ビジネスマンにとっておなじみのスーツ。
ここ一番の重要な面談やプレゼンのときには、ビシっとスーツを着こなしたいものです。
しかし、高価なスーツやオーダーメイドのスーツにしても、どうもビシっと決まらないという人も多いです。
そんなときの問題は、スーツや着こなしではなく、身体自体にあるのかもしれません。
今回はスーツを美しく着こなすための身体づくりをご紹介します。
1.日本人はスーツが似合わない?
スーツをきっちりと着こなしている人は、カッコよく見えるだけでなく、発言にも自信や説得力を感じることができます。
そのため、ビジネスシーンではスーツの着こなしが大きく影響することもあります。
しかし、自分ではスーツをきっちり着ているつもりでも、なんとなくだらしなく見えてしまったり、貧相になってしまったりということがあります。
そこには、大きく分けて二つのことが関係しています。
まず大きな理由は「身体が薄い」ことです。
スーツはもともと、西洋から入ってきた文化なので、西洋人の体型に合わせて作られています。
西洋人は身体の厚みがあるため、特に筋トレなどをしなくてもある程度スーツを着こなせるのですが、日本人は身体が薄い人が多いのが現状です。
日本人がこの体形になった理由には、前かがみで仕事をすることが多い農耕民族だからという説や、床に直接座るため背中が曲がってしまいがちだからなどという説がありますが、どちらにしろ、身体の薄い人には、そもそもスーツを着こなすのは難しいものです。
スーツが似合わないもうひとつの理由は、「肩幅が狭い」こと。
身体の厚み同様、日本人の肩幅は欧米人に比べるとどうしても狭いため、なかなかキレイにスーツを着こなすことができません。
肩幅の狭さを隠そうとして、オーバーサイズのものを身につけるのは逆効果です。
肩のあたりが浮いてしまうため、さらに貧相に見えてしまいます。
さらに最近ではタイトなデザインのスーツも増えてきましたが、身体の薄く、肩幅の狭い人がタイトなデザインを着用すると、さらに身体を貧相に見せてしまうのです。
肩パットの入ったジャケットなどを着てみても、怒り肩になったり、古臭く感じさせてしまうだけなので、こちらもおすすめできません。
スーツを着こなすためには、デザインに頼るのではなく、自分の身体を作り直すことが近道です。
2.スーツを着こなすために重要な筋肉!!三角筋と大胸筋とは?
それでは、スーツを着こなすには、どのような筋トレを行えばいいのでしょうか。
スーツを美しく、カッコよく着るために鍛えたいのは「三角筋」と「大胸筋」です。
(人気記事→背筋の鍛え方!運動が苦手でもできる背筋トレーニング法)
「三角筋」は肩を覆っている筋肉で、前側にある「鎖骨部」、中ほどの「肩峰部」、後ろ側の「肩甲棘部」という三つの部分に分けることができます。
腕を上げる、腕を振る、回転させるといった場合に使われ、具体的には、走るときに腕を振る、腕を真横に上げるなどの場合に機能しています。
筋肉としてはマイナーに思えるかもしれませんが、実は三角筋は大胸筋や広背筋よりも体積が大きい筋肉です。
そのため、しっかりと三角筋を鍛えることは、上半身のイメージに大きく影響します。
また、三角筋を鍛えると肩幅が大きくなるだけでなく、相対的に頭が小さく見えるという小顔効果も期待できます。
一方の「大胸筋」は、胸の部分の筋肉です。
大胸筋は上半身の中では三角筋に次いで大きな体積を持っている筋肉で、筋トレのときには上部、下部、内側、外側をバランスよく鍛える必要があります。
これらの筋肉はそれぞれ腕を上げる、下げる、外側に開く、内側に寄せると言った場合に使われます。
身体の中でもっとも目立つ場所にあるため、しっかり大胸筋を鍛えておくと、がっちりしている人という印象を与えることができます。
また、面積が大きいだけでなく、皮下脂肪がつきにくいため、鍛えれば鍛えるほど効果が見えやすく、筋トレのモチベーションが上がる、自重でも鍛えられるメニューが多いなどのメリットもあり、初心者でもしっかりとトレーニングできる場所と言えるでしょう。
3.筋肉の種類とは?
