
それほど太っているわけではないのに腹筋がシックスパックに割れていないと言う場合には、腹直筋自体に問題がある可能性があります。
問題があるといっても機能的なものではありません。
人間にはそれぞれの体質というものがあり、少しトレーニングをしただけでも筋肉がつきやすい人、食べていないのに太りやすい人などがありますが、中でももともと脂肪や筋肉が少ない人の場合には、筋肉の量が少ないため腹筋自体も発達していないと言うことが少なくありません。
つまり、薄い筋肉を白線や腱画が抑えている状態。
もともとの筋肉量が少ないため凹凸がはっきりせず、そのため痩せていてもシックスパックができないということになってしまいます。
また、もともと筋肉がつきにくいという人はどうしても身体が薄くなってしまうため内臓脂肪の影響を受けやすく、痩せているのに下腹だけがぽっこり出てしまうといった体型になってしまうこともあります。
3-3.内臓が下がっている
先ほど内臓脂肪が溜まるとシックスパックができなくなってしまうと述べましたが、シックスパックがはっきりしない原因に内臓自体の位置があります。
通常、胃や腸などの内臓はそれぞれの正しい位置に収まっているものですが、それを支えているのがインナーマッスルです。
インナーマッスルは身体の奥深くにある小さな筋肉。
これは大きな筋肉とは異なり目立つことはありませんが、身体の細かな動きなどを調整するときに重要な役割を果たす筋肉で、内臓を正しい位置にキープすることもインナーマッスルの重要な仕事です。
しかし、インナーマッスルはマシンやウエイトなどで鍛えるのは難しく、加齢によっても衰えやすいため、運動不足や不規則な生活を続けていると機能を失ってしまいます。
そしてやがては内臓を支えられなくなってしまいます。
すると内臓は下腹部の当たりに溜まってしまい、結果的にお腹が出てしまいシックスパックからは程遠い状態になってしまうのです。
3-4.筋トレが限定的
腹筋を毎日100回以上はしているのに、なかなかシックスパックがはっきりしてこないという悩みを抱えている人も多いことでしょう。
この場合には「腹筋のやり方」に問題があります。
すでに述べたように、腹直筋自体はタテに伸びた長い筋肉で、それを白線や腱画が細かいスペースに割っています。
そのため、一種類の腹筋運動ばかり行っていると、その部分は鍛えられるものの、そのほかの部分はほったらかしになっているのと同じことになってしまいます。
たとえば、「腹筋運動」と聞いて誰もが思い浮かべるのが、あおむけになって床に寝て、ひざを立てて上半身を起こす運動であるクランチですが、これは腹直筋上部にしか聞きません。
つまりシックスパックでいえば上のふたつのブロックだけ。
そのほかのブロックはまったく動いていないということになってしまいます。
つまり、美しいシックスパックを手に入れるためには、それぞれのブロックを適度に動かすトレーニングが必要になります。
4.美しいシックスパックを手に入れるためのトレーニング
これまではシックスパックの構造と、なぜきれいに腹筋が割れないのかと言う理由を見てきました。
それでは、美しいシックスパックを手に入れるためにはどのようなトレーニングが有効なのでしょうか。
4-1.有酸素運動
まず、はっきりしたシックスパックを手に入れるために必要なのは脂肪を落とすこと。
表側から腹筋のミゾを潰してしまっている皮下脂肪と、内側から腹筋を押し上げている内臓脂肪を同時に落とす必要があります。
・ジョギング&ウォーキング
有酸素運動といえば、ジョギングが代表格です。
脂肪が燃え始めるのは通常運動を始めてから20分後と言われています。
(おすすめ記事→ダイエットするならジョギングしよう!すぐに結果を出したいアナタへ。)
そのため、最低でも20分はジョギングを続けることが必要です。
ただし、普段運動していない人や、体重が増えすぎている人、腰やひざにトラブルを抱えている人がいきなり走り始めるのは危険。
もし身体の不調を感じたら、ウォーキングに切り替えましょう。
走る自信がないと言う場合には、最初からウォーキングでも構いません。