スーツを着こなすために重要になるのが「三角筋」と「大胸筋」ということが分かりました。
この二つの筋肉を鍛えるためには、どのようなトレーニングを行うべきなのでしょうか。
それを考えるためには、まず筋肉の基本を知ることが必要です。
筋肉には大きく分けて「速筋」と「遅筋」の二種類があります。
これらはそれぞれ、目的や役割が異なります。
「速筋」は瞬発力や力の強さに関係する筋肉で、瞬間的に大きなパワーを発揮するものです。
それに対して「遅筋」は瞬間的な力は弱いものの、長時間にわたって力を出し続けることができます。
いわば「速筋」が短距離走者の筋肉であるのに対して「遅筋」はマラソンランナーの筋肉ということができます。
そしてスーツを美しく着こなしたいのであれば、「速筋」を鍛えていくことが重要です。
短距離走者とマラソンランナーの体型を比べてみると分かるように、速筋は鍛えれば鍛えるほど大きく太くなっていきますが、遅筋は鍛えても大きくはならず、逆に引き締まっていきます。
さらに速筋と遅筋の割合は人によって決まっています。
そのため、トレーニングの内容によって、遅筋を速筋に変えたり、速筋を遅筋に変えたりすることはできません。
現在身体の中にある速筋を重点的に鍛えることが必要になります。
4.速筋を鍛える筋トレ法とは?
それでは、速筋を鍛えるにはどのようなトレーニングを行えばいいのでしょうか。
それは「筋肥大」を目的にしたトレーニングです。
筋肉は拡大すると、細い筋繊維が束になってできています。
この筋肉はトレーニングなどを行うと、一部が壊れてしまいますが、その壊れた部分は栄養補給と休息によって回復、そのとき壊れる前よりも太くなります。
これが筋肥大と呼ばれるメカニズムですが、速筋を鍛えるために必要なのは、大きな負荷をかけることです。
もし負荷が低い場合、身体はまず遅筋によって対応しようとします。
これは速筋を使うと、身体の中のエネルギーを消耗してしまうためで、人間の身体はエネルギーを節約するため、できるだけ遅筋を使用して身体を動かしています。
そして遅筋だけでは対応できない重さがかかると、ようやく速筋が働き始めます。
そのため、速筋を鍛えるためには、できるだけ重い負荷をかけてトレーニングを行う必要があります。
目安はなんとか5~10回の運動を行えるかどうかです。
それより多くの回数を行えるようであれば負荷が軽すぎるということになります。
また、筋肥大を行うときにはトレーニングのやり方も重要です。
たとえば、バーベルを使ったウエイトトレーニングの場合、持ち上げるときは可能な限り素早く、下ろすときはできるだけゆっくり行ったほうが、負荷がかかり、効率的に筋肉を鍛えることができます。
同時に、同じ動作でもできるだけ大きな動きで行うことで効果がアップします。
大きな動作でトレーニングを動かすと、それだけ多くの筋繊維が影響するため、効率的にトレーニングを進めることができます。
5.三角筋を鍛えるトレーニング
三角筋は肩の動きに関わっている筋肉で、非常に複雑な動きを担当しています。
また、前部・中部・後部の三つの筋肉に分けられますが、それぞれに担当している動きが異なるため、まとめて鍛えようとするとどうしてもオーバーワークになりがちです。
三角筋を鍛えるときにはしっかり休息を取りながらトレーニングを行うようにしましょう。
・ブリッジ
筋肉を大きくするためには大きな負荷が必要になることや、三角筋の動きの特性上、ダンベルやウエイトを使用したトレーニングがおすすめです。
しかし、自宅でトレーニングを行う場合には、なかなかダンベルを買いそろえるのも大変です。
そんな人におすすめなのが「ブリッジ」。
仰向けに寝転がり、手のひらを床について弓なりに置きあがっていくトレーニングです。
一見、子どもの遊びや柔軟体操に思えますが、実はこれは高負荷のトレーニング。
三角筋だけでなく広背筋や脊柱起立筋などを同時に鍛えることもできます。
普段は身体を動かす習慣がない人や、筋トレ初心者にはおすすめです。
・パイクプッシュアップ
パイクプッシュは三角筋を鍛えることに特化した腕立て伏せです。
通常の腕立て伏せは、身体を伸ばして行いますが、パイクプッシュアップは身体を「く」の字に曲げて、三角筋に負荷をかけます。
このトレーニングはダンベルを使わないことや、三角筋の場所を意識しやすいと言うメリットがあります。
また、足の高さを高くする、バランスボールを使用するなどの工夫を加えることで、さらに負荷を上げることができます。
このトレーニングも、筋トレ初心者におすすめです。
・ワイドグリッププッシュアップ
通常の腕立伏せよりも、手の付く位置を広く取るのがワイドグリッププッシュアップです。
ワイドグリッププッシュアップは三角筋の中部から後部にかけて効果的なトレーニングです。
さらに、台などを使って手を付く位置を高くすれば負荷を高くできることや、大胸筋も同時に鍛えることができます。
・逆立ちプッシュアップ
これまでに紹介したトレーニングでは負荷が足りないと感じた場合におすすめなのが、逆立ちプッシュアップです。
これは逆立ちの状態から腕立て伏せを行うもので、体重がすべて三角筋にかかるため、非常に高い効果を得られます。
しかし、難しいトレーニングなので、決して無理はしないように気をつけましょう。
なお、壁に脚を付いて補助したり、ひじを曲げ切らなくても効果を得られるため、少しずつ練習を重ねるといいかもしれません。
・ダンベルショルダーレイズ
もし自重だけのトレーニングが物足らなくなり、ダンベルを購入したという場合、まず行いたいのはダンベルショルダーレイズです。
ダンベルショルダーレイズはベンチに座り、開いた手に持ったダンベルを肩の上に挙げていくトレーニングです。
ただし、効果が腹筋に逃げやすいことや、意外とフォームが難しいということもあるので、ジムのトレーナーなどにフォームチェックを受けながら行うといいかもしれません。
・ダンベルフロント&サイドレイズ
まっすぐに立った状態から、ダンベルを持った手を前に上げていくのがダンベルフロントレイズ、横に上げていくのがダンベルサイドレイズです。
これらは三角筋トレーニングの代表的なもので、フロントレイズは三角筋の前側、サイドレイズは横側を鍛えることができます。
特に横側は肩幅に直接関係がある部分なので、スーツを着こなすという点では非常におすすめしたいトレーニングです。
6.大胸筋を鍛えるトレーニング
大胸筋は鍛えるためのトレーニングが豊富で取り組みやすい部位ですが、漫然と行うだけでなく、上部・中部・下部のどの部分に効いているのかを考えながら行う必要があります。
ここでは代表的なトレーニングを紹介します。
・プッシュアップ
プッシュアップはいわゆる「腕立て伏せ」です。
(おすすめ記事→腕立て伏せの効果を上げる4つのポイントとは!?)
これは大胸筋の上部から中部にかけての効果があるトレーニングです。
足の高さを変えることで負荷をコントロールできるほか、手の幅などを変えることで内側から外側へと刺激を広げることができるトレーニングです。
筋トレ初心者はまずここからスタートするといいでしょう。
・ディップス
大胸筋下部を鍛えるための代表的なトレーニングがディップスです。
これは平行棒に身体を支えて、ゆっくりと肘を曲げて状態を沈めるトレーニングです。
自重による高負荷が期待できるトレーニングなので、しっかりした大胸筋を手に入れたいと言う人にはぜひおすすめです。
・ダンベルプルオーバー
ダンベルなどがある場合、取り入れたいのがダンベルプルオーバーです。
(おすすめ記事→ダンベルで筋トレ!!8つの部分別トレーニング法とは?)
これはベンチなどに横になり、顔の上からダンベルを頭の後方に動かしていくトレーニングで、縦方向の刺激によって大胸筋全体に効果があります。
筋トレは同じ動作を繰り返していくうちに効果が薄くなってしまうものですが、このトレーニングを組み合わせることで、さらにトレーニング効果を高めることが期待できます。
まとめ
三角筋も大胸筋も、トレーニングを行うと効果が実感できやすい筋肉です。
スーツを着ている姿もどんどん変化していくため、やればやるほどトレーニングが楽しくなっていくかもしれません。
ただし、トレーニングには食事や休息も必要です。
無理をせず、身体のコンディションと相談しながらトレーニングを進めていきましょう。
T.Ttally
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