ジョギングに比べると脂肪燃焼の効果は落ちますが、大切なのは20分以上運動を続けること。
普段よりも歩幅を広げて歩くことで股関節の可動域が広がるストレッチ効果があるだけでなく、地面に接地するときの衝撃が腹直筋下部やインナーマッスルを鍛えるのにも効果があります。
・スクワット
もし、体力的にランニングやウォーキングができない、人に見られるのが恥ずかしいといった場合、おすすめしたいのがスクワットです。
(人気記事→腹筋の100倍の効果!?朝のスクワットで簡単ダイエット)
足を肩幅に開き、ゆっくりと腰を落としていくスクワットは運動初心者にも簡単に行うことができます。
大腿筋を鍛えるための筋力トレーニングとしてのスクワットを行う場合にはウエイトなどを加えることがおすすめですが、有酸素運動としてのスクワットの場合、重要になるのが時間です。
こちらもゆっくりで構わないので、脂肪が燃え始めると言われている20分以上は運動を続けましょう。
また、スクワットを10分、ランニングやウォーキングを10分といったように、複数の運動を組み合わせても脂肪燃焼の効果があります。
4-2.腹筋のトレーニング
美しいシックスパックを手に入れるために欠かせないのは、やはり腹筋自体のトレーニング。
さらにシックスパッドを目指す場合には、「腹筋のミゾをはっきりさせる」「複数の腹筋トレーニングを組み合わせる」ということが重要になります。
・クランチ
仰向けに横になり、状態を持ち上げるクランチは腹筋上部を鍛えるための代表的なトレーニングです。
通常であれば、ひざを90度に曲げて地面について行うことが一般的ですが、腹筋のミゾをはっきりさせるためには負荷を高めることが必要です。
そのため、足が床と水平になるように持ち上げたり、手を頭の上で組んだり、水を入れたペットボトルをウエイトの代わりにしたりと言ったトレーニングが有効になります。
・レッグレイズ
腹直筋上部を鍛えている人でもおろそかになりがちなのが腹直筋下部のトレーニング。
代表的なのが「レッグレイズ」です。
これは床にあおむけになり、ひざを伸ばしたままL字になるまで身体を持ち上げるトレーニング。
トレーニングのときには、自分の動きが腹筋のどの部分に効いているのか、手を当てて確かめてみるのも効果があります。
慣れてきた場合には、足でペットボトルなどを挟んでウエイトを加えていきましょう。
・ニートゥーチェスト
仰向けに横になり、両手を後ろにつけて上半身を持ち上げ、ゆっくりとひざを胸に引き寄せていくニートゥーチェストは腹筋全体に効くトレーニング。
上半身や下半身の角度によって、腹直筋を使う場所が異なってくるため、常にトレーニングが腹筋のどのパーツを使っているのか確かめながら行ってみるとさらに効果がアップするはず。
さらにこのトレーニングはインナーマッスルを鍛えるのにも効果があります。
4-3.周辺の筋肉を鍛える
シックスパックを作っているのは主に腹直筋ですが、それを際立たせているのが周囲の筋肉。
肋骨からへそにかけての筋肉である腹斜筋はくびれを作るのに重要な存在です。
また、背中から腹直筋に向かって走る腹横筋は、身体だけでなく内臓を支える作用があります。
・サイクリング
通常のクランチを行うとき、身体をひねり、ひじと反対のひざを合わせるように行うのがサイクリング。
自転車を漕いでいるイメージで行うトレーニングで、腹斜筋を鍛えるのに効果があります。
(人気記事→働く男性におすすめ!自転車通勤ダイエット!)
・プランク
いわゆる「ひじ立て伏せ」の姿勢で身体をまっすぐにキープするのがプランクです。
これは身体を支えるため、腹横筋に効果的です。
まとめ
シックスパックを作るためには、とにかくトレーニングを持続すること。
長く続ければどんな人でもシックスパックを実感することができるでしょう。
あきらめず、根気強くトレーニングを続ければ、シックスパックを手に入れることも夢ではありませんよ!
T.Ttally
